妊娠症状

【専門家監修】妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化4つ|過ごし方の注意点は?

妊娠中期とは

妊娠中期とは、妊娠5か月(妊娠16週)から妊娠7か月(妊娠27週)までのことを指します。妊娠5か月ごろには胎盤が完成するため「安定期」とも呼ばれ、つわりも少しずつ落ち着いてくるころです。妊娠5か月に入った最初の「戌の日」に、神社で安産祈願を行う人も多いでしょう。

この記事では、妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化やママの体の変化、さらに過ごし方の注意点などを紹介していきます。

妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化4つ

妊娠中期の赤ちゃんは、驚くべきスピードで成長していきます。赤ちゃんの脳が発達し、動きが活発になるため、胎動を感じられるようになるでしょう。妊娠中期は、脳をはじめ身体の重要な部分が発育する時期なので、バランスのとれた食事を心がけるのが重要です。

ここからは、妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化について、4つに分けて詳しく説明していきます。

妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化1:動きが活発になる

妊娠中期は、赤ちゃんの筋肉や骨格がますます発達する時期です。手足を動かすなど、運動機能に重要な役割を担う前頭葉が発達することで、赤ちゃんが活発に動くようになります。

妊娠18週~22週のあいだには胎動を感じることができるでしょう。超音波検査(エコー検査)のときに、指しゃぶりをしている赤ちゃんの姿が見られる場合もあります。

妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化2:性別がわかるようになる

妊娠中期になると、超音波で性別が判断できるようになります。しかし、赤ちゃんの姿勢によってはわからない可能性もあります。もし、産まれるまで性別を知りたくない場合は、あらかじめ医師に伝えておきましょう。

さらに、この頃の赤ちゃんは「褐色脂肪」と呼ばれる脂肪を身体に貯めはじめます。この褐色脂肪は、生まれた後に赤ちゃんが体温調整をするための重要な役割を担っています。

超音波検査のときに赤ちゃんの体勢によっては、性別が分かる場合もあります。

妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化3:聴力がほぼ完成する

妊娠中期に入ると、聴力がほぼ完成します。外の音が聞こえるようになる時期でもあるので、お腹の赤ちゃんにたくさん話しかけてあげるといいでしょう。

赤ちゃんが音を聞き分けたり、音の正しい方向を知るようになるのは生後5~6か月頃といわれています。しかし、新生児期にママやパパの声や母国語により反応を示すともいわれています。お腹の赤ちゃんと、積極的にコミュニケーションをとりましょう。

妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化4:肺の機能が成熟しはじめる

妊娠26週になると、肺の構造が完成します。妊娠22週以降の分娩なら、NICU(新生児集中治療室)で赤ちゃんが生存できることがありますが、その可能性は妊娠週数が長くなるごとに上がってきます。

妊娠26週になると、肺の構造が完成しますが、肺が成熟するのは妊娠34週以降なので、まだまだお腹で育てる必要がある時期です。

妊娠中期のママの体の変化4つ

妊娠中期になると、赤ちゃんが成長すると共に、ママの体も少しずつ妊婦さんらしい体型に変化していきます。胎動を感じ始めたりすることで、お腹の中に赤ちゃんがいることを改めて実感することもできるでしょう。

つわりが落ち着き体調のいい日が増える一方で、それまでより疲れやすくなったりするのが妊娠中期の特徴です。

ここでは、そんな妊娠中期のママの体の変化を大きく4つに分けて説明していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠中期のママの体の変化1:母乳を作る準備が始まる

妊娠中期になると、ママの体では母乳を作る準備が始まります。乳腺が発達する時期なので、ワイヤーの入っていないマタニティブラジャーに変えるなど、体を締め付けないような服装を心がけましょう。

この時期に、無理に搾り出す必要はありません。乳頭にカスのように溜まっている場合は、お風呂で取り除きましょう。その場合には乳頭を傷つけないように気を付けましょう。

妊娠中期のママの体の変化2:赤ちゃんに栄養が届く

妊娠中期になると、胎盤を通して赤ちゃんに栄養が届くようになります。たくさんの量を食べることよりも、栄養バランスが偏らないような食事を心がけましょう。

またカフェインについては、世界保健機関(WHO)などが妊婦に対して、一日あたりのカフェイン摂取量に対し注意喚起を行っています。1日1~2杯程度なら問題ありません。カフェインはコーヒー以外にも紅茶・緑茶などにも含まれています。カフェインの入っていない飲み物を摂るように気を付けましょう。

妊娠中期のママの体の変化3:疲れやすくなる

妊娠中期になると、以前と比べて疲れやすくなったと感じるママが増えてきます。これは、急激に成長する赤ちゃんに血液を送るため、心臓への負担が大きくなるからです。

つわりが終わり体調が良くなったことで、つい動きすぎてしまうことも多い時期です。しかし妊娠中は貧血状態になりやすく、たちくらみなどを起こす可能性があるため、疲れを感じたら無理をせず休息を取るようにしましょう。

妊娠中期のママの体の変化4:体重が増加し始める

妊娠中期になると、少しずつ体重が増加しはじめます。これは赤ちゃんの成長はもちろん、それに伴う羊水や血液量の増加、子宮や乳房が大きくなるなどの理由があげられます。

厚生労働省によると、妊娠中期以降の体重増加は1週間あたり0.3~0.5kgが望ましいとされています。つわりが終わり体調が良くなったからと言って、急激に体重が増加してしまわないように注意しましょう。

妊娠中期の過ごし方の注意点5つ

妊娠中期になり体調が落ち着いてくることで、穏やかな気持ちで過ごせる日も増えてくるでしょう。「安定期」と言われる時期でもあることから、つい妊娠前のように過ごしてしまう人も多いですが注意が必要です。

体調が良いからと無理することなく、これから紹介する妊娠中期の過ごし方の注意点をしっかりと意識しつつ、ゆったりとした気分で妊娠生活を楽しみましょう。

妊娠中期の過ごし方の注意点1:適度な運動をする

妊娠中期に入り体調が落ち着いてきたら、適度な運動をするようにしましょう。急激な体重増加をふせぐだけでなく、便秘予防などにも効果があるといわれています。

マタニティビクスや水泳・ヨガなどを行うのも良いですが、軽いストレッチや近所を散歩するだけでも十分効果があります。体調とよく相談しながら、自分に合った運動を取り入れましょう。

妊娠中期の過ごし方の注意点2:バランスのとれた食事をとる

妊娠中期になると、ママの摂った食事から赤ちゃんに栄養が届くようになります。そのため、バランスのとれた食事をとることが重要になります。

ビタミンD・ビタミンB・ビタミンC・マグネシウム・鉄・葉酸などがあげられます。緑黄色野菜や果物、乳製品などを意識して摂取するといいでしょう。

貧血対策にはレバーの他に、小松菜やホウレンソウなどの緑黄色野菜や切り干し大根なども効果的です。

妊娠中期の過ごし方の注意点3:脱水にならにように気を付ける

妊娠中期の過ごし方の注意点に、脱水にならないように気を付けることことがあげられます。

なぜなら、妊娠中は出産のときの出血に備えて、血液が固まりやすい状態になっているからです。長風呂をすることで、汗をたくさんかいてしまいます。それにより体が脱水状態に近づき、より血液が固まりやすい状態を作ってしまうといわれているからです。

妊娠前よりも、脱水状態にならないように気を付ける必要があります。こまめな水分摂取を意識して過ごすようにしましょう。

妊娠中期の過ごし方の注意点4:清潔にする

妊娠中期になり、安静の指示や下腹部痛などがないようであれば、性生活をしても問題ありません。前後にシャワーを浴びるなど、清潔な状態で行うことを意識しましょう。また、感染予防のためにコンドー ムを使うようにしましょう。

また胎動を感じ始めるころから、乳頭のケアを始めるタイミングです。乳頭のマッサージについては、産院で方法を指導してもらいましょう。お腹が張る場合はマッサージはお休みしましょう。

妊娠中期の過ごし方の注意点5:楽な姿勢で寝る

妊娠中期になると少しずつお腹が大きくなってくるため、横向きの姿勢など、楽な姿勢で寝るのがいいでしょう。この時、脚の間にクッションや枕を挟むのもおすすめです。

また、起き上がるときにも注意が必要です。あまり腹筋を使わないように、一度体を横に向けてから、腕の力を利用して体を起こすといいでしょう。

妊娠中期は大事な時期

ここまで、妊娠中期の赤ちゃんの発育の変化や、過ごし方の注意点について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

妊娠中期は赤ちゃんが大きく発育する大事な時期です。決して無理はせず、体を労わることを最優先に考え、赤ちゃんの成長を感じながらゆったりと過ごしましょう。