出産準備

【専門家監修】妊娠中にサバは食べていい?妊娠中に魚を食べる時の豆知識7つ

妊娠中の食生活で気を付けることは?

妊娠中はご自身のためだけではなく、おなかの中の赤ちゃんが成長するためにもバランスの良い食事を摂取することが大切です。

特に初めての方は色々と不安が多いはずです。
普段食べている食事から赤ちゃんの成長の妨げになってしまう可能性もあるのです。

そこで、妊婦中に食べた方が良いものをピックアップして紹介していきます。

妊娠中は塩分や糖分に気を付ける

妊婦中にかかわらず、塩分の過剰摂取はむくみの原因や高血圧などの病気にも繋がってきます。

妊娠が分かったタイミングで普段の食生活を見直して、塩分や糖分を控えた食事にするといいでしょう。出産にむけて健康体でいることを意識しましょう。

妊娠中はアルコールや生ものを控える

妊娠中にアルコールの摂取は控えた方が良いことは広く知られていますが、生ものも同じぐらい気を付けた方が良い食材です。

妊娠中は免疫力が下がってしまうため普段なら何ともないことで体調を崩しかねません。
例えば、生肉や刺身、生卵など非加熱の食材はなるべく避けることをお勧めします。

妊娠中はバランスの良い食生活をする

妊娠中はバランスの良い食生活が求められます。
緑黄色野菜などを積極的に摂取することでビタミンやミネラル不足を防ぎます。

赤身の肉や魚などもうまく献立に組み込み貧血にならないように注意しましょう。

何事も適切な量を摂ることが大切で偏った食事による過剰摂取は避け、妊娠を機に日頃の食生活も一度見直してみるのもいいと思います

サバは食べていい?妊娠中に魚を食べる時の豆知識7つ

煮ても焼いてもおいしいサバは、妊娠中に摂取したい栄養素が多く含まれています。
まさに妊娠中の方におすすめした魚の一つです。

妊娠中に食べることのメリットや食べるときに注意することなどを細かく説明していきます。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識1:魚の栄養について

サバには妊婦さんに是非食べてほしい栄養素が詰まっています。特にたんぱく質やビタミンが豊富に含んでいます。

たんぱく質は筋肉や内臓、皮膚や酵素など様々なものを作る時に使われる栄養素に必要です。

ビタミンは神経などの働きを助けたり、妊娠中に特に大切な鉄などの吸収に不可欠だったりと体の活動に不可欠な栄養素含まれています。

妊娠前よりも沢山のたんぱく質やビタミンを摂らなければいけない妊婦さんにとって、サバは特におすすめの食材です。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識2:生魚は控える

栄養満点なサバですが、1点注意しなければならないことがあります。
それは刺身などの生で食べたときに起きる食中毒です。

サバには寄生虫や細菌が付いていることが多いため免疫力が下がっている妊娠中は食べることを避けた方が良いでしょう。

火を通すことによって大半の寄生虫や細菌は除去されるので、サバを食べるときは火を通している料理にしましょう。

ここからは、よく耳にする寄生虫や細菌を説明していきます。

アニサキス

アニサキスとは体長20~35㎜の線虫です。
アニサキスが寄生したさばを食べることによって数時間後には嘔吐と腹痛の症状があらわれます。

これはアニサキスが腸壁や胃壁に噛み付くからです。幸いアニサキスは目に見える大きさなので刺身などを食べるときは注意してたべれば問題はありませんが、絶対に見落とさないとは限りません。

なので、基本的に生で食べることはおすすめしません。もしも、生で食べて腹痛を感じたらすぐに病院に行って治療を受けてください。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は主に食肉や乳、卵およびそれらの加工品から起きることが多い食中毒です。
しかし、この細菌は熱に弱く、75℃以上1分間の過熱で死滅します。

なので考えられるのは、肉類の生食や半熟卵からなどが挙げられます。
日本では生卵でもほとんどの確率でサルモネラが出ることはありませんが、海外の卵は初めから生食用に出荷されていないので食べないでください。

サルモネラは腹痛や下痢、嘔吐などの症状が2~7日間続きます。症状は比較的軽い方ですが妊婦さんは要注意です。

リステリア菌

リステリア菌は、河川水や動物の腸管内など広く分布する細菌です。あまり有名ではありませんが、妊婦さんや高齢者は要注意な食中毒になります。

ほとんどの場合は重症化しませんが、万が一そうなると致死率が高い疾病であることから、世界保健機構も注意喚起を行っているほどです。

国内では乳製品や食肉加工品、魚介類加工品などから少なからずリステリア菌が検出されています。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは海水や海産の魚介類になどに生息しています。この細菌はまな板や包丁、手などからの二次感染が主な感染経路になります。

なので、魚介類を処理した後はしっかりと洗浄する必要があります。塩水を好み増殖も速いが真水に弱いので洗剤を使って洗い、その後よく水道水で洗い流せば防げる食中毒です。

症状は腹痛や嘔吐、発熱が上げられます。特に夏場でよく発生する食中毒なので屋台などで飲食するときは特に気を付けましょう。

ノロウイルス

ノロウイルスは感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。特に冬場に多く牡蠣などを含む二枚貝からの感染が主な原因です。

対策としては、生食は控えるようにすることと、食べる場合は85℃から90℃で90秒以上加熱されていることを確認することが大切です。

症状は、吐き気、嘔吐、腹痛などがあり通常は3日ほどで回復します。二次感染も怖いウイルスなので、牡蠣や二枚貝を使った後はしっかりと洗浄することを心掛けましょう。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識3:炙って食べれば大丈夫?

炙りサバは火が入っているように見えて中は半生の商品です。
アニサキスを死滅させるには中心までしっかりと火を通すことが大切です。

表面しか火を加えない炙りサバは安全とは言えません。
ですが、アニサキスは冷凍には弱く24時間以上冷凍し中心まで冷凍してあれば安心て食べることができます。

店頭で売られている冷凍した切り身などは安全と言えるでしょう。

最終的には、しっかりと目で確認して火を通して食べることをお勧めします。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識4:水銀を多く含む魚とは

魚の食べ過ぎで知らないうちに水銀の過剰摂取になってしまうケースがあります。魚は何となく健康に良いイメージを持たれがちですが、妊娠中には注意しなければならない食材の一つです。

特にマグロの食べ過ぎで起こるとされています。メチル水銀は体の神経系に作用し、お腹の中の赤ちゃんは影響を受けやすくなってしまいます。なのでマグロなどの魚は食べ過ぎないように適度に摂取することがおすすめです。

マグロ等

生態系の上に存在するまぐろは食物連鎖の過程で他の魚より多くの水銀が蓄積されています。
しかしこの水銀が赤ちゃんに影響するのは胎盤が出来上がる4カ月頃からなので、それまで食べたものは心配する必要はありません。

目安としては80gのまぐろを週に一回までとされています。これを目安にして、食事をして下さい。

マグロなどの加工食品については通常通り食べていたとしても問題ないとされています。

サメ等

あまり食卓に上がることは少ないと思われますが、サメ類も多くの餌から水銀を蓄積している魚の一つです。

こちらもマグロと同様に1週間に80g程度とされています。例を挙げるとすればヨシキリザメやドチザメ等です。

珍しい食材になりますので、もし妊娠中に食べる機会がありましたら、今週の献立を思い出して目安量を超えないようにしてくださいね。

鯨類等

クジラやイルカなども水銀が多い魚になります。特に日本海で取れるクジラには水銀量が比較的多くなっています。

食物連鎖の上に行けば行くほど多くなると考えると、最終的に食べる人間が一番多い状況になってしまいます。

クジラ類は体も大きいので水銀を多く蓄積させている可能性がもっとあります。なので妊娠中は基本的にクジラ類を食べない方が安全といえるかもしれません。

深海魚類等

キンメダイなどの深海魚も水銀が多く蓄積されています。深海魚とは概ね水深200m以上の海に生息する魚のことを指します。

しかし、深海魚によっては深海と浅海を行き来する種類も多く、比較的浅い場所でも水銀を多く蓄積させている可能性があります。

一般の方が食べても問題はありませんが、赤ちゃんには大きな影響を与える水銀を妊婦さんだけでなく幅広い方に知っていただきたい知識になります。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識5:水銀を多く含む魚を食べてしまった場合

あくまでも目安範囲なのでもし食べ過ぎてしまった場合は次の週から気を付けて食べないなどの対策をとると良いでしょう。

制限は妊娠の間だけの話で、例えば妊活中などは普段通り食べても心配はありません。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識6:ビタミンAの過剰摂取とは?

ビタミンAは目や皮膚など健康を維持する上で欠かせない栄養素になります。不足すると夜盲症になったり、感染症になりやすくなってしまいます。

しかし、妊娠中に過剰に摂取すると、赤ちゃんに器官形成異常が起こりやすくなってしまうため注意が必要です。

ビタミンAが豊富な魚の代表はうなぎなどが上げられます。

妊娠中に魚を食べる時の豆知識7:妊娠中におすすめの魚は?

魚油に多く含まれるDHAは多価不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸に分類されます。
妊娠中に適切に摂取する事によって早産予防や乳幼児の脳の発達などにも効果があるとされています。

水銀の心配なく食べられる魚は鮭、鯵、鯖など普段から食卓に上がるものも沢山あります。

食べる際もしっかりと火を通してから食べる事をお勧めします。

妊娠中におすすめ!サバ缶を使った簡単レシピ2選

妊娠中でも手軽に食べられて、しかも良い脂肪酸を摂取するにはサバ缶がお勧めです。真空で作れているため保存料も入っていませんし、生魚を買うより安全です。

サバ缶だと骨まで食べれるのでカルシウムも一緒に摂れる優れた食品です。今からアレンジレシピを紹介していきますので、気に入った方は是非作ってみて下さい。

サバ缶の炊き込みご飯

材料はお米2合、サバの水煮缶1缶、人参20g、生姜大さじ1、酒大さじ1、みりん大さじ1です。

1.お米を研井出ザルにあげておき、人参と生姜千切りにする。
2.炊飯器にお米と調味料と缶汁を全て加え、軽く混ぜ合わせる。
3.人参、サバの身、生姜を載せて炊飯スタート。

たったこれだけで栄養満点な主食になります。簡単なのでぜひ作ってみて下さい。

サバ缶でつくるトマトパスタ

材料はパスタ300g、サバの水煮缶1缶、ホールトマト400g、ニンニク2片、オリーブオイル大さじ5、酒大さじ4、塩胡椒適量です。

1.フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れて香りを出す。
2.鯖缶を汁ごと入れて、身をほぐしお酒を入れて炒めていく。
3.ホールトマトをカットして入れ、塩胡椒で味付けをし5分ほど煮てからパスタを茹で始める。
4.パスタは少し硬めに茹でしっかりと水分を切ったらフライパンに入れてソースと絡ませる。

これで完成です。ぜひ試してみて下さい。

妊娠中は調理法に気を付けてサバなどの魚を食べよう

サバに限らず魚に含まれる栄養素は妊娠中の方にとって必要不可欠なものになります。

しかし、食べ方や種類には注意することが求められます。

不安が多くなる妊娠中ですが、正しい知識を持ってより良い妊娠生活を送りましょう。