インタビュー

自然な笑顔があふれるロケーションフォト 楽しい思い出をキャンピングカーと共に創ります

キャンピングカーを使って、楽しいロケーションフォトを実現

―「旅するフォトウェディング」はどんな内容ですか。

阿部さん:結婚写真を結婚式やスタジオで撮るのではなく、写真映えする場所や新郎新婦の
お二人の思い出の場所で撮影します。しかもロケ地までの移動にキャンピングカーを使い、
撮影の1日を遠足のように楽しもう、という企画です。

―美しい風景の中で結婚写真を撮るロケーションフォトと、一般的なサービスとの違いは何ですか。

阿部さん:一般的なロケーションフォトはスタジオが起点で、新郎新婦のお二人にスタジオ
に来ていただき、そこで着付けやヘアメイクをしてロケ地に行きます。ロケ地が複数あれば、
一度スタジオに戻り、お色直しをしてから別のロケ地に向かう、という流れで、スタジオあ
りきの構成です。でもそれって、スタジオに戻る時間とか、ムダじゃないですか?
それなら車内で着替えなどもできるキャンピングカーを活用すれば、時間を有効に使えるし、
撮影時間も移動もすべて丸ごと楽しめると思いました。

―なるほど、キャンピングカーを利用することで機動力が増すんですね。

阿部さん:結果としてはそうですね。実は小学生の頃、家族でアラスカにキャンプに行き、
キャンピングカーで移動したのが楽しくて、ワクワクしました。その思い出が鮮明に残って
いまして、大人になってからもキャンピングカーで何かしたいな、と思ったのが最初です。

―「楽しくできること」が重要なんですね。

阿部さん:ええ、そうです。楽しいと思えば、人は笑顔になるでしょ。「結婚写真を撮った
時、〇〇まで行って楽しかったよね。また、あそこに行きたいね」みたいな思い出にも残り
ます。
新郎新婦の二人のスタート地点が笑顔で楽しければ、それからの長い人生の中の宝物になる
と思うんです。だから、楽しくて自然に笑顔になれる時間を生み出すことにこだわっていま
す。

「笑って」とは言わずに、自然な笑顔を引き出す

―でも自然な笑顔って難しいです。カメラを向けられたら緊張してしまいますね…

阿部さん:ええ、そうだと思います。「はーい、カメラを見て、笑って~」なんて言われた
ら、たいていの人は「無理だよ」と思います。そうやって撮られた写真に残るのは、どこか
ぎこちない表情で、ちっとも楽しそうじゃないんです。後から見たいとも思わなくなります。
だからカメラマンが「笑って」と言うのは禁句なんです。
写真には、表情だけじゃなくて、その時の感情も写り込むんです。思い出の曲を聞くと、そ
の時の自分の気持ちもリフレインするでしょう。それと同じです。だから結婚写真には楽し
い思いも写したいんです。

―そのためにはどんなことをされているんですか。

阿部さん:写真には対話が大事です。それも撮る側のカメラマンと撮られる側の新郎新婦様、
という関係性を示すものじゃなくて、自然なコミュニケーションが大事になってきます。お
互いを名前で呼び合うような人間関係の先に写真があるのが理想です。
だから「旦那様のどんなところが好きなんですか?」とか、「どんなことでケンカするんで
すか?」なんてことを投げかけて、それをこちらも「え、そうなの?」と受け止めて、会話
のキャッチボールをします。その中で、クスッと笑いが出たり、「もぉ、ヤダぁ」と爆笑に
なったりして、だんだん撮られていることを忘れていくと、表情がグッとよくなります。

―キャンピングカーの効果もあるんですか。

阿部さん:ええ、そうなんです。これはキャンピングカーを導入してから実感しているんで
すが、キャンピングカーという乗り物が多くの人には深く知られていないので、それに乗る
こと自体がワクワクさせます。そして思い出の場所やキレイな風景があるロケ地に行くとい
うことで楽しくなります。移動中から、既に楽しいんです。
これがスタジオ起点でロケ地に向かうとなると、車内は単なる移動時間なんです。そこを楽
しもうという発想はありません。だから移動中も無言だったり、スマホを見ていたりして、
ずいぶんと雰囲気が違います。

マタニティフォトは新婦様の体調優先で

―ロケ地にはどんな場所がありますか。

阿部さん:お二人の母校や思い出のテニスコート、グラウンドなどもあれば、関西や横浜・
湘南ではこちらからおススメするロケーションスポットもあります。ご依頼いただければ、
こちらで撮影許可も取ります。キャンピングカーで行ける場所で日程が合えば、全国どこで
も対応可能ですが、ご依頼が多いのは東京・名古屋・大阪エリアです。

―送迎サービスも始められたとか。

阿部さん:はい、コロナウイルス禍で電車等での移動をなるべく避けたいというご要望を受
けて、ご自宅への送迎サービスもしています。

―結婚式を開かなくても楽しい思い出を残せるので、マタニティの方にも喜ばれるのではないでしょうか。

阿部さん:はい、確かにマタニティ婚の方は増えています。お腹のふくらみを見せたいか、
見せたくないかで、撮るタイミングは人それぞれですが、理想的なのは安定期に入ってから。
それも個人差がありますし、移動してあちこちの屋外で撮影するので、ご無理はなさらない
でほしいと思います。「家族が元気なうちに花嫁姿を見せたい」といった事情も承っていま
すが、新婦様の体調優先でご検討ください。

―「旅するフォトウェディング」をご利用いただいた方からはどんな声が届いていますか。

阿部さん:皆さんからご満足いただいています。結婚式を挙げずにフォトウェディングで、
という方からは「結婚に対する夢がかなった」と言っていただいていますし、「笑いが絶え
ない一日で楽しかった」という声も伺っています。

私が特に嬉しかったのは、親御さん世代の方からの声です。新婦のお母様から「結婚式をや
るよりもよかった」と言っていただいたのが印象に残っています。
お母様の時代は、結婚式をするのが当たり前で、やらないのは何か事情があるお家という見
方が主流だったそうです。だから、娘さんが「私たちは結婚式を挙げないから」と言われた
時は驚いたでしょうし、がっかりされたと思います。
でも撮影に一緒に臨んで、キレイなドレスを着た娘さんが楽しく写真を撮っているのを見て、
気落ちしていたのが吹っ飛んだそうです。親世代の価値観を押し付けて結婚式を挙げるより
も、みんなが笑顔なのがいい、幸せになるために結婚するんだから、仰々しい儀式はいらな
い、と思われたそうです。私たちのサービスを通じて、親御さん世代にも新しい価値観を提
供できたことは嬉しかったです。

実際に阿部写真館のフォトウェディングを利用された新婦の小長谷麗さんから、お話を伺いました

―阿部写真館を選んだ理由は何ですか。

小長谷さん:もともとフォトウェディングをする予定でした。その後妊娠が分かったので、
マタニティでも対応していただけるところを探しました。マタニティでもウェディングドレ
スを着たかったんです。でもなかなか揃えているところが少なくて、フォトウェディングで
マタニティという2つの条件を満たしていて、自宅から近い阿部写真館さんに決めました。

―撮影前にお二人からご要望はお伝えしましたか。

小長谷さん:はい、事前の打ち合わせを何回かして、イメージ写真を送ったりしました。妊
娠しているからといってあきらめたものはなかったです。せっかくのマタニティなので、二
人でお腹に手を当てた写真とか、エコー写真と一緒に撮るとか、妊娠していることがわかる
写真にしたいとお伝えして、希望通りに撮っていただきました。

―期待されていたドレスはいかがでしたか。

小長谷さん:事前に選びましたが、けっこう自分の好きなものを選ぶことができました。撮
影前日も特別な準備もせず、リラックスして臨めました。

―撮影当日はどんな感じでしたか。

小長谷さん:スタジオの目の前の大きな公園で撮りました。カメラマンさんもヘアメイクさ
んもお話しやすくて、和気あいあいとしながら撮れました。旦那さんも最初は緊張していま
したが、最後はノリノリで楽しかったです。もうアッという間の時間でした。公園は人も多
くて、見物している人もいましたが、気分が乗って来ると、みんなの前で演じている気持ち
になれました。

―体調はいかがでしたか。

小長谷さん:カメラマンさんもヘアメイクさんも気遣ってくださり、休憩しながら撮影した
ので、全然大丈夫でした。楽しくて、体調が悪いとか感じているヒマはなかったです。妊娠
9か月で安定している時期だったからよかったのかもしれません。

―出来上がった写真について、ご家族の反応はいかがでしたか。

小長谷さん:父も母も「キレイだね」と言ってくれました。コロナウイルス禍で結婚式の予
定が立たないので、今、できることができてよかったと思います。

―小長谷さんの感想をお聞かせください。

小長谷さん:妊娠期間中は限られているので、その瞬間を残せてよかったです。いい記念に
なりました。いずれ結婚式も開くかもしれないので、その時に今回の写真が使えたらいいな
と考えています。また、生まれてくる子どもにこのことを話したいなと思っています。

結婚の新たな価値観を「旅するフォトウェディング」から提供したい

―「旅するフォトウェディング」はこれからどんなサービスを展開していく予定ですか。

阿部さん:今はキャンピングカー1台で回っているんですが、台数を増やして、より多く
の皆さんに「旅するフォトウェディング」を伝えていきたいと思います。
それからロケーションフォトの可能性をもっと広げたいです。そして、いろいろな絶景スポ
ットでも撮影をしたいと思っています。今は自宅送迎やスタジオで待ち合わせて、キャンピ
ングカーでロケ地に向かっていますが、これを現地集合や私たちと新郎新婦様との中間地点
で待ち合わせをすれば、私たちの旅費や出張費を考えずに、もっといろいろなところで撮影
ができると思います。都会から離れた海や山もロケ地になるでしょう。私たちが現地に数日
間ベースキャンプを張って、そのタイミングで来られる新郎新婦様を何組か募れば、コスト
もさらに抑えられると思います。新郎新婦様はご家族やご友人と新婚旅行気分で絶景スポッ
トに来ていただければ、いつまでも楽しい思い出として記憶に残るはずです。そんなサービ
スを今後展開していきたいと考えていますので、ご期待ください。

それから阿部写真館はフォトウェディング専門ではありません。お子さまの誕生から七五三、
成人式等、ご家族の晴れの日と共にある写真館なので、フォトウェディングでご縁ができた
お客様とも一生のお付き合いをしていければ、と思います。