子育て

【専門家監修】赤ちゃんに牛乳を与えるタイミングは?与えてはいけない理由4つ

赤ちゃんに牛乳はいつから与える?

子育て中の世代は、初めての育児で赤ちゃんにいつから牛乳を与えるといいか悩んでしまうことも少なくありません。特に初めての子育てで悩んでいる人は、牛乳は体にいいという情報や牛乳は慎重に与えた方がいいなどいろいろな意見を耳にして不安に感じることがあります。

さらに、フォローアップミルクという商品も販売されていて、どれをどのタイミングで与えるといいか不安に感じている家庭も少なくありません。

母乳と牛乳では栄養素の濃度が違う

母乳と牛乳では、栄養素の濃度が違います。牛乳は母乳の2倍程度のたんぱく質が含有されています。

ただし母乳には、赤ちゃんが成長する過程に必要なたんぱく質の組成であるという特徴があります。母乳は、乳清たんぱく質や非たんぱく態窒素が主なたんぱく質の組成です。

また育児用粉ミルクは原料は牛乳ですが、母乳に近づけるために栄養成分を置き換えたり、強化したり、過剰なものを取り除いたりしています。

フォローアップミルクとは?

フォローアップミルクとは、9か月以降の赤ちゃんに勧められることのあるミルクです。フォローアップミルクには、ふつうのミルクと比べると、たんぱく質やミネラルなどがかなり多く添加されています。

一見、栄養価が高く優れているように見えますが、赤ちゃんの消化吸収には内臓への負担がかかります。離乳食をどう食べているかが重要になり、かならずしも必要なものではありません。

牛乳は赤ちゃんが1歳を過ぎてから

現在の日本では、牛乳は鉄欠乏性貧血の予防の観点から赤ちゃんが1歳を過ぎてからということが推奨されています。そのため、1歳までは、母乳や育児用ミルク、フォローアップミルクを活用するといいでしょう。

ただし牛乳は、アレルギーになる可能性があります。しかし、摂取を遅らせることで予防できるわけではありません。血液検査ですでにアレルギーの疑いがある場合は、医師と相談しながら摂取の時期を決めていくことをおすすめします。

赤ちゃんに牛乳を与えてはいけない理由4つ

ここからは、1歳未満の赤ちゃんに牛乳を与えてはいけない理由を4つ紹介していきます。牛乳を与えてはいけない理由を知っておけば、体の発達が未熟な赤ちゃんに負担をかけてしまうという心配もなくなるでしょう。

赤ちゃんに牛乳を与えるタイミングを悩んでいる保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

牛乳を与えてはいけない理由1:腎臓に負担がかかる

赤ちゃんに牛乳を与えてはいけない理由は、腎臓に負担がかかるからです。牛乳には赤ちゃんの負担になるたんぱく質やミネラルが多く含まれています。

育児用ミルクは母乳に近い成分で作られていますので、子どもの腎離乳が完成し、栄養のほとんどをふつうの食事から摂れるまでに成長してから与え始めることをお勧めします。

牛乳を与えてはいけない理由2:乳糖成分が少ない

牛乳には、母乳に多く含まれる乳糖という成分が少ないです。そのため必要な栄養素が行き届かず、赤ちゃんの成長によくない影響を与えてしまう可能性があります。

乳糖成分とは、グルコースとガラクトースが結合した糖のことです。赤ちゃんはこの乳糖を分解して利用するためのラクターゼという酵素の活性が成人よりも大きいことで知られています。

赤ちゃんは母乳の乳糖を成長に活用させているため、牛乳では補えません。

牛乳を与えてはいけない理由3:鉄欠乏性貧血

赤ちゃんに牛乳を与えてはいけない理由の3つ目は、鉄欠乏性貧血になる可能性があるからです。牛乳には、鉄分の吸収を抑える成分があります。

さらに、牛乳には鉄分が少ないことや母乳よりも吸収率が低いです。牛乳を大量に飲んでいると、体内の鉄分が欠乏する牛乳貧血になる可能性もあります。

ただ母乳栄養を行っていても鉄欠乏性貧血になる場合があるため、離乳食では赤身の魚や肉を使うことが推奨されています。

牛乳を与えてはいけない理由4:ミルク・母乳の量が減る

牛乳を与えてはいけない理由の4つ目は、ミルクや母乳の摂取量が減る可能性があるからです。牛乳を代用することで必要な栄養摂取量が摂取できず、赤ちゃんの成長に問題が起きる可能性があります。

1歳までの赤ちゃんにとっては、母乳や育児用粉ミルクは栄養素としては必須となります。牛乳は母乳や育児用粉ミルクの代用として使うことができないため、与えるのはやめましょう。

1歳を過ぎた赤ちゃんに牛乳を与えるときの注意点7つ

ここからは、1歳を過ぎた赤ちゃんに牛乳を与えるときの注意点7つ紹介していきます。1歳を過ぎたからといって何の配慮もなく牛乳を与えることは、やめましょう。

特に初めて牛乳を与えるときは、慎重にするといいでしょう。注意点を参考にして、赤ちゃんを牛乳デビューさせることがおすすめです。

牛乳を与えるときの注意点1:適した量と温度

牛乳を与える時は、適した量と温度を心がけるといいでしょう。最初は与える量を少なめにして、人肌ほどに温めて様子を見ながら与えることをおすすめします。

夏場などは冷たい牛乳の方がいいかなと感じるかもしれませんが、冷たい牛乳は様子を見ながら与えると安心です。哺乳瓶では勢いよく飲んでしまうことがあるため、コップで少しずつ牛乳を飲ませるといいでしょう。

牛乳を与えるときの注意点2:鉄分を補う

牛乳を与えるときは、鉄分を補うようにしてください。母乳をやめて牛乳に移行すると、鉄欠乏性貧血になる可能性があります。

牛乳を与えるときは、鉄分を豊富に使った食材で離乳食を作ることを意識してください。レバーや赤身の肉、赤身の魚などを積極的に活用してください。

鉄分を配合している赤ちゃん用のおやつやふりかけなどを取り入れるのもいいでしょう。

牛乳を与えるときの注意点3:鮮度に注意

牛乳を与える時は、鮮度に注意です。牛乳は、開封後は菌が繁殖し始め鮮度が落ちると言われています。

赤ちゃんに牛乳を与える時は、パックを開けたばかりの牛乳を与えるようにしましょう。また牛乳は出しっぱなしにしないで、すぐに冷蔵庫に入れるなどを意識してください。

少しでも匂いや味に違和感に思った場合は、赤ちゃんには与えないようにしてください。開封後は2日で飲み切ることがおすすめです。

牛乳を与えるときの注意点4:他の乳製品の量に気を付ける

牛乳以外にも乳製品を与えている場合は、量に気を付ける必要があります。プレーンヨーグルトやカッテージチーズなどの乳製品は生後7~8か月から始められます。1歳の赤ちゃんには、1日の乳製品の目安は200~400ml程度です。

乳製品は脂肪分が多いため、摂取しすぎてしまうと食事に影響を与える可能性があります。午前と午後のおやつに分けて1日の乳製品の量を考えるといいでしょう。

ヨーグルトは牛乳と同じ重量で、チーズは牛乳の10分の1で計算すると分かりやすいです。

牛乳を与えるときの注意点5:牛乳は水分として飲ませない

牛乳は、水分として飲ませないようにしてください。牛乳は、おやつとして与えることがおすすめです。

牛乳はすぐに満腹になってしまうため、水分と同じように与えていると食事の量が減ってしまう可能性があります。また牛乳を飲みすぎると体重が増えすぎてしまう可能性もあります。

そのため赤ちゃんに水分を与えるときは、麦茶や水がおすすめです。牛乳は1日の適量を守りましょう。

牛乳を与えるときの注意点6:飲ませる時間帯

1歳の赤ちゃんに牛乳を与えるときは、飲ませる時間帯に気を付けるといいでしょう。はじめて飲ませる時は、平日の午前中がおすすめです。

平日の午前中は、もし牛乳を飲んで赤ちゃんに問題が起きた時にすぐに病院に行くことができる時間帯です。

即時型アレルギーを起こすと、1~2時間以内、特に15分以内に嘔吐や蕁麻疹、下痢や呼吸困難などの症状が起こります。心配な症状が出た場合は病院を受診するようにしましょう。

牛乳を与えるときの注意点7:プレーンヨーグルトから始めても良い

不安を感じる場合は、プレーンヨーグルトから始めても良いでしょう。プレーンヨーグルトは、砂糖が含まれていない商品がおすすめです。

プレーンヨーグルトは、生後7か月や8か月から与えられます。牛乳を与えて問題がないかを事前に確認したいときにも最適ですので、赤ちゃん用のヨーグルトからスタートしてみるとより安心できるでしょう。

赤ちゃんに牛乳を与えるときは慎重に!

赤ちゃんに牛乳を与えるときは、慎重にするといいでしょう。1歳未満の赤ちゃんには、牛乳ではなく母乳や育児用粉ミルク、月齢によってはフォローアップミルクを併用してみることを検討するのもよいでしょう。

また、1歳以上の赤ちゃんの場合も牛乳を与える際は注意する方がいいです。注意点を参考にして、赤ちゃんの牛乳デビューをするといいでしょう。