妊娠症状

【専門家監修】双子を妊娠したかも!双子を妊娠した時の7つの症状とは?

双子を妊娠したかも?

妊娠したかもと思いはじめる妊娠初期には、同時に双子の可能性についても考える人も多いといわれています。

双子をお腹に宿すことは、一卵性と二卵性あわせて約100分の1の確率といわれています。また近年では、生殖補助医療によって二卵性の可能性が増えているともいわれています。

ここでは、妊娠初期で双子がわかる理由や一卵性と二卵性の特徴を詳しく説明していきます。

妊娠初期で双子がわかる

妊娠初期のエコーによる検査で双子が分かることも多いですが、つわりの症状が強い特徴もあるようです。しかし、つわりがない人もいるのでつわりで双子の妊娠を確定することは難しいでしょう。

妊娠初期から事前に情報を知っておくことで、気持ちの準備ができたり、危険性の回避につながるでしょう。

双子の種類

子宮の中に1人の胎児がいる妊娠を単胎妊娠といいます。また、2人以上の場合を多胎妊娠といい、2人の場合は双胎妊娠、3人は品胎もしくは3胎といいます。双胎妊娠には、一卵性双胎と二卵性双胎があり、受精卵の数によって変わります。

ここからは一卵性双胎と二卵性双胎の特徴を見ていきます。

一卵性双胎の特徴

一卵性双胎の特徴として、一個の受精卵が分裂しその時期によって二絨毛膜二羊膜、一絨毛膜二羊膜、一絨毛膜一羊膜に分かれます。つまり、子宮の中の絨毛膜と半膜の数が変わってくるということになります。

また、遺伝子情報は基本的には同じであるため、性別は同じで、容姿がそっくりになるという特徴があります。

二卵性双胎の特徴

排卵において、何らかの理由で卵巣から出た二個の卵子がそれぞれ違う精子と出会うことで受精卵となることが特徴となります。

また一卵性双胎とは異なり、遺伝子情報が同一では無いため、性別や血液型が異なることもあり、容姿もきょうだい程度に似ることが多いことも特徴の一つです。

母親の排卵が複数個であったり、不妊治療で排卵誘発した時にも起きることがあるといわれています。

双子を妊娠した時に気を付けるべき6つのこと

妊娠初期の症状については、単胎妊娠と比べてさほど大きな変わりはありません。しかし、双子の妊娠ではいろいろなリスクがあります。

実際に双子の妊娠がわかった後に、知っておきべきことがあります。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠中の症状1:妊娠初期に起こるつわり

妊娠初期の代表的な症状であるつわりですが、双子を妊娠している場合、つわりが重くなったりする傾向があります。

その理由は、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が単胎妊娠よりも盛んに分泌されていることが考えられます。

しかし、妊娠初期のつわりは個人差があるため、必ずしもつわりが重いとは限りませんが、対処法としては単胎のつわりの場合と同じです。無理せず体を休めこまめに気分転換をしたり、食べられるときに食べるなどの方法が効果的とされています。

妊娠中の症状2:お腹の張り

双子を妊娠している場合、単胎妊娠より子宮が大きくなるためお腹が張りやすくなります。

お腹の張りがあれば、座ったり横になってして休みましょう。休むことで張りがおさまるようであれば心配はいりません。

妊娠週数にもよりますが、張りがなかなかおさまらなかったり、出血や痛みを伴う場合は受診が必要となります。

双胎間輸血症候群

双胎間輸血症候群とは、2人の胎児の間で行き来する血液が何らかの原因で、バランスが悪くなってしまうことで起きるといわれています。

羊水過多による心不全などの合併症や、羊水過少による成長の妨げになってしまうため、血液の行き来をレーザーで遮断する治療法が選択される場合がありますが、限られた施設でしか行われていません。

一絨毛膜双胎の約1割にこの症状があるといわれています。

妊娠中の症状3:腰痛

胎児が2人になるため、腰痛を感じることも多くなる可能性があります。2人の胎児を下半身で支えるため、どうしても背中をそらした姿勢になりやすくなり、腰や背中に負担がかかりやすくなります。

正しい姿勢でいるよう心がけたり、骨盤ベルトや妊婦さん向けのマッサージを試してみることで、軽減できる可能性があります。

妊娠中の症状4:妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に血圧が上昇し蛋白尿がでる病気で、妊娠20週以降に起こります。胎盤にも影響があるため、赤ちゃんの発育が悪くなります。重症化するとけいれん(子癇)を起こしたり、胎盤がはがれることもある合併症です。

双子の妊娠の場合、妊娠高血圧症候群の発症リスクも高くなります。急激な体重増加もよくありません。体重コントロールに関しては、医師や助産師に相談しましょう。

妊娠中の症状5:胃の圧迫感

子宮が大きくなることによって胃の一部が押し上げられます。そのため圧迫感を感じることもあります。双子の妊娠の場合、当然単胎妊娠よりお腹は大きくなるため圧迫感を強く感じることが多くなります。

食事をこまめに分けたり、食後上体を起こして休むことで、少々楽になることがあります。ですが、胃の痛みやみぞおちの痛みがあまりに強い場合、HELLP症候群と言う合併症の症状の可能性も否定できないので、医師に相談するとよいでしょう。

注意しなければならない胃の症状

HELLP症候群とは、妊娠中や分娩中に起こる溶血・肝酵素の上昇・血小板減少を伴う多臓器障害です。

妊娠における約0.2〜0.6%が発症するといわれており、約90%に妊娠高血圧症候群の合併があり、多胎妊娠に多いというデータがあります。

突然の上腹部痛が主な症状であり、高血圧による子癇発作にもつながる危険性があります。発症した場合は、すぐに分娩にする必要があります。

妊娠中の症状6:仰臥位低血圧症候群

仰臥位低血圧症候群(ぎょうがいていけつあつしょうこうぐん)とは、妊娠後期に起こりやすく特に双胎妊娠の場合は、お腹が大きいためによくある症状といわれています。

あおむけに寝ることで、大きくなった子宮が太い静脈を圧迫してしまうことで血圧が下がり、気分が悪くなってしまうことが仰臥位低血圧症候群の症状となります。

気分が悪くなった場合は、左側を向いて横になると症状が落ち着くといわれています。あおむけにならなくてはいけない場面で気分が悪くなった場合は、遠慮せずに周りの人に伝えるようにしましょう。

双子を妊娠していたら知っておきたい事

双子をお腹に宿す母親は増加の傾向にあるといわれていますが、双胎妊娠は単胎妊娠に比べてトラブルを抱えやすいでしょう。

また、初めての妊娠の方は特に、どうしたらいいか分からずストレスを抱えてしまっていることも多いようです。

そのため、事前に知っておくべきことは何か、出産費用や出産方法について詳しく説明していきます。

双子の妊娠や出産にかかる費用

双子の出産費用は病院や入院日数、分娩方法によって異なります。

病院によって大きく変わってくることもあるため、費用について事前に病院に問い合わせるとよいでしょう。

医療費が高額の場合高額療養費制度を利用

単胎妊娠よりもトラブルが起きやすい双胎妊娠では、入院期間が長くなることもあるでしょう。

その分医療費が高額になってしまいますが、1ヶ月の自己負担額の一定額(所得によって異なる)が決まっているため、上限を超えた場合はその金額が戻ってきます。

また、帝王切開の場合は健康保険が適用になります。さらに、自身で医療保険に加入している場合には入院や手術の費用をカバーできるでしょう。加入している保険の条件を確認しておきましょう。

双子を出産する場合

妊娠および出産において、公的にもらえるお金として出産育児一時金がありますが、双子の出産の場合は、1人分の出産費用しかもらえないと考える方も多いようです。

健康保険の加入者は受け取りが可能であり、赤ちゃん1人につき42万円とされています。そのため、単胎妊娠の場合42万円ですが、双胎妊娠の場合には84万円の支給額となります。

病院に入院する時期

リスクが多いとされる双胎妊娠の場合、妊婦健診にきてすぐに入院といったこともありますので、出産準備は早めがよいとされています。

また、単胎妊娠と比較して健診の間隔が短いことが多く、全妊娠期間を通じて1~3週間間隔となることが多いです。

切迫早産やその他合併症のために管理入院をされる方も多く、双胎妊娠の約半数が早産になるともいわれています。

双子の出産方法

実際に双子の分娩は、妊娠週数や母親と赤ちゃんの状態などを考慮した上で、経膣分娩か帝王切開かを選択します。

一人目も二人目も頭位(逆子ではない)の場合には経膣分娩が可能です。一人目が逆子の場合は100%帝王切開になります。

病院によっては双胎妊娠の場合、必ず帝王切開とされていることもありますので、事前の確認が重要となります。

双子を無事に出産するため体に気を付けよう

つわりや妊娠初期の症状とうまく向き合うことや、気をつけるべき合併症についてあらかじめ知っておくことで、リスクの軽減となる可能性もあり、元気な双子の出産につながることにもなるでしょう。

また、出産準備を早めにすることで周囲からの協力も得やすくなります。費用においても同様、どのような制度があるのかを理解することで、ストレスの軽減になるでしょう。

体に気を付けながら無理をせず、じっくり赤ちゃんと向き合っていくことが、2つの命の誕生に重要なことでしょう。