子育て

【専門家監修】赤ちゃんがしゃっくりをする原因4つとは?多いときの対処法も解説

赤ちゃんはしゃっくりしやすい?

初めての赤ちゃんが生まれて、しゃっくりがよくでることに戸惑うママも多いでしょう。

しゃっくりはもともと、お腹の中の赤ちゃんが鼻やのどの異物を外に出そうとする反射運動です。妊娠中、赤ちゃんが一定のリズムで連続してぴくぴく動くような胎動を感じることがあります。あの動きはしゃっくりなのです。

ではなぜ、生まれてからも頻繁にしゃっくりが出るのでしょうか。

赤ちゃんのしゃっくりの原因や対処法についてご紹介します。

赤ちゃんがしゃっくりをする原因4つとは

肺の下には横隔膜があり、わたしたちはこの横隔膜を上下させることで呼吸をしています。横隔膜や周辺組織に刺激があると反射で横隔膜がけいれんを起こします。しゃっくりは咳やくしゃみと同じ反射運動なのです。

けいれんといっても苦しいものではなく、赤ちゃんが不機嫌でなければ特に問題ありません。時間がたてば自然に止まることがほとんどです。赤ちゃんのしゃっくりの原因にはどんなものがあるのでしょうか。

赤ちゃんがしゃっくりをする原因1:オムツが濡れた

赤ちゃんのオムツが濡れて身体が冷えることでしゃっくりが引き起こされることがあります。

今のオムツは非常に性能がよく、おしっこをしてもしっかり吸収してくれるので赤ちゃんがぐずりにくくなっています。赤ちゃんがぐずらないとお母さんもなかなかおしっこに気づけませんね。

ゆっくり過ごしているときに赤ちゃんがしゃっくりを始めたら、まずはオムツを確認してみましょう。オムツ交換時は寒くないように注意してください。

赤ちゃんがしゃっくりをする原因2:母乳やミルクを飲んだ

赤ちゃんは授乳やミルク後にも頻繁にしゃっくりをします。母乳やミルクを飲むと、胃などの消化器が活発に動き始めます。この動きが横隔膜の刺激になり、しゃっくりの原因になるのです。

また、赤ちゃんはまだ飲み込むことが上手にできないので、母乳やミルクと一緒に空気もたくさん飲んでしまいます。すると胃が膨らみ横隔膜が刺激され、しゃっくりの原因になります。しゃっくりをすることで、食道や胃に入った空気を出そうとしているのです。

赤ちゃんがしゃっくりをする原因3:呼吸のリズムが崩れた

赤ちゃんは横隔膜を含めさまざまな器官が未熟なため、ちょっとした刺激にもすぐに反応してしまいます。泣く前に呼吸が荒くなったり、驚いて息が詰まったり、笑うなどして呼吸のリズムが少し崩れただけでもしゃっくりの原因になることがあります。

赤ちゃんがしゃっくりをする原因4:身体が冷えた

オムツの濡れ以外の冷えも、もちろんしゃっくりの原因になります。赤ちゃん、特に生後間もない新生児はまだ上手な体温調節ができません。外出時や帰宅時、暑い時期のエアコン使用など気温に変化がある場合はこまめに赤ちゃんのようすを見て衣服などで調整してあげましょう。

赤ちゃんのしゃっくりが多いときの対処法

赤ちゃんは身体の器官や神経が未発達なため、毎日のようにしゃっくりをします。しゃっくりをしていても赤ちゃんは苦しくないといわれます。しかし長い間続くと心配になって、早く止める方法を知りたいと思うパパママも多いのではないでしょうか。

では、しゃっくりの多い赤ちゃんにはどう対処したらいいのでしょう。しゃっくりの原因ごとの対処法のコツをご紹介します。

しゃっくりが多いときの対処法1:ゲップをさせる

母乳やミルクの後にしゃっくりしたら、ゲップをさせてみましょう。赤ちゃんのお腹は母乳やミルク、一緒に飲み込んだ空気を出そうとしてしゃっくりが起こっているのかもしれません。

授乳後しゃっくりしている赤ちゃんを寝かせたままにしておくと吐き戻しの原因にもなります。ゲップで胃の空気を抜いて赤ちゃんをすっきりさせてあげましょう。

母乳を飲む場合はあまり空気は飲まないですが、哺乳瓶を使用する際には角度を調整して赤ちゃんが空気を飲まないように工夫することも大切です。

しゃっくりが多いときの対処法2:身体を温める

赤ちゃんのしゃっくりの原因が冷えの場合は、赤ちゃんの身体を温めてあげましょう。温かい場所に連れて行き、衣服が濡れている場合は着替えさせます。胸やお腹に手をあてたり、手足をさすってあげるのもよいでしょう。

身体の内側から温めてあげる方法もあります。母乳を飲ませたり、離乳食開始後であれば白湯を少し飲ませてあげると落ち着くこともあります。

しゃっくりが多いときの対処法3:オムツを交換する

空腹時、寒いわけでもないタイミングで赤ちゃんがしゃっくりしたらオムツを確認しましょう。オムツがしっかりおしっこを吸収していても、水分を含んだオムツは冷えます。

不快感はなくとも寒いのはかわいそうですね。また、オムツが汚れたままになっているとおむつかぶれの原因にもなります。こまめに交換しましょう。

オムツ替えのときも寒くないように気を付けてあげましょう。

しゃっくりが多いときの対処法4:背中を優しくたたく

赤ちゃんの背中を優しくトントンとたたいて横隔膜周辺の血流をよくすることで、しゃっくりが止まることもあります。縦抱きの体勢で赤ちゃんのあごをママの肩の位置にのせて頭がぐらつかないように安定させたら、背中を優しくさすったりたたいたりします。

背中周辺の血行が良くなることで身体が温まり、横隔膜の冷えが緩和されるのです。しゃっくりでなかなか寝ない赤ちゃんがすっと寝付くこともありますよ。

やってはいけない赤ちゃんのしゃっくりの治し方4つ

こうすればしゃっくりが止まる、という民間療法はたくさんあります。しかし基本的には大人やある程度成長した子供向けの治し方で、赤ちゃん向けではありません。

また、頭に息を吹きかけるなどの赤ちゃん向けの民間療法もありますが、医学的な根拠はなく効果があるかは不明です。赤ちゃんが嫌がる・ストレスになるような対応は避けましょう。

そのうちかならずおさまるので、無理に止める必要はありません。

やってはいけないしゃっくりの治し方1:驚かす

しゃっくりを止めるには驚かすのがよいとよく言われますが、この方法は赤ちゃんには厳禁です。なぜ驚くことによってしゃっくりが止まるかは医学的に解明されていませんが、驚いて息が止まるためという説や、神経に刺激が与えられるためという説があります。

しかし、いきなり大きい声で驚かされても、生まれたばかりの赤ちゃんには理由がわからず泣いてしまうだけです。効果も期待できないため、驚かせないようにしましょう。

やってはいけないしゃっくりの治し方2:水を飲ませる

水を飲むというのもしゃっくりの止め方としてよく聞く方法ですが、赤ちゃんにはやめておきましょう。「飲み物を飲む」というのは大人のしゃっくりの止め方としては有効な場合もありますが、赤ちゃんには効果は期待できません。

赤ちゃんのしゃっくりを止めたいときは、水ではなく母乳やミルク、離乳食開始後であれば湯冷ましなどを飲ませましょう。また、しゃっくりが止まらないからといって飲ませすぎは逆効果になる場合があります。注意しましょう。

やってはいけないしゃっくりの治し方3:うつ伏せにさせる

うつ伏せにすると赤ちゃんのしゃっくりが止まるとも言われますが、あまりおすすめできる方法ではありません。うつ伏せの姿勢は窒息や、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクがあるためです。

首のすわりを早くするためにうつ伏せにすることを産院や小児科でお勧めされる場合もありますが、誰かが様子をみていられる時にしましょう。様子をみていられない寝かしつけのときは、赤ちゃんをうつぶせ寝にさせないようにしましょう。

やってはいけないしゃっくりの治し方4:指を耳に入れる

しゃっくりの時は両耳の穴に指を入れ、30秒間ほど強く押すことでしゃっくりが止まることもあります。耳を押すことで耳の奥の神経が刺激されしゃっくりが止まるという、医学的に根拠のある方法です。

しかし、赤ちゃんの柔らかい耳や頭を強く押すのは非常に危険なので絶対にやめましょう。

赤ちゃんのしゃっくりを適切に対処しよう

赤ちゃんのしゃっくりは危険な場合はほとんどなく、辛いこともないので様子をみていても問題ありません。

しかし、苦しそうなときや機嫌が悪いとき、大量に吐いてしまったり大量のよだれが出るときは、ただのしゃっくりではない可能性があるので診察をおすすめします。また、しゃっくりと一緒にじんましんや鼻水が出るときも注意が必要です。

ふだんから赤ちゃんの様子をしっかりと観察し、危険なしゃっくりを見分けられるようにしましょう。