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結婚前に行う両家顔合わせの流れ|準備や気をつけたいポイントも解説

顔合わせと結納の違いとは?

結婚を控え、「結納と顔合わせの違いってなに」と疑問に思う方も多いことでしょう。婚約をするとこれから結婚する本人たちだけでなく、両家のお付き合いが始まります。結納や顔合わせは、そのお付き合いの発端となるイベントです。

結納は結婚前に行う伝統的な儀式で、結納記念品や結納金といった金品を贈り合い、婚約の成立を確認します。一般的に新婦の家で行われ、進行の仕方にも細かい決まりがあるのが特徴です。

一方で、顔合わせとはもっとカジュアルなあいさつや家族紹介の場であり、食事などをしながら双方の両親が親睦を深めることを目的としています。顔合わせと結納の違いとは、格式ばった儀式かどうか、という点と言えるでしょう。

かつては結婚前の結納の儀式が重要視されてきましたが、準備が大変なことや費用がかさむことから、最近では結納なしで顔合わせの食事会のみというパターンも増えてきています。

顔合わせの準備のポイント7つ

結婚が決まり、両家あいさつのために顔合わせを実行したいと考える方もいるのではないでしょうか。婚姻届を出す前に両家顔合わせを行う場合、どのような準備をすれば良いのでしょう。

ここからは、顔合わせのポイント7つを紹介していきます。顔合わせまでの流れや顔合わせまでの準備物について知りたいという方は、ぜひ以下の内容を参考にしてください。

  • 会場は両家とも集まりやすい場所にする
  • 両家に相談して日時を決める
  • お店にはあらかじめ顔合わせであることを伝える
  • 費用の分担については話し合っておく
  • 服装について両家で確認しておく
  • 手土産や結納金については事前に話し合っておく
  • お互いの家族のことについて話しておく

1:会場は両家とも集まりやすい場所にする

顔合わせには、両家にとって集まりやすい場所を会場に選ぶようにしましょう。それぞれの家から遠い距離にあると、顔合わせ当日の会場への移動だけで負担になってしまうでしょう。

双方の家から遠すぎない距離にあって、交通の便が良いところを選ぶことをおすすめします。道順に不安がある場合は、前もって下見をしておくと安心です。

2:両家に相談して日時を決める

プロポーズが成功して双方の親への結婚のあいさつが済んだら、顔合わせ時期を決めていきます。顔合わせの日時は、必ず両家に相談して日時を決めるようにしましょう。双方の両親の仕事の都合なども考慮しながら、結婚式の3~6ヶ月前までに済ませるのが一般的です。

また、日時を決める際に大安かどうかに両親がこだわるという場合もあるでしょう。大安の日はお店の予約も取りづらくなることがあるため、良いお日柄に顔合わせをしたい場合は余裕をもって予約を取ることをおすすめします。

3:お店にはあらかじめ顔合わせであることを伝える

顔合わせの際に使うお店には、あらかじめ結婚の顔合わせであることを伝えておくようにしましょう。

前もって顔合わせだと伝えておくことで、顔合わせ仕様に席の配置などを考慮してもらえることがあります。

また、入室やお会計がスムーズにいくように事前にお店と打ち合わせをしておくことも可能です。さらに、事前にお店を下見して当日の段取りをイメージしておくのも良いでしょう。

4:費用の分担については話し合っておく

顔合わせの当日、支払いについて話し合っているところを見せるのはあまり印象が良くありません。

新郎と新婦の2人で、費用の分担はどのようにするのかあらかじめ話し合っておきましょう。実際には新婦側が払っていたとしても、新郎とその両親をたてるために新郎が払っているように見せる場合もあります。

また、両家の両親が支払いを申し出てくれる場合もあるため、そのような場合も事前に話し合って分担を決めておくとスムーズです。

5:服装について両家で確認しておく

先にお伝えしたように顔合わせは結納に比べてフランクなものですが、どちらかがあまりにラフすぎる服装だと、気まずい思いをしてしまいます。顔合わせの前には、どの程度の服装で臨むのか両家で確認しておくと良いでしょう。

一般的には、男性はスーツ、女性はひざ丈のワンピースといった服装で顔合わせに臨みます。顔合わせのお店が和室である場合には和装で合わせる場合もあるため、双方の意向を確認しておくと良いでしょう。

6:手土産や結納金については事前に話し合っておく

顔合わせに持参する手土産の金額差が大きいと、片方の両親に気まずい思いをさせてしまいます。また、結納金を用意するのかどうかについても、話し合っておく必要があります。手土産や結納金について、事前に話し合っておくようにしましょう。

手土産の相場は3,000円~5,000円ぐらいのものが一般的です。出身地の名産品や、相手が好きなものなどを事前にリサーチして用意しておくと良いでしょう。ちなみに手土産は必須ではないため、用意しないということで統一しても良いでしょう。

7:お互いの家族のことについて話しておく

顔合わせの前には、お互いの家族について話し合っておくようにしましょう。両親や兄弟についての基本的な情報や、会話をする上で避けた方が良い内容はないかなど、情報を共有しておくことが重要です。

また、両家の両親に共通の趣味があれば、会話が弾んで雰囲気が良くなります。他にも相手の両親の好物や出身地にまつわることなど、盛り上がる話題の1つとして準備しておくのも良いでしょう。

顔合わせ当日の7つの流れ

顔合わせの準備は終わったものの、「当日がうまくいくか不安」と思う方も多いのではないでしょうか。ここからは、顔合わせの当日の流れを紹介していきます。以下の内容をあらかじめよく確認して、本番をイメージしておきましょう。

1:待ち合わせ後に一緒に室内に入る

顔合わせの開催場所に着いたら、一緒に室内に入っていきます。開始時間に遅れると悪印象であるため、最低でも5分前にはお店に到着しているようにしましょう。全員が揃うまで待ってから、席についていきます。

また、新郎・新婦が来ていないにもかかわらず双方の両親だけが早く到着してしまう場合があります。このような場合、初対面だと気まずいムードになってしまうため新婦・新婦はそれぞれ自分の両親とお店に向かうことをおすすめします。

2:着席後に始まりのあいさつをする

着席したら、新郎あるいは新郎の父親が始まりのあいさつをします。特に決まりなどはありませんが、顔合わせを開催する趣旨や、集まってくれたことへの感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。

3:男性側から女性側の順に両家の紹介をする

あいさつが済んだら、両家の紹介をし合います。新郎、新婦の順で親の紹介をした後に、それぞれの親が自己紹介を行います。最初のコミュニケーションということで緊張する場面であるため、和やかな雰囲気となるように新郎・新婦がそれぞれフォローするようにしましょう。

4:婚約記念品の交換をする

続いて、婚約記念品の交換があれば行います。

顔合わせは結納のように格式ばった儀式などはありません。しかし、新郎から新婦へ婚約指輪を、新婦から新郎へ時計などのプレゼントを渡すことがあります。必ずしもやらなければいけない儀式ではないですが、取り入れることで婚約したという実感が湧くでしょう。

5:乾杯から食事がスタート

双方の紹介や記念品の交換が済んだら、乾杯をして食事をスタートさせましょう。乾杯の発声は新郎の父親がするのが一般的ですが、不在である場合は新婦の父親が行っても構いません。

食事中は、新郎や新婦の子どもの頃の話など、和やかな雰囲気を生むエピソードなどを中心に話しましょう。

6:締めのあいさつをする

以上の流れを一通りこなし、食事が終盤に近付いたら締めのあいさつを行いましょう。新郎あるいは新郎の父親が中心となり、まとめの言葉を述べます。今後のお付き合いに対して、明るい内容で締めくくると良いでしょう。

7:記念撮影をする

締めのあいさつまでの流れが一通り終わってから、最後に記念撮影をする場合があります。後々まで残る写真であるため、ここではできるだけリラックスして、にこやかな表情を心がけましょう。

顔合わせで気をつけたいポイント3つ

ここまで、顔合わせの流れについて紹介してきましたが、顔合わせは両家のファーストコンタクトであるため、特に緊張するという方も多いことでしょう。ここからは、顔合わせで気を付けたいポイントを3つ紹介していきます。

いよいよ顔合わせ本番を控え、細かい注意事項について知りたいという方は以下の内容を参考にしてみてください。

  • 座る場所で失礼がないよう注意する
  • 食事マナーに気をつける
  • お酒は飲みすぎないようにする

1:座る場所で失礼がないよう注意する

顔合わせの際には、座る位置に失礼がないように気をつけましょう。基本的に、入口から遠い場所が上座で上座から離れるにつれて下座となります。座る位置はテーブルの形状が円状であっても変わりません。

上座から下座に向かって双方の父親、母親、新郎・新婦の順で座るようにしましょう。自身が上座に座ってしまわないよう、また、相手の両親を下座に案内しないよう気をつけます。

2:食事マナーに気をつける

顔合わせの食事では、マナーにも気をつけるようにしましょう。基本的なことはもちろん、食事の内容が分かるのであれば、事前にマナーについて簡単にチェックしておくと安心です。

ここでは、レストランの場合と和食の場合のマナーについて紹介します。気になる方はぜひ参考にしてみてください。

レストランの場合

レストランでの顔合わせ食事会の場合、椅子にもたれかかることのないよう気を付けましょう。テーブルとお腹の間にこぶし2つ分ほどのスペースを作り、背筋を伸ばして座ります。

また、食事をしながら会話をすることになるため、一口大のサイズに気を付けて少しずつ口に運ぶようにしましょう。

和食の場合

和食の場合、よく見られているのは箸の使い方です。お皿に箸を置く「渡し箸」や、箸置きを使わずテーブルに直置きすること、料理を取る前に箸を動かす「迷い箸」などもしないように気を付けましょう。

3:お酒は飲みすぎないようにする

顔合わせの食事会で、お酒が振る舞われる場合もあることでしょう。しかし、お酒は飲みすぎないよう注意が必要です。

相手の両親は、顔合わせの際によく新郎あるいは新婦の人間性や親子関係を観察しています。酔っ払ってつい気が大きくなり、本意でないことまで話してしまう危険性があるため、気をつけましょう。お酒は少し気分が良くなる程度にとどめます。

顔合わせの始まりのあいさつの例文

先述したように、顔合わせでは最初に新郎あるいは新郎の父親があいさつを行います。以下がその始まりのあいさつの例文です。

「本日はお忙しい中、お集りいただきありがとうございます。私○○と△△さんの婚約にあたり、お互いの家族の親睦を深める食事会になればと本席を設けました。どうぞ、よろしくお願いいたします。」

始まりのあいさつで気を付けたいことは、ハキハキと落ち着いた口調で話すようにすることです。また、相手の呼称に関しては、名前にさんを付けて呼ぶようにしましょう。

顔合わせの締めのあいさつの例文

顔合わせの流れが一通り済んだら、新郎あるいは新郎の父親が締めのあいさつを行います。締めのあいさつの例文は、以下のようになります。

「本日は、お互いの家族が集まっての食事の席で、楽しいひと時を過ごすことができました。未熟な2人ではありますが、これからも暖かく見守っていただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。」

始まりのあいさつと同じように、はっきりと落ち着いた口調で話しましょう。あいさつが終わったら礼をします。

顔合わせ中の歓談で話す内容

顔合わせの食事会では、お互いのことを知るための歓談が重視されます。しかし、歓談ではその内容に気を付けないと、悪印象を与えてしまうリスクもあります。

ここからは、顔合わせ中の歓談で話す内容についてお伝えしていきます。話す内容に不安のある方は、顔合わせに臨む前にぜひ以下の内容をおさえておきましょう。

政治や宗教に絡む話はしない

政治や宗教に関する話題は、とても繊細なものです。どこに火種があるか分からないため、顔合わせの食事会では政治や宗教に絡む話はしないようにしましょう。政治や宗教に対する自分の意見なども避けた方が無難です。

それぞれの子どもの頃の話が好ましい

それぞれの子どもの頃の話題が、当たり障りがなく和やかなムードになるため顔合わせに適しています。親から微笑ましいエピソードなどを話してもらえば、会話が弾むでしょう。

最近では顔合わせを簡素化する場合も多い

ここまで結婚前に行う顔合わせの流れについて紹介してきましたが、最近ではこのような一連の流れを踏まず、さらにカジュアルな顔合わせを行うパターンも増えてきています。

手土産や婚約記念品の交換をなしにしたり、食事会を開催するレストランをカジュアルにしたりなど、よりリラックスした雰囲気で食事会を行います。顔合わせを簡素化することで、経済的にも精神的にもゆとりが生まれるというメリットがあると言えるでしょう。

婚姻届提出のタイミングとは?

婚姻届提出のタイミングは顔合わせを行った後、結婚式までの期間が一般的です。

しかし、両家の事情で顔合わせの日程が遅くなってしまう場合などは婚姻届を提出した後に顔合わせを行うことも可能です。その場合は前もって両家の両親に説明し、理解を得るように心がけましょう。

顔合わせの流れを確認して両家が気持ちよく過ごせる時間にしよう

この記事では顔合わせの流れや顔合わせでの注意点などについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。顔合わせは両家の親を交えた食事会で、婚約記念品の交換や歓談といった一連の流れをこなすことで親交を深めることを目的としたものです。

また、顔合わせでは歓談の内容や席順、マナーなど気をつける点がいくつかあります。記事の内容を参考にしながら、顔合わせの流れを確認して両家が気持ちよく過ごせるようにしていきましょう。