妊娠症状

【専門家監修】妊娠初期の出血の原因や症状8つ|着床出血の特徴とは

妊娠初期の出血とは

妊娠初期には出血がみられることがあります。妊娠初期とは、妊娠してから2~4ヶ月までの期間です。個人差があり全ての人が妊娠初期に出血を体験するわけではありません。

まったく出血を体験することなく、出産を迎える人もいます。妊娠初期の出血は驚いてしまう人も少なくありませんが、あせらず冷静に症状を観察することが大切です。

今回は妊娠初期の出血の原因や特徴について詳しく紹介します。

妊娠がわかっている場合

妊娠がわかっている場合には、着床出血かもしれないとピンとくる人もいるでしょう。しかし妊娠初期によく起こる症状だからと、自己判断だけで終わらせるのはとても危険です。

いつもと比べて明らかに多い量の出血だったり痛みを感じたりした場合や、出血の期間が長い時には着床出血以外の原因が考えられます。別な病気が隠されていることもあるので、遠慮せずにかかりつけ医師に相談するようにしましょう。

妊娠がわかっていない場合

妊娠していることを把握していない場合、生理と勘違いする可能性があります。それは着床出血が起こるタイミングと、生理予定日がほぼ一緒であるためです。

生理と着床出血の違いは後に詳しく紹介していきますが、一番わかりやすい判断方法は出血している期間となります。1週間ほどかかる生理に比べ、着床出血は1~4日で終了します。妊娠検査薬を使用する際には、生理予定日から1週間後を目安にしましょう。

妊娠初期の出血の原因5つ

妊娠初期に起きる出血で考えられる原因は、大きく5つあります。出血があっても問題ないのは、着床出血や子宮膣部びらんなどです。

次に紹介する着床出血以外の原因による出血の場合は、放置しておくと母子共に命の危険にさらされる可能性が出てきます。早めに受診して、医師の判断を仰ぎましょう。

妊娠初期の出血の原因1:着床出血の可能性

妊娠初期の出血の原因として最初に考えられるのが着床出血です。名前の通り、受精卵が着床した際に発生する出血となります。

受精卵が胎盤を作るために、子宮内膜に根を張ります。その時に子宮内膜がたまに傷つく場合があり、それにより出血してしまうのです。出血の量は多くないため、ほとんどの場合は出血したものは体内で吸収されますが、外に漏れることもあります。

出血量は比較的少量で、生理予定日の前後に発生します。

妊娠初期の出血の原因2:早期流産の可能性

次に紹介する妊娠初期の出血は、早期流産の可能性も考えられます。早期流産とは妊娠12週未満に起きてしまう流産のことを言います。

出血のは少量~多量と個人差があるため、量だけでは早期流産の判断はつきません。鮮血や血の塊が出た場合や下腹部痛が伴う場合には、この原因が考えられます。12週前に起きる流産は、胎児の染色体異常による原因がほとんどです。決して母体のせいではありません。

妊娠初期の出血の原因3:切迫流産の可能性

次に考えられる出血の原因が、切迫流産です。切迫流産と聞くと怖いイメージがあると思いますが、簡単に言うと流産しそうですがかろうじて子宮にとどまっている状態となっています。

切迫流産でも胎児の心拍数が確認できれば、妊娠を継続できる場合もあります。出血の量は少しずつですが、継続するのが切迫流産の特徴のひとつです。出血している期間は、絶対安静でいることが治療となります。

出血量が多い、下腹部痛がある時は危険です。

妊娠初期の出血の原因4:子宮外妊娠の可能性

子宮外妊娠も妊娠初期の出血で考えられる原因のひとつです。異所性妊娠とも言います。子宮内膜では胎児が育つようにふかふかのベッドのようにして、受け入れ体制を整えています。

しかし受精卵がまれに、子宮内膜以外のところに着床してしまうのです。子宮外妊娠の場合は、残念なことに妊娠の継続はできません。妊娠が判明したあとは、必ず診察を受けて子宮内膜上に着床しているか確認する必要があります。

妊娠初期の出血の原因5:子宮頚管ポリープの可能性

少量の出血、おりものに少し血が混じっている程度の場合には子宮頸管ポリープの可能性が考えられます。ポリープとはイボのようなもので、膣内に向かって垂れ下がるようにできるのが子宮頸管ポリープです。

いきんだり、性交渉などのちょっとした刺激で出血してしまいます。この際の血の色は赤~茶色っぽくなるのが特徴です。治癒するものなので安心してよい原因ですが、自己判断は良くないので受診した方が良いでしょう。

妊娠初期の出血の症状3つ

妊娠初期は体調だけではなく、精神面でも色々な変化が出やすくなります。出血があると心配に感じてしまいますが、着床出血や子宮頸管ポリープ、子宮膣部びらんが原因の場合は安心できます。

出血期間や出血量に不安を感じてしまっても、全てが命に関わることではないので冷静に対応していきましょう。何かあってからでは遅いので、少しでも心配な面が出てきたらかかりつけ医師に遠慮なく連絡することが大切です。

妊娠初期の出血の症状1:出血が続く

妊娠初期に起こる着床出血は短い人なら1~2日、長い人なら3~4日の期間が一般的です。それよりも期間が長い時には、母体や胎児に何かしらの異常が起きている可能性があると考えられます。

また少し黒っぽかったり茶色っぽかったりした場合には過去の出血、鮮血の場合にはいま出血しているという状態です。大量の鮮血、血の塊が出た時には出血している期間に関係なくすぐに受診するようにしましょう。

妊娠初期の出血の症状2:腹痛を伴う

先述している妊娠初期の出血の原因でも触れていますが、出血と共に腹痛が伴っている場合には速やかに受診が必要です。

妊娠中はお腹が大きくなるにつれて、痛みを伴うことがよくあります。それは大きくなるお腹を筋肉が元に戻そうとする力が働くためです。気をつけたいのが、出血と共にお腹に痛みを感じる場合となります。

妊娠初期の出血の症状3:お腹が張る

妊娠中は痛みと共に、張りを感じることがあるでしょう。しかし出血をした時に痛みが無くても、張りを感じる際には速やかに受診が必要です。

また37.5℃以上の発熱が確認できた場合には、感染症にかかっている可能性も考えられます。お腹の痛みや張り、発熱など出血以外に体の異変が無いかは受診する前に確認しておきたいポイントです。

妊娠初期に起こる着床出血の特徴4つ

妊娠を心待ちにしている人にとって、着床出血は命が宿ったおしるしのひとつと感じるでしょう。しかし着床出血と生理はとても紛らわしく、判断しずらいのが事実です。

まずは着床出血の特徴を知ることから始めておきましょう。次に着床出血の期間や量、色、腹痛の有無などを紹介します。あくまでも目安となるので、どうしても個人差は出てきてしまいます。

妊娠初期の着床出血の特徴1:出血の期間

何度が記述していますが、着床出血の期間は長く続きません。1~2日で収まる人もいれば、3~4日間続く人もいます。長くても4日程度なので、それ以上の期間が続く時には着床出血以外の原因を考えた方が良いでしょう。

妊娠確認前なら、4日以上続く時点で生理の可能性が考えられます。妊娠発覚後の長期間の出血であれば、不正出血以外が原因の可能性もあるので注意です。医師に連絡する前に、量や色、体調も記録しておきます。

妊娠初期の着床出血の特徴2:出血の量

個人差はどうしてもありますが、着床出血の場合の出血量は生理に比べるととても少ないです。しかし一概には言えずショーツやナプキンが少し汚れる程度で済む人もいれば、生理に近い量になる人もいます。

生理の時と変わらない量の出血が長く続く場合には、着床出血以外が原因である可能性が出てきます。出血量を目視で確認しやすいように、ナプキンやシートなどを利用すると良いでしょう。

妊娠初期の着床出血の特徴3:出血の色

血の量だけではなく、着床出血の色にも個人差があります。おりものに血が混じりピンク色になる人もいれば、鮮血だったり茶色だったりする場合もあるのです。

そのため色だけで着床出血かどうか、異常な状態なのかは確認することはできません。ただ気をつけなければならないのが、血の状態です。血の塊は生理で出ることはありますが、着床出血では出ません。

妊娠確認後に血の塊が出た場合は、注意が必要です。

妊娠初期の着床出血の特徴4:生理のような腹痛

着床出血において、腹痛を感じる人もいます。生理痛にも個人差がありますが、奥の方でチクチクとしたお腹の痛みがあると現す人が多いようです。

出血の量や痛み、タイミングによっては生理と区別がつかないのは無理もありません。しかし生理痛のような鈍痛よりは、痛みは軽いのが着床出血の特徴のひとつです。

妊娠の初期症状に頭痛、腹痛、眠気などもあるため、それらと混同されやすくなります。

妊娠初期の出血は原因を理解して早期に対処しましょう

妊娠初期にみられる出血が、必ずしも流産に繋がるとは限りません。お腹に宿った大切な命なので、出血があると不安になってしまいますが原因を理科して冷静に対応することも必要です。

しかし自己判断だけで済ますのはとても危険なので、少しでも異変や異常を感じた際には遠慮をすることなく速やかに連絡して受診するようにしましょう。

早めに対処することが、胎児や母体の健康を守ることに繋がります。