出産準備

命名書の形式別書き方2つ!用意するもの3つと飾り方や保管方法も解説

命名書とは

命名書とは、生まれたばかりの赤ちゃんに名付けたばかりの名前を紙に書いたものを意味します。命名書には、赤ちゃんが健やかに成長しますようにという願いを込め、赤ちゃんが生まれて7日以内に作るのが一般的です。

最近はさまざまなタイプの命名書があり、名前だけのものから、手形や写真を加えた写真フレームのようなものまでバリエーションも豊富です。

命名書にまつわる行事

日本では赤ちゃんが生まれたら、生後7日に命名式を行い、命名書で名前を披露するのが古くからの風習としてあります。命名式は、赤ちゃんが生まれて初めて迎える儀式で、無病息災の願いを込めて行うものです。

赤ちゃんの中には、生後1週間以内に体調を崩すケースもあるため、赤ちゃんの体調や状況を踏まえた上で行うのがいいでしょう。では、生後7日の夜に行う命名式についてくわしく見ていきましょう。

命名式・お七夜

お七夜(おしちや)とは、赤ちゃんの健やかな成長と無病息災を願い、赤ちゃんが生まれた7日目の夜に行う儀式です。お七夜は平安時代から続く日本の古い習慣で、生後7日目に行うのには意味があります。

医療が発達していない時代は、生まれた赤ちゃんの健康状態が悪いケースも多く、赤ちゃんが生まれて7日目を迎えられた節目を祝う儀式として命名式を行ったのが由来です。

いつからいつまで飾る?

お七夜で命名書を披露したあと、1週間から2週間の間は神棚や自宅に命名書を飾るのが一般的です。お七夜の儀式を終えると、生後1か月後に赤ちゃんの長寿を願ってお宮参りを行います。

命名書はお宮参りのときまで飾っておくケースも多い傾向にありますが、命名書を飾る期間は決まっていません。お宮参りや床上げを済ませる時期を目安にしておくといいでしょう。

命名書の形式2つ

赤ちゃんに名付けた名前を書く命名書には、正式と略式の2つの書き方があります。正式な命名書は、奉書紙と呼ばれる紙で包み、神棚などに供えます。

最近では、神棚がない家庭も多いことから略式で行う方も多く、ベビーベッドなどに命名書を飾ります。命名書は、正式と略式で折り方や名前の書き方や位置なども異なります。では、命名書の形式についてそれぞれくわしく見ていきましょう。

命名書の形式1:正式

正式な命名書は、奉書紙という紙を2枚使用し、1枚に名前を書き、2枚目で書いた紙を包みます。奉書紙とは、少し厚みのある紙で、古くは書物などに使用されていた和紙です。

紙を6分割に折り、毛筆で名前や生まれた日、両親の名前などを明記します。名前を書いた奉書紙を書き終えたら、もう1枚の奉書紙を9分割に折り、紙の中心に名前を書いた紙を置いて包みます。

命名書の形式2:略式

命名書の略式は、決められた用紙などがないため、好きな紙に赤ちゃんの名前と生まれた日、両親の名前を書くのが一般的です。

最近ではさまざまなデザインのものがあり、赤ちゃんの手形を付けたり、写真を一緒に掲載するタイプもあります。略式の命名書は、ベビーベッドや赤ちゃんがいる場所から近い棚などに飾る方が多く、飾る場所も自由に選べます。

命名書の作成で用意するもの3つ

命名書を作成する場合は、奉書紙・筆・額縁を事前に用意しましょう。命名書は正式か略式かによって、紙や筆の種類も異なります。

略式の場合は、紙や筆の種類も比較的自由に選ぶことができるため、文房具屋などで買い揃えるといいでしょう。最近では、命名書の作成キットなども販売されており、形式にこだわらない方にはおすすめです。

用意するもの1:奉書紙・色紙

正式な命名書では奉書紙が2枚必要となり、略式では色紙に書くケースが多い傾向にあります。正式な命名書では、奉書紙を使用し、1枚に名前を書き、2枚目で書いた紙を包みます。

略式の場合は、無地の色紙以外にも、キャラクターやデザインの入った色紙を選らんでも問題ありません。どんな形で命名書を残すかを考えてから、紙の種類やデザインを選ぶといいでしょう。

用意するもの2:筆・筆ペン

正式な命名書は毛筆で書くのが一般的ですが、略式の場合は筆ペンで書く方が多い傾向にあります。正式な命名書では、奉書紙をあらかじめ折って書くため、太筆と細筆の両方を用意しておきましょう。

略式の命名書は、名前を大きく書くため、少し太めの筆ペンを選ぶのがおすすめです。筆ペンには、濃墨と薄墨があり、慶事の場合は濃墨を選ぶのが慣習です。

用意するもの3:三方・額縁

正式な命名書の場合、三方と呼ばれる台に供える必要があります。三方とは、神前にお供えものをする台のことを意味します。

略式の場合は、飾る場所も自由に選べるため、額縁などに入れて飾るのがおすすめです。略式の命名書を選んだ方の中には、写真のアルバムと一緒に保存する方もいます。部屋の雰囲気や自分の好みに合わせて最適な保存方法を見つけましょう。

【形式別】命名書の書き方2パターン

命名書の書き方には、正式と略式の2パターンがあり、飾り方もそれぞれ異なります。正式な命名書は、神前に供えるため、書き方にも正しいルールがあり、三方に供えるのが一般的です。

日本では信仰している宗教がない方が多いことから略式を選ぶ方も多い傾向にあります。略式では、用紙のデザインや形式、飾り方などが自由に選べるのが大きなメリットです。

命名書の書き方1:正式な命名書の書き方

正式な命名書では、奉書紙を2枚使用し、1枚目の半分に赤ちゃんの名前や両親の名前を書きます。奉書紙には表と裏があり、ツルツルとした表面に文字を書きます。

奉書紙の2枚目は名付けた名前を書いた紙を包むために使用しますが、包んだ表面には「命名」と大きく書きます。奉書紙を事前に折っておき、文字を書くスペースを確認し、バランスよく名前を書くのがポイントです。

書き方

正式な命名書の書き方は、奉書紙を半分に折り右側から命名、父親の名前と続柄、赤ちゃんの名前を書きます。奉書紙を半分にした後、再度三つ折りにし、三か所に文字を書いていきます。

一番右側の真ん中には大きく「命名」と書きます。真ん中の場所には、右側に父親の名前と続柄、左側に生年月日を小さく書き、中央には大きく赤ちゃんの名前を書きます。一番左側には、名前を付けた日付と名付け親を明記します。

折り方・包み方

正式な命名書の折り方は、紙を半分に折ってから、さらに三つ折りにします。折り目をつけるときは、名前を書きやすいように、紙の裏面が内側になるように半分に折りましょう。

名前を書いた紙を6分割になるよう折ったら、次は書いた紙をもう1枚の紙で包みます。包む紙は9分割になるように折り、中央の部分に書いた紙を置きます。包む際は、左側から縦におり、包み終えたら表面に「命名」と書きます。

飾り方

正式な命名書は、神棚や床の間に供えるのが一般的です。おめでたい儀式ということから、お赤飯や尾頭付きの鯛などを一緒に供えることも多い傾向にあります。

神棚がないという方は、仏壇屋で購入するのも1つの方法です。飾っておく時期は、出生届を出す時期かお宮参りの時期までお供えしておきましょう。

命名書の書き方2:略式の命名書の書き方

略式の命名書は、書式や紙の種類を自由に選び、紙の中央部分に名付けた名前を大きく書くのが一般的です。

最近では若い世代を中心に略式の命名書を選ぶことが多く、インターネットでもさまざまなデザインのテンプレートがあります。略式の場合は折り曲げないため、紙面のデザイン選びも重要なポイントです。

書き方

略式の命名書は、右側に両親の名前と続柄を書き、中央に名付けた名前を大きく書きます。正式な命名書と同じく、左側には生年月日を書くケースが多い傾向にあります。

テンプレートなどを使用する場合は、命名と印字されており、その他の部分を筆や筆ペンを使用して書きましょう。略式には形式がないため、足のサイズや生まれた時の体重などを記載することもあります。

飾り方

略式の命名書を飾る場所は、赤ちゃんのベビーベッドや周辺に飾るケースが多い傾向にあります。

正式な命名書のように飾る場所が決まっているわけではないので、基本的には好きな場所に飾っても問題ありません。額縁に入れたり、大きめの写真フレームに入れて飾るなど、部屋のインテリアに合わせておしゃれに飾りましょう。

命名書は誰が書いても良い

正式や略式に関わらず、命名書は誰が書いても問題ありません。かつては名付け親となった方が書くケースも多くありましたが、現在は赤ちゃんの両親が書いたり、筆耕さんにお願いするケースが増えています。

命名書は家族にとって記念や思い出として残るものなので、気持ちを込めて両親のいずれかが記入するのがいいでしょう。

命名書の保管方法

命名書を飾る時期を過ぎたら、厚紙に挟んだり、アルバムに入れるなどして大切に保管しておきましょう。保管方法には決まったルールはありません。命名書にシワができないよう、ラミネートするなどして美しい状態で保存してください。

命名書は赤ちゃんの誕生を祝い成長を願うもの

生まれた赤ちゃんの健やかな成長を願い、赤ちゃんに名付けた名前を三方に供えるのが正式な命名書と呼ばれるものです。命名書には正式と略式の2種類があり、神棚や床の間がないご家庭では略式の命名書を選ぶケースも多い傾向にあります。

平安時代から続く命名書には古くからの意味があり、現代においても日本の習慣として残っているものです。赤ちゃんの無病息災を願い、命名書を供え、命名式を盛大にお祝いしましょう。