妊娠症状

【専門家監修】つわりを乗り切る4つの方法|妊娠3ヶ月に起こる体の変化とは?

妊娠3ヶ月になると起こる体の状態

妊娠3ヶ月になると子宮は握りこぶし大くらいの大きさになります。

ホルモンの影響で便秘がちになることもあるほか、8~9週から骨盤を緩ませるホルモンが分泌されるため、お腹がまだ大きくないのに腰痛を感じる人もいます。また、つわりのピークでもありますので、食欲が落ちたりにおいに敏感になっていたりとつらい時期でもあります。

個人差はありますが、妊娠12週を過ぎるとつわりがだんだんと軽くなってきます。妊娠3ヶ月はつらい時期ですが無理をせず乗り越えましょう。

妊娠に必要なホルモンの数値が高くなる

妊娠3ヶ月は、妊娠を維持するために必要な「ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)」というホルモンの分泌量がピークに達するといわれています。

hCGはプロゲステロン(黄体ホルモン)の産生を高めるため、その影響で眠気やだるさを強く感じる人が多くいます。

黄体ホルモンは赤ちゃんの成長をサポートしてくれるホルモンです。つわりでつらい時期ですが、赤ちゃんがちゃんと育っている証と思い頑張りましょう。

体調の変化

妊娠3ヶ月はホルモンの関係でお母さんの体調が変化してきます。生理前のように胸が張ったり、乳首が痛くなったり、おりものの量も増える傾向にあります。

また、妊娠3ヶ月頃になるとお母さんの肌も変化します。メラニン色素が増えることによって乳輪の色が濃くなることがあります。これは、視力の弱い新生児がおっぱいに吸い付きやすくするための必要な変化です。

また、シミ・そばかすが増えやすくもなりますので、対策をしましょう。

つわりの症状

つわりの症状には個人差があります。

胃がむかむかして食べ物が食べられなかったり、食欲が低下します。反対に、常に口の中に何かを入れていないと気持ち悪くなる食べづわりもあります。また、食べ物の好みが変わり、好きだった物が食べられなくなることもあります。

他にも、においに敏感になったり、常に眠気がするなどの症状もあります。生理前のようなイライラや頭痛を感じたりする場合もあり、つわりの症状は様々です。

妊娠3ヶ月のつわりを乗り切る5つの方法

赤ちゃんが出来た喜びと幸せに満ち溢れる反面、とてもつらいのがつわりです。つわりで苦しんでいる間は出口が見えず、いつまでこんな症状が続くのか不安にも襲われるでしょう。

ですが、必ずつわりは終わるものです。乗り越えた先にはかわいい赤ちゃんに会えます。

つわりは赤ちゃんが元気に育っている証と受け止め、頑張りましょう。少しでも楽になれるように、つわりのよくある症状別の対策を紹介していきます。

つわりを乗り切る方法1:においがダメな場合

日常の生活の中では様々なにおいを感じながら生活しています。妊娠すると、そのにおいに敏感になってしまうことがあります。

特定のにおいが苦手になって気分が悪くなってしまう方は、マスクがおすすめです。マスクをすると、気になるにおいが軽減できます。 

また、食事のにおいが苦手になってしまった場合は料理を冷ましてから食べることをおすすめします。料理は温度が下がるとにおいがしにくくなるといわれています。

ダメなにおいを避ける

気分が悪くなるにおいがわかっている場合は、そのにおいを避けて生活するのもおすすめです。

例えば、お米の炊けるにおいが苦手になってしまったら、炊飯を旦那さんに頼んだり、炊飯タイマーを利用します。香水や整髪料などのにおいが苦手なときは、できるだけ満員電車を避けることも有効でしょう。

どうしても避けられない場合は、自分の好きなにおいをハンカチなどに染み込ませ、気分が悪くなったときに嗅ぐのもおすすめです。

つわりを乗り切る方法2:吐き気が原因で食べられない場合

つわりの症状のなかで代表的な症状として、吐き気で食べ物が食べられなくなってしまうことがあります。吐き気の他に、胃がムカムカして食欲がわかなかったり、食べても嘔吐してしまうこともあります。

妊娠3ヶ月は、食事をとれなくても赤ちゃんは卵黄嚢(らんおうのう)から栄養を受け取っているでのできちんと育つといわれています。

心配なのはお母さんの体です。無理のないよう、食事がとれるように工夫しましょう。

食べられるものを食べる

この時期は、食べ物があまり食べられなくても赤ちゃんへの影響はないといわれています。心配なのはお母さんの体で、特に水分が摂れなくなると脱水になってしまいます。

食べられる物を少しずつ摂取しましょう。まったく水分が摂れない場合は、氷をなめて水分補給することもおすすめです。

梅干しやレモン、トマトなど酸味の強いものなら食べられるという方も多いです。そうめんやゼリーなど、のど越しのいい食べ物もおすすめです。

無理して食べない

食事が食べられないときに無理して食べる必要はありません。

しかし、何日も食事が口に出来ない、水分も吐いてしまうといった時は、妊娠悪阻の可能性もあるため、一日に何度も嘔吐やめまいがあるときや、妊娠前にくらべて5%近く体重が減少している場合には病院を受診しましょう。

病院で点滴をしてもらって楽になることもありますし、重症の場合は入院管理が必要な場合もあります。自己判断は、お母さんの体が危険な状態になってしまう場合もあるので、無理せず病院に行きましょう。

気分転換する

体調が悪くなると、ついつい家に閉じこもりがちになります。しかし、ずっと家にこもっていると気持ちまで落ち込んでしまいます。

たまには旦那さんとデートをしたり、気分転換をしましょう。どうしても家からでる元気がないという方は、友達を家に呼んでおしゃべりをしたり、映画を見たりと体に無理をかけず楽しめることを見つけてみてください。

何かに夢中になっていると、案外吐き気を忘れることができるでしょう。

体を休ませる

つわりがひどく体がしんどいときは無理せず休みましょう。仕事をしていたり、上の子のお世話をしているとどうしても無理をしてしまいがちです。

家事や上の子の世話は、旦那さんに協力してもらいましょう。仕事も職場環境によってさまざまではあると思いますが、妊娠中で体調が優れないときに利用できる「傷病休暇」というものもあります。

また、病院で記載してもらう、母性健康管理指導事項連絡カードを利用するのもよいでしょう。

一度、かかりつけの産婦人科医師および会社に相談してみるとよいでしょう。

つわりを乗り切る方法3:空腹で気持ち悪くなる場合

つわりの中には、空腹になると気分が悪くなる食べづわりというものもあります。対策としては空腹にならないようにすることなのですが、注意しなくてはいけないこともあります。

妊娠中に太りすぎると母子ともに危険になることがあり、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの病気になると大変です。食べつわりが落ち着いたら、体重コントロールを気を付けましょう。

また、朝は食べづわりになりやすい時間帯といわれています。起床後すぐに食べられる物を準備しておきましょう。

空腹にならないようにする

食べづわりの有効な対策は空腹にならないことで、常に何か食べられる物を常備しておきましょう。こんにゃくゼリーやかみごたえがのある食べ物がおすすめです。

朝一番が特に食べづわりになりやすい時間帯といわれているので、枕元にすぐ食べられる物を準備しておくのも効果的でしょう。

つわりはいつまで続くのか不安になりますが、必ず終わりがあります。食事を小分けにして食べるなどの工夫をして乗り越えましょう。体重増加が著しくなってしまった場合には、つわりが落ち着いから体重コントロールを頑張りましょう。

つわりを乗り切る方法4:眠い場合

妊娠するとホルモンの関係で、しっかり睡眠をとっていても強い眠気やだるさを感じることがあります。

また、ホルモンの分泌量がピークに達する妊娠3ヶ月の頃は特にその症状が強くなります。「寝づわり」という言葉があるほど、多くの妊婦さんが感じる症状です。

この「寝づわり」の困ったところは、妊娠後期まで続く可能性があることです。長い付き合いになるかもしれない症状なので、しっかりと対策をしていきましょう。

仮眠をする

まずは、眠ってしまえる状況なら眠ってしまいましましょう。眠気があるのは、からだからのSOSの可能性があります。余りに眠気が強いときは、運転を控えるなど安全には十分気をつけましょう。

しかしあまりに長時間睡眠をとってしまうと、頭痛など違う症状が現れる可能性もあります。また、昼寝をしすぎて夜眠れなくなると悪循環に陥ります。昼夜逆転になり、太陽の光を浴びない生活をすると精神が落ち込みやすくなるので注意してください。

仮眠が出来ない場合

妊娠中の眠気は、ホルモンが関係しているため眠気を解消することは難しいかもしれません。

しかし仕事中などで眠れない状況もあるでしょう。そんな時は、ガムを噛んだり軽くストレッチをしたり、可能であれば外の空気を吸いに行くなど気分転換をしてみてください。

そして夜の睡眠時には、深く眠れるよう抱き枕を挟んだり寝具を工夫しましょう。夜の睡眠の質が上がると、昼間を少し楽に過ごせるでしょう。

つわりを乗り切る方法5:唾液が多くて気持ち悪くなる場合

妊娠3ヶ月のつわりがきつい時期は、唾液やげっぷが増え口の中が不快に感じる人も多くいます。

普段から唾液は物を食べていなくても少しずつ分泌されているものです。しかし、つわりの時期は唾液を飲み込みにくくなることがあるため不快に感じます。

いつまでも続くものではなく数ヶ月で収まることがほとんどです。とはいえ、つらい症状です。ガーゼマスクをあてたり、飴や氷を口の中にいれてスッキリさせるのも効果的といわれています。

食事に気を付ける

妊娠3ヶ月はつわりがつらく食事を摂取しにくい方も多いでしょう。食べられる物を食べることが一番ですが、妊娠初期は葉酸や鉄分を多く摂取することが推薦されています。

葉酸は赤ちゃんの神経や大事な器官を形成するために必要な栄養素です。葉酸を含む食事をとるのが難しい場合には、サプリメントの使用も効果的です。また鉄分は、妊娠中は貧血になりやすいため多めに摂取するよう気をつけましょう。

合わせてビタミンCの摂取をすると鉄の吸収率がよくなります。

逆にビタミンAの取り過ぎには注意です。過剰に摂取すると嘔吐、めまいなどが現れることがあります。また、過剰摂取で赤ちゃんの先天奇形が増加したという報告があります。

マッサージに行く

妊娠中のマッサージは、肩こりや腰痛、つわりの軽減に有効なこともあります。しかし、妊婦は施術の対象外であったり、安定期になってからというマッサージや接骨院も多くあります。

まずは医師にマッサージを受けても問題ないかを確認し、妊娠中の施術もしているお店に相談してみてください。

妊娠中でも安全な精油を選んでアロママッサージをしてくれたり、ひどい肩こりなどつらい症状にあわせて施術してくれるところもあります。

妊娠3ヶ月のつわり以外の症状で注意すべき点4つ

妊娠3ヶ月と初期の時期は、つわり以外にも気をつけなければいけない症状がたくさんあります。

ホルモンのバランスの変化や、まだまだ不安定な時期なのでさまざまなトラブルが起きやすいためです。

安定期に入るまでの期間は絶対に無理をせず、心配な症状がでたときはすぐに病院に行きましょう。仕事を欠勤すると会社に迷惑がかかるからと無理をしてしまいがちですが、自己判断をせず医師に相談しましょう。

つわり以外の症状で注意すべき点1:妊娠前より体重が減った

妊娠3ヶ月は、つわりのピークでもあり食事が思うように摂れず、妊娠前より痩せてしまうことがあります。

体重が数kg減ることはよくあることですが、体重の5%以上痩せてしまうと心配な状態です。必ず医師に相談しましょう。

食欲低下もいつまでも続くものではなく、一般的に12週頃には楽になっていき、遅くても16週頃には改善していきます。その後体重が戻ることもよくありますので、あまり神経質になりすぎなくてもよいでしょう。

つわり以外の症状で注意すべき点2:お腹のはり

まだお腹が大きくなっていない妊娠3ヶ月の初期の時期でも、お腹の張りを感じることがあります。

妊娠の影響で便秘になりお腹が張ったような状態になったり、子宮が収縮することが原因の場合もあります。

立ちっぱなしやお腹を締め付けるような服を着ていることが原因の場合もあります。お腹の張りを感じたら十分に休養し、ゆったりとした服装で体に負担をかけないように気をつけましょう。

つわり以外の症状で注意すべき点3:腹痛

妊娠初期には、下腹部のあたりが張るように痛かったり、脇腹が引っ張られるように痛みを感じることがあります。

妊娠中はホルモンバランスの影響で腸の動きがゆっくりになり腹部の膨満感がでたり、子宮が大きくなるにつれて子宮の両端のじん帯が伸ばされ痛みを感じることがあります。

痛みがある場合は、お腹を温めて安静にしましょう。強い痛みや出血がある場合はすぐに病院に行きましょう。

つわり以外の症状で注意すべき点4:出血がある

妊娠初期に少量の出血を起こす確率は約30%と、多くの妊婦さんが経験することといわれています。妊娠初期の出血は、胎盤ができあがる途中の子宮内膜の血管が傷つき出血することが多く、流産の心配がある出血の可能性は少ないでしょう。

しかし、自己判断は危険です。少しでも出血がある場合には病院に連絡しましょう。

妊娠3ヶ月のつわりを上手に乗り切ろう

初めて妊娠された方は、つわりがいつから始まりいつまで続くのか不安でしょう。また、現在妊娠3ヶ月でつわりのピークを迎えている方は、このままつわりが終わらないような落ち込んだ気分になっているかもしれません。

しかし、いつかは必ず症状が改善される日がきます。少しでもお母さんの心と体が楽になるように過ごしましょう。