妊娠症状

【専門家監修】妊娠しやすい季節ってあるの?秋が妊娠しやすいといわれている3つの理由

妊娠と季節に関係はある?

動物と違い、とくに繁殖行動の時期が決まっていないのが我々人間ですが、じつは妊娠と季節には関係があり、妊娠しやすい時期や季節があるのではないかといわれています。

妊娠しやすい季節とはいつなのか、その根拠や理由についてわかりやすく解説します。

妊娠しやすい季節は?

まだはっきりとした理由は分かっていないものの、妊娠しやすい季節は秋が有力なのではないかという説があります。実際に9月~10月ごろに妊娠する人が多いといわれているからです。

気候も穏やかで体力的ストレスが少なく、実りの秋というイメージからも秋は妊活にぴったりの季節だといえるでしょう。

秋に妊娠しやすいといわれている根拠は?

秋に妊娠しやすいといわれている根拠のひとつに、総務省統計局のデータが参考になります。昭和50年ごろから、7~8月に生まれた赤ちゃんが増えているため、逆算すると秋に妊娠している計算になるからです。

このようなデータと過ごしやすい気候で夫婦生活のタイミングを取りやすい条件が重なり、秋に妊娠しやすいという説が高まったのでしょう。

一方では季節による妊娠のしやすさはないというデータもある

厚労省のデータを参考にすると、秋だから必ずしも妊娠しやすいとはいい切れない現状になっています。

昔は夏の暑さなどの影響から、性交渉の回数が減少しがちになるなど、季節の影響をうけてしまうことがありました。しかしエアコンが普及し季節を問わず快適に過ごせる現代には、秋などの季節による妊娠率の差が無いのです。

秋が妊活に向いている理由3つ

秋が必ず妊娠しやすい季節というはっきりとした医学的データはないけれど、実りの秋という言葉があるように人間にとって過ごしやすい季節であることは確かです。

つまり活動しやすい季節であることから、妊娠に向けて体が整いやすく、妊活に向いている時期という判断に間違いはないでしょう。 その詳しい理由を3つ解説します。

秋が妊活に向いている理由1:穏やかに過ごせるようになるため

秋が妊活に向いている1つめの理由は、穏やかに過ごせるようになる季節だからです。秋は夏や冬のような暑さ寒さの気候の厳しさもなく、春のように新生活スタートなどの環境変化も少なくなります。新生活の環境になれて落ち着いている時期ともいえるでしょう。

肉体的にも精神的にも安定しやすく、ストレスが少ない秋は妊活に好条件なのです。

秋が妊活に向いている理由2:祖先の名残のせいといわれている

秋が妊活に向いている理由の2つめは、人間の祖先的な存在である猿の名残のせいではないかといわれていることです。

秋は猿が発情する時期なので、必然的に人間もその時期は妊娠しやすいのではないかと結び付けて考えることができます。

秋が妊活に向いている理由3:流産の確立が下がるため

秋が妊活に向いている理由の3つめは、流産の確率が下がることです。藤田保健衛生大学の中沢和美教授が妊婦2800人を対象に行った調査によると、10~11月ごろに妊娠した妊婦の流産確率が7%と低い数値だったというデータがあります。

ほかの月の流産率が16~22%ですので、かなり低い数値といえるのでしょう。

秋以外にも妊活におすすめの季節がある

じつは妊活に向いている季節は秋だけではありません。暑い夏でもなく寒い冬でもないとしたら、残るは春ということになりますね。

新しい生活をスタートさせる人も多い春という季節は、妊活を始めるのにも向いているといえるでしょう。

春が妊活におすすめの季節である理由4つ

春という季節はなぜ妊活におすすめなのでしょうか。その理由は春という季節ならではの特徴だけでなく、女性の体が妊娠の準備に向けて変化しやすい時期でもあるからです。

とくに重要な4つの理由について1つ1つ見ていきましょう。

春が妊活におすすめの季節である理由1:日照時間が長くなるため

春が妊活におすすめの季節である1つめの理由は、春から夏にかけて日照時間が長くなるためです。日照時間が長くなり日光を浴びる時間が長くなると、女性ホルモンの分泌が増えやすくなるといわれています。

日光を浴びると、セロトニンと呼ばれる幸せホルモンを増やす働きがあり、心身ともにリラックスした状態なれるのです。すると自律神経が整ってストレスが減り、さらにホルモンバランスが整うというよいサイクルが回り始めます。

春が妊活におすすめの季節である理由2:冷えなくなるから

春が妊活におすすめの季節である理由の2つめは、体が冷えなくなるからです。冬の寒い時期は冷え性の人にとって辛さのピークですが、寒さが和らぐ春になると気温が上がり始めて徐々に冷え症状態から解放されていきます。

体の冷えは女性ホルモンにも悪影響を与えてしまうといわれ、よい卵子が作れない原因の一つといわれています。冷えから解放される春は卵子の状態の改善も期待できるでしょう。

春が妊活におすすめの季節である理由3:体の調子が変わってくるため

春が妊活におすすめの季節である理由の3つめは、体の調子が変わってくることです。春になって気候が穏やかになり、冷えが改善されると女性ホルモンの分泌が活発になると同時に、体の自然な働きとして骨盤が開いてくるといわれています。

すると生殖器の働きも活発になり、心も身体も自然界の繁殖のための活動に向いた状態に変わっていくからです。

春が妊活におすすめの季節である理由4:デトックスに良い季節だから

春が妊活におすすめの季節である理由の4つめは、デトックスによい季節だからです。春は体内を浄化する働きがある肝臓が活発に活動し始める季節なので、体にたまった老廃物を外に出すのに適しています。

デトックスの力を高めるためには冷えに気を付けて温かくし、大らかな気持ちで過ごすことが大切です。老廃物がたまると妊娠率も下がるといわれています。肉や甘いものを控えるなどして肝臓を労わりデトックス力を高めましょう。

妊娠力をアップさせる方法3つ

妊娠を希望している人にとって秋や春は、体も心もよい方に変化しやすいので妊活にピッタリの季節といえるでしょう。

しかし季節だけに頼るのではなく、自分自身も妊娠に向けてベストな状態をつくらなければ、その効果は半減してしまいます。

妊娠力をアップさせる方法を3つ紹介しますので、ぜひ実行してみてください。

妊娠力をアップさせる方法1:ストレスを溜めない

妊娠力をアップさせる方法の1つめはストレスを溜めないことです。妊活中は不安定になることもあり、イライラしてストレスが溜まったり、疲れやすくなったりしがちです。とくに睡眠時間が足りないと自律神経が乱れやすく、リラックスできない状態が続いてしまいます。

ストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れにもつながるといわれています。環境を整えてゆったりと過ごし、十分な睡眠時間を取ってストレスを溜めないようにしましょう。

妊娠力をアップさせる方法2:体を動かす

妊娠力をアップさせる方法の2つめは適度に体を動かすことです。体を動かすと筋力が付き、過度な体重増加の予防にもなります。生活習慣病の予防にもつながるので身体の内側から健康になり、妊娠力をアップできるのです。

体を動かすと気分がすっきりすることからもわかるように、自律神経が整い、女性ホルモンの分泌が活発になります。ただしあくまでも妊活中ですので、体に負担をかけ過ぎる激しい運動は控えてください。

妊娠力をアップさせる方法3:体を温める

妊娠力をアップさせる方法の3つめは、体を温めることです。妊娠しやすい季節といわれる春や秋の気候は比較的過ごしやすいため、逆に油断して体を冷やしてしまう場合があります。

寒暖差に気を付けて、靴下を履き忘れない、上着などの羽織りものを携帯したり、お風呂にゆっくり浸かるなどの対策をしましょう。

冷暖房も場合によっては取り入れ、スカーフやストール、ひざ掛けなどの小物類も使って体を温める工夫が大切です。

妊娠に向いている季節は春か秋だといわれている

この記事では、妊娠しやすい季節にスポットを当て、妊娠に向いている季節は春か秋だといわれていることについて紹介しました。

妊娠を希望している人ならだれでも、ベストな環境で大切な命を育みたいと考えるでしょう。春か秋は妊娠に向いており、気候などの外的な条件だけでなく、体も妊娠しやすく変化していける時期です。

よいタイミングの中で食事や運動を見直し、規則正しい生活をしながら妊娠力をアップさせていきましょう。