妊娠症状

【専門家監修】妊娠5ヶ月にあたる妊娠17週で起こる体のトラブルとその対処法

「妊娠17週になってから体調が変化しているな。」
「妊娠5ヶ月で体に変化が起こると聞くけど本当かな。」
このように妊娠5ヶ月を迎え、体調に不安を感じている方もいるでしょう。
本記事では、妊娠5ヶ月にあたる妊娠17週で体に起こるトラブルにはどんなものがあるのか、また、その対処法も合わせて紹介します。

この記事を読むことで、安定期と呼ばれる妊娠5ヶ月の過ごし方や、妊娠17週を過ぎてから気をつけるべきことがわかります。

トラブルに悩んだ時も、対処法を知っていれば心にゆとりが持てるでしょう。現在妊娠5ヶ月で、体調の変化について悩みのある方はもちろん、これから来る安定期に向けて準備しておきたいという妊娠初期の方も、是非参考にしてみてください。

妊娠17週目が含まれる妊娠5ヶ月とは?

妊娠17週目が含まれる妊娠5ヶ月とは、初期流産が起こりにくくなるとされる安定期にあたります。

この頃にはつわりが落ち着き、気持ちが楽になる妊婦の人も多いと言われています。ただし、体に負担のかかる旅行や大きな移動は、安定期とはいえ無理につながるため避けた方が良いでしょう。

出典:安定期の意味と時期|エナレディースクリニック
参照:https://www.ena-clinic.com/column/681/

妊娠17週で起こる体の変化

妊娠17週の時期には、お腹が目立ち始める他、人によっては胎動も感じられるようになっているため、お腹の赤ちゃんの存在をはっきり体感できるようになります。

この頃には服の上からでもお腹の大きさが目立ち、周りから見ても妊婦であることがわかりやすくなっているでしょう。

出典:産科の概要|亀田マタニティ・レディースクリニック
参考:https://www.kameda-c.com/menu/obstetric/information/

お腹が目立ってくる

妊娠17週の子宮の大きさは小学生の頭くらいになり、お腹のふくらみが目立ち始め、外見からも妊娠していることがわかるようになってきます。

この時期の妊婦健診では子宮底長(恥骨から子宮の上端までの長さ)を測ります。これは赤ちゃんの大きさや羊水量の目安となります。子宮底はおへその下あたりまできています。

また乳腺もどんどん発達していく時期ですのでバストも大きくなりだし、体全体にも皮下脂肪がついてふっくらとした体形になっていきます。

胎動を感じるようになる

妊娠17週は、ママによっては初めての胎動を感じられる時期です。ママにとって、自分のお腹に赤ちゃんが確かに生きていることを実感できる、妊娠中の感動的な瞬間の1つでしょう。

まだ、パパや他の人がお腹を触ってわかるには早い時期ですが、ママ自身は静かにリラックスしていると胎動を感じやすいです。

出典:産科の概要|亀田マタニティ・レディースクリニック
参考:https://www.kameda-c.com/menu/obstetric/information/

妊娠17週で起こる体のトラブルとその対処法

妊娠17週は、つわりが落ち着き気持ちが楽になるママが多いですが、それと同時に、背中に痛みが出たり肌が乾燥しやすくなるなど、新たなトラブルが起こってくる時期でもあります。

ここでは妊娠17週で起こる体のトラブルと、その対処法について解説します。

出典:妊娠「中期」の過ごし方について|牧田産婦人科
参照:https://www.makita-sanfujinka.com/support/column/pregnancy/395/

痔になる

妊婦が痔になる原因には、妊娠したことで便秘になりやすく、便が硬くなって排便時に肛門周辺を傷つけてしまうことや、子宮が大きくなったことや血液量が増加したことで、直腸周辺の静脈が圧迫されてうっ血してしまうことが考えられます。

痔を予防するためにも食物繊維が多い食生活や適度な運動と十分な水分を摂取することが大切です。

また痔の症状を和らげるには、温かいお風呂に浸かったり、長時間座ったままにならないようすることが効果的です。

胸焼けや消化不良になる

妊娠17週にはつわりが落ち着いてくるママがほとんどですが、中には胸やけや消化不良の症状が出てくるママもいます。

増加した黄体ホルモンの影響で胃の動きが鈍くなったり、胃酸が食道へ逆流しやすくなったり、大きくなった子宮に胃を圧迫されたりすることで胸やけや胃もたれの症状が起きます。

消化に良い食べ物をなるべく選び、よく噛んで1度に食べ過ぎないようにしたり、寝る前や運動前の食事を避けることが大切です。それでも症状が続いたり他の症状も伴う場合は医師に相談しましょう。

足がつりやすくなる

足の筋肉がけいれんしていることを「足がつる」や「こむら返り」とよく言いますが、妊娠したママは就寝中や起床時に起きやすくなります。原因ははっきりとはされていませんが、体重が増加する妊娠後期になるとさらに起きやすくなるといわれています。

足がけいれんした時は爪先を上に向けてふくらはぎを伸ばすことが効果的です。足のけいれんの予防には、急激な体重増加に注意し、履きやすい靴で軽い運動をしたり、温めてマッサージやストレッチをしたり、水分を十分に摂ることが大切です。

背中が痛くなる

お腹が大きくなってくると体の重心が変化し、背中が反り気味の姿勢になることで背中に痛みが生じます。またホルモンの影響で骨盤が緩むことも原因で、腰痛も生じやすくなります。

痛みの予防には背中や腰に負担がかからない動きを心がけ、長時間立っていたり同じ姿勢を続けることは避けて、骨盤ベルトを使用してみたり、軽い運動やストレッチをできる範囲で行うことが効果的です。

自己判断で湿布薬を使用したりせず、痛みがひどい場合は医師に相談するようにしましょう。

頭が痛くなる

妊娠中に起こる頭痛の原因は、増加した黄体ホルモンによる自律神経の乱れや、体系の変化から不自然な姿勢になって起きる筋肉の緊張、赤ちゃんの成長や胎盤を作ることによって起きる貧血などがあります。

注意するべき頭痛には、妊娠高血圧症候群が原因で起こる頭痛や、脳卒中や脳梗塞の前兆として現れる頭痛があり、その場合は母子共に命に危険があるため、感じたことのないような痛みや異変があればすぐに病院を受診する必要があります。

また市販薬には、妊婦が使用してはいけない鎮痛剤もあるので必ず医師に相談し、自己判断での服用は避けましょう。

肌が敏感になる

ホルモンバランスの変化や、お腹やバストが急に大きくなることで皮膚が伸ばされることが原因で、肌が乾燥しやすくなったり痒みが出たり、シミや妊娠線ができやすくなったりします。

皮膚の伸びが追いつかずに断裂してしまってできた妊娠線は、1度できると消えにくくなります。様々な肌トラブルを予防するためにも高保湿のクリームやオイルなどでこまめに保湿することと、急激な体重増加がないようにしっかり管理することが大切です。

おりものが多くなる

妊娠中は、ホルモンバランスの変化により普段よりおりものの量が増えます。

ただし、それよりも多くなった時は、後期流産の可能性にもつながりかねない、細菌性腟症にかかっている可能性があります。かなり量が増えたり、色が黄色くなる、においが強まるなどの変化に気づいたら、早めに医師に相談しましょう。

出典:妊娠の初期症状と産婦人科を受診するタイミング | エナレディースクリニック
参照:https://www.ena-clinic.com/column/528/

髪や体毛にトラブルが起こる

髪や体毛に変化が起こるのも、この時期です。髪が抜けたり乾燥するのが気になる時は、タンパク質を意識した食事を心がけましょう。

体毛が濃くなって気になる場合は、剃るなどの対処法になります。産後にホルモンバランスが戻ると元の状態に回復することが多いため、気にしすぎずに過ごしましょう。これらは母体から赤ちゃんに必要な栄養を送っていることによる、一時的な変化です。

出典:教えて Mid Wife(助産師)|ひたちなか母と子の病院
参照:https://www.hahatoko.com/mother/midwife/01_16/index.html

妊娠17週の過ごし方

妊娠17週のママは精神面や体調が安定してくるので、色々行動しやすくなると言われています。お腹がもっと大きくなる前に、出産に向けての準備や、変わっていく体形に合わせて必要なものをそろえ始める、いい時期と言えるでしょう。

具体的にどのようなことをしたらいいか、またどのような自己管理が必要かをみていきます。

講習に参加する

産科のある病院や自治体などでは、出産を控えたママやパパに向けた講習が定期的に行われています。

赤ちゃんの基本的な知識や、出産時のアドバイス、出産後の赤ちゃんのお世話の仕方などを学ぶことができ、妊娠中の悩みや疑問を相談することもできます。

パパも一緒に参加することでパパにも実感がわくきっかけになりますし、ママ友作りにもなるかもしれませんので、体調がいい時に参加してみるといいでしょう。

里帰り出産をする病院を決める

里帰り出産を考えているママは、実家の近くで分娩を受け入れてもらえる病院を探し、分娩予約を取るために1度受診する必要があるかと、いつまでに里帰りしなければならないかを確認しておかなければなりません。

またかかりつけの病院にも里帰り出産をすることを伝え、紹介状を準備してもらう必要があります。

人気のある病院では早くに分娩予約が埋まってしまったり、病院によっては妊娠17週よりも前に初診が必要な場合もあるので、里帰り出産での病院探しは早めに始めましょう。

またこの時期に小児科も探しておくといいでしょう。

食生活を見直してみる

妊娠17週には赤ちゃんもどんどん成長していくため、ママに必要な栄養は増えますが、つわりが落ち着いて食欲が増したからといって、急激に体重が増えてしまっては様々なマイナートラブルを引き起こしてしまいます。

つわりで偏ってしまった食生活を見直し、不足しやすい鉄分などの栄養素を補いながら、バランスの取れた食事で体調や体重管理を始める必要があります。

どのような食べ物をどれくらい食べたらいいか、体重はどれくらい増えていいのかは指針が出されているので調べてみたり、医師に相談するとよいでしょう。

マタニティ用の服を準備する

妊娠17週になるとお腹やバストが大きくなることで妊娠前の服や下着がきつくなってきます。

服や下着で締め付けてしまうと息苦しさや血行不良を起こしたり、赤ちゃんや乳腺の発達に影響を与えてしまう可能性があるので、ゆったりとした服やマタニティ用の下着に切り替えていくといいでしょう。

マタニティ用の服や下着でもおしゃれなものや、産後・授乳期でも使えるものもあります。お腹をすっぽり隠せるものであればお腹を温めるにも役立ちます。

お腹の赤ちゃんに話しかけてみる

妊娠17週頃になると、赤ちゃんの大脳にある海馬の部分が発達し始め、ママの声が判別できるようになってくるとされています。

妊娠17週前後になるとママの声は記憶できるとされているので、意識して話しかけ、お腹の赤ちゃんと楽しくコミュニケーションをとってみましょう。

出典:マタニティ基礎知識|埼玉県さいたま市の産婦人科 高橋クリニック
参照:https://www.taka-cl.jp/knowledge/

妊娠17週の赤ちゃんの大きさ

妊娠17週の赤ちゃんは、どれぐらいの大きさに成長しているのでしょうか。

この頃には、赤ちゃんは身長は約25センチ、体重は280グラムほどになると言われています。

出典:妊娠~出産までの流れ|御嵩町
参照:https://www.town.mitake.lg.jp/wp-content/uploads/ninsinsyusan.pdf

妊娠17週の赤ちゃんの様子

妊娠17週の赤ちゃんの大きさは洋ナシほどで、頭と体の部分のバランスも取れて赤ちゃんらしい形となり、活発に動くようになります。主要な器官が発達し、それぞれの臓器の働きが確立されていきます。

赤ちゃんの体ではタンパク質や脂肪の割合が増え、皮下脂肪、うぶ毛、爪などができていき、それぞれ赤ちゃんに必要な役割を果たします。

うぶ毛が生え始める

赤ちゃんの皮膚の下には褐色脂肪の層が発達し始め、皮膚が少しずつ厚くなっていき、うぶ毛が全身に生えてきます。褐色脂肪は熱を作り出しており、うぶ毛がその熱を保温し、赤ちゃんの体温調節をしながら羊水の刺激からも守っています。

また胎脂と呼ばれる物質も作られ、うぶ毛と同じように体温調節の役割を果たし、羊水で皮膚がふやけないようにしています。

手足の爪が生え始める

妊娠4ヶ月には手足の5本の指ができていましたが、妊娠5ヶ月になると皮脂腺の分泌が開始されることもあり、指の先端部に爪が生えてくるようになります。まだ大人のような硬さはありませんが、やわらかい爪が少しずつ伸びていき、手の形が整っていきます。

また、足より手の方が先に発達していきます。

指しゃぶりをする

妊娠17週になると、エコー検査の時に赤ちゃんが自分の口に指をあてて、しゃぶる様子が見られることがあります。これは生まれた後に母乳を飲むために予行演習しているという説もあります。

妊娠17週で起こる体のトラブルに対処する方法を知っておこう

妊娠中に体に起こるトラブルにはどんなものあるのか知っていれば、心構えや対処ができるでしょう。妊娠17週はお腹のふくらみも目立つようになり、胎動を感じるなど、お腹の赤ちゃんの存在を強く感じるようになる時期と言われています。

食事の栄養バランスを整えたり運動を心がけたりして、体調の変化に気を配りながら過ごしましょう。