妊娠症状

【専門家監修】生理が遅れるときの原因とは?対処方法をご紹介!

生理が遅れるときの5つの原因

生理の始まりがいつもより遅いといった経験をした女性は多くいるでしょう。 しかし、生理不順だと思い、放っておくという方も多くいます。 生理の遅れは生理不順であることがほとんどですが、中には病気や違う原因によって生理が遅れている人もいるのです。

そのため、生理が遅い状態を放っておくのはよくありませんが、生理が遅れる原因がよく分からないという方もいます。そこで、まずは生理が遅れるときの5つの原因を紹介します。

1:ホルモンバランスの乱れによるもの

生理が遅れる原因の一つに、ホルモンバランスの乱れによるものがあります。まず、生理に大きく関わる2つの女性ホルモンについて説明します。

1つはエストロゲン(卵胞ホルモン)と言い、妊娠の準備を行い、女性らしさを作るホルモンです。エストロゲンは受精卵が着床しやすいように子宮内膜を厚くし、自律神経を活発にして心身の体調を整える働きをします。

もう1つはプロゲステロン(黄体ホルモン)と言い、妊娠の継続をサポートして女性の体を守るホルモンです。プロゲステロンは妊娠に備えて体温を上げ、血管を拡張させて骨盤内に血液をためてくれる働きをします。

しかしその一方で、血行が悪くなったり、抑うつ状態を作りやすくなったりするなど、心身への影響もあります。この2つの女性ホルモンが交互に分泌されるのですが、ストレスや睡眠不足などの様々な原因でホルモンの分泌バランスが乱され、生理が遅れると言われています。

2:妊娠の可能性によるもの

いくら待っても生理が来ない場合は、妊娠の可能性も出てきます。妊娠の可能性がある性行為をしたのであれば、妊娠検査薬で妊娠の確認をすると良いでしょう。

避妊した場合でも確実に避妊させる方法は存在しないため、妊娠検査薬で妊娠したのかどうか、確認することをおすすめします。

ただし妊娠検査薬を使用するのであれば、生理予定日の1週間後からにしておく必要があります。これは生理予定日から1週間以内に検査しても、正確な検査結果が出ずに陰性となってしまうためです。

そのため正確な検査結果が出る時期に妊娠を確認し、陽性だった場合は産婦人科への受診をしましょう。

出典:生理がこない不安と病気の可能性|新宿駅前婦人科クリニック
参照:https://shinjuku-fujinka.jp/treatment/period/menoxenia/

3:閉経の可能性によるもの

生理が遅れる原因の1つとして、閉経の可能性もあります。通常閉経は50歳前後に見られるものですが、中には40歳未満で閉経が起こって生理が来なくなる人もいるのです。これを「早期閉経」と言います。

早期閉経は30歳未満の女性1,000人に1人、40歳未満の女性100人に1人の確率であるとされており、珍しい病気ではありません。本来、加齢とともに女性ホルモンの分泌量は減少していくのですが、早期閉経は徐々に性周期が乱れ、1〜2年で女性ホルモンが減少し閉経に至ります。

このようなことから、生理が遅れる原因の1つとして閉経の可能性もあると言えます。

出典:生理が来ないとき、妊娠以外で考えられる理由って何?生理がこない理由を、医師が解説します。|CLINIC FOR
参照:https://www.clinicfor.life/articles/b-036/

4:甲状腺の病気によるもの

生理の遅さは、甲状腺の病気によるものも一因として考えられます。甲状腺は、新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンを作って分泌する場所です。

この甲状腺が病気になってしまうと、甲状腺ホルモンが過剰に分泌(バセドウ病)されたり、甲状腺ホルモンの分泌量が低下(甲状腺機能低下症)したりします。このような甲状腺の病気によってホルモン量のコントロールが乱されると、生理が止まってしまうと言われています。

甲状腺の病気は20〜40代の女性にみられることが多く、不妊や流産の原因にもなってしまうのです。生理が来ないだけでなく、発熱や暑さ、脈が早い、痩せる、情緒不安定などの症状がある場合は甲状腺の病気も考えられるため、内分泌内科などの受診をしましょう。

5:無月経によるもの

無月経も生理が遅くなる原因の1つとしてあります。無月経とは妊娠以外で3か月以上生理が来ない状態のことです。この無月経には「原発性無月経」と「続発性無月経」の2種類があります。

原発性無月経は、十八歳以上になっても一度も生理が来ない状態のことで、このタイプの方は0.3〜0.4%と非常に少ないです。対して続発性無月経は、妊娠以外の要因(ストレスや過剰な運動・ダイエットなど)によって3か月以上生理が来ない状態のことを言います。

決して珍しいものではなく、生理の乱れによってホルモンバランスが崩れてしまい、生理が来なくなってしまうのです。

出典:生理が来ないとき、妊娠以外で考えられる理由って何?生理がこない理由を、医師が解説します。|CLINIC FOR
参照:https://www.clinicfor.life/articles/b-036/

生理が遅れるのを正常にするための5つの対処方法

生理が遅れる原因には、様々なものがあります。妊娠や病気だと自分で対処することは難しいですが、生活習慣を見直すことであれば自分でも取り組めます。そこで、生理が遅れるのを正常にするための5つの対処方法を説明します。

1:無理なダイエットをしない

無理なダイエットはしないようにしましょう。ダイエットは食事制限が付きものですが、無理なダイエットを行うと十分な栄養が卵巣へ行かなくなり、生理が来ない原因になってしまいます。

また無理なダイエットをしていると、息苦しさや常に疲労感があるといった症状が合わせて出てくることもあります。

2:ストレスをためない

ストレスをためないことも大切です。環境の変化や仕事の忙しさといった、様々な要因でストレスをため込んでしまうと、2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランスが乱れてしまい、生理が止まる原因にもなってしまいます。

またストレスをためていると生理が来なくなるだけでなく、イライラしたり、精神状態が不安定になったりします。気分転換を行い、ストレスをため込まないようにしましょう。

3:睡眠をしっかりとる

睡眠をしっかりとるようにしましょう。ストレスをためていると睡眠不足になりやすいですが、睡眠不足は女性ホルモンのバランスを乱してしまい、生理の遅れにつながってしまいます。

そのため、ストレスをため込まないようにしたり、夜更かしをしないようにしたりする事が大事です。

4:激しい運動を控える

激しい運動は、控えるほうが良いでしょう。激しい運動はストレスになるだけでなく、体のエネルギー不足も引き起こして、生理が止まってしまうことがあります。

ただし適度な運動は生理周期を整えるため、自分にとってどの程度が適度な運動になるかを把握しておくことが重要です。

5:低用量ピルを服用する

低用量ピルを服用することで、生理の周期を調節する方法もあります。低用量ピルとは、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを含んだ薬剤で、月経困難症や子宮内膜症の治療でよく処方されているものです。医療機関で処方してもらうことで、入手できます。

服用を続けることで、体内のホルモン濃度が高まり、脳が十分にホルモンを分泌している(妊娠している)と錯覚します。それにより生理を抑えることが可能です。

つまり、低用量ピルを服用することで生理を抑えられるのです。生理が来て欲しいタイミングで低用量ピルの服用を中止すると、自分で生理の周期を調節できると言えます。ただし低用量ピルには副作用もあり、吐き気や頭痛、下腹部痛などが見られます。

これらの症状は低用量ピルを服用し続けると次第に改善されるのですが、症状が長く続くこともあるため、その場合は医師に相談しましょう。

妊娠初期症状と生理不順の違い

妊娠初期症状と生理不順の違いを見分けることは、難しいと言われています。まず生理不順は、正常の生理周期(25日〜38日)より周期が短かったり、長かったりする状態です。

生理は排卵があってから出血するのですが、無排卵で出血する場合や月経の他に出血することがある場合にも生理不順の可能性があります。これに対し妊娠初期症状は、微熱や体のだるさ鼻づまりといった風邪症状によく似ています。

また着床出血と呼ばれる出血があるのですが、生理予定日あたりに普段の生理のときよりも少ない量と短い期間で出血します。これが生理不順の出血と見分けがつきにくく、生理が来たと思ったら、実は妊娠だったということもあるのです。

そのため、生理不順だったとしても妊娠する可能性のある性行為をしたのであれば、妊娠の可能性も疑うことが大切だと言えます。

生理が遅れるときに婦人科を受診するタイミング

生理が遅れるときに婦人科を受診するならば、タイミングとしては3か月生理が来ていないことを目安に受診しましょう。生理が遅れることには、様々な原因や個人差があります。

生理が1週間程度遅れていたという場合であれば、健康な人でも起こりうることなのでそこまで心配はいりません。

生理周期が不規則でも3か月以上間が空くことはない場合であれば、10代の女性なら様子を見ても大丈夫です。20歳以上の場合は、1度婦人科を受診したほうが良いこともあります。

3か月以上生理が来ない場合は無排卵の可能性があるため、年齢は関係なく早めに婦人科を受診しましょう。ただし、10代で初潮から2~3年の間であればもう少し様子を見ても大丈夫です。

生理が来ない期間が半年以上の場合は、女性ホルモンの分泌量に問題があると考えられるため、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

生理が遅れるのは、生理不順のケースが多く見られるとはいえ、病気だった場合は早期発見・早期治療が望ましいため、早めに婦人科を受診することが重要です。

出典:生理不順(月経不順)|医療法人社団みどり みどりレディースクリニック横浜
参照:https://www.midori-lc.com/irregular_menstruation/#:~:text=%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-,%E5%8F%97%E8%A8%BA%E3%81%AB%E6%8A%B5%E6%8A%97%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E6%96%B9%E3%81%B8,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E3%81%A8%E3%81%A6%E3%82%82%E9%87%8D%E8%A6%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

生理が遅れるときの婦人科受診の治療内容3つ

生理が遅れているために婦人科を受診したいけれど、どのような検査や治療をするのか不安に思う方もいるでしょう。そこで、生理が遅れるときの婦人科受診の治療内容を3つ紹介します。

病院や担当の医師によっては違う内容をすることもありますが、主に以下のような3つの治療内容が行われます。

1:基礎体温を確認する

まずは、基礎体温表の確認を行います。基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない、安静状態のときの体温のことです。つまり、寝ている間の体温になります。

基礎体温は自分では測れないため、測る際は朝に目覚めた後、そして活動する前に測るのが一般的な方法です。婦人科へ受診する際はこの基礎体温を記録したものを持参します。

基礎体温からは正常に排卵が行われているか、また卵巣機能の異常の有無を推測することが可能です。診察する上で重要な情報源となるため、受診する前に日々の基礎体温の記録をつけておくようにしましょう。

2:内診などで調べる

内診や超音波検査などで調べます。内診では子宮や卵巣の状態、そして圧迫した際に痛みがあるか、などといった点を調べていきます。不安な方が多くいますが、リラックスして受ければ2~3分で終了します。

また超音波検査では卵巣と子宮内膜の状態を確認し、原因となるような病気の有無を知ることが可能です。特に出血量が多い、長く生理が続くような生理不順の場合は子宮の病気も考えられるため、超音波検査が重要になります。

必要があれば、内診の際に膣の中から細胞の一部やおりものを採取したり、膣内部の洗浄をしたりするなどの検査も行います。

3:血液採取を行う

婦人科では、血液採取も行います。血液には、分泌された女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)や甲状腺ホルモンなどが含まれており、血液を採取して検査を行えば全身のホルモンの過剰分泌や分泌不足などの異常があるかどうか確認できます。

結果が出るまでは数日かかりますが、この結果次第では次のステップとしてMRIなどの検査をするようになることもあります。

生理が遅れるときの様々な原因を知ろう

生理はホルモンバランスの乱れや無月経、病気などによって遅れてしまったり、止まったりしてしまうことがあります。特に女性は、無理にダイエットをしたり、ストレスをため込んでしまったりして、ホルモンのバランスが乱れてしまいやすいです。

中には病気の可能性がある「生理の遅れ」もあるため、早めに婦人科を受診することが大切になります。生理が遅れる時の様々な原因を知り、自分が当てはまると思うのであれば早めに対処するようにしましょう。