妊娠症状

【専門家監修】生理のときの吐き気の原因とは?生理痛を緩和する方法7つ

生理の吐き気とは?

生理中に何かしら体調の変化に悩まされる女性は、多いのではないでしょうか。

代表的なのは、生理痛のひとつである腹部の痛みです。さらに、生理痛と合わせて、吐き気を感じる女性も多いようです。しかし、なぜ生理の時に吐き気を感じるのでしょうか。

この記事では、生理痛にともなう吐き気の原因をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

生理痛の吐き気の原因

まず生理痛は、経血が排出される際に子宮が収縮を繰り返すために起こります。この子宮の収縮が引き起こされるのは、プロスタグランジンというホルモンが作用しているからです。

プロスタグランジンは、子宮以外の筋肉を収縮させる作用もあるため、胃や腸をも収縮させることがあります。そのため、生理痛と合わせて吐き気を感じることがあるのです。

吐き気以外の生理痛4つ

では、生理の時に起こる体調の変化で、吐き気以外にはどのような症状があるでしょうか。

これから、吐き気以外の生理痛を4つご紹介します。生理中には、様々な体調の変化が起こる女性もいます。生理中に以下のような症状が無いか、確認してみましょう。

吐き気以外の生理痛1:頭痛

吐き気以外の生理痛の1つ目は、頭痛です。生理中に起こる頭痛は、月経関連偏頭痛という偏頭痛の可能性があります。これは、通常の偏頭痛よりも痛みが長引く傾向にあり、再発しやすい傾向があるようです。

原因は排卵後にエストロゲンが急激に低下することが影響しているといわれています。

吐き気以外の生理痛2:下痢

吐き気以外の生理痛の2つ目は、下痢です。生理中に下痢をしてしまうのは、吐き気と同様にプロスタグランジンというホルモンの影響と言われています。

生理とは、プロスタグランジンが作用して子宮が収縮され経血が体の外に出ます。プロスタグランジンが同様に胃腸にも働き、吐き気だけではなく下痢になってしまう人もいます。

また、下痢と合わせて、食欲が減ってしまうという症状もあるようです。

吐き気以外の生理痛3:腰痛

吐き気以外の生理痛の3つ目は、腰痛です。生理中に腰痛を感じる原因は、前項の下痢と同様にプロスタグランジンというホルモンの作用と言われています。

プロスタグランジンが多く分泌されると子宮周辺の血管が収縮させられて、血の流れが悪くなります。その血流の悪さが原因となり、骨盤の周辺に痛みを感じるといわれています。

吐き気以外の生理痛4:腹痛

吐き気以外の生理痛の4つ目は、腹痛です。生理中に悩まされる腹痛の原因も、腰痛と同様にプロスタグランジンというホルモンの作用です。

経血を排出するために作用するプロスタグランジンは、多く分泌されると子宮や周辺の血管をも収縮させます。そのために、生理中に下腹部に痛みを感じることがあるのです。

生理痛や吐き気を緩和する方法7つ

生理中に、紹介したような生理痛や吐き気に悩まされるという方もいらっしゃるでしょう。

ここからは、そんな生理痛や吐き気を緩和する方法を7つご紹介します。少しでも快適に生理期間を過ごせるよう、ぜひ以下の方法を参考にしてみてください。

生理痛や吐き気を緩和する方法1:胃に負担をかけない食材を選ぶ

生理痛や吐き気を緩和する方法の1つ目は、胃に負担をかけない食材を選ぶことです。

生理痛や吐き気を緩和する方法で、まず取り入れたいのが食事の改善でしょう。生理痛に悩まされている時には、なるべくホルモンバランスが整いやすいものや、血流をよくさせる温かいものがよいとされています。

体を温める効果のある生姜を使ったスープは、胃への負担も少なく生理中におすすめです。もしくは、タンパク質の含まれる鶏肉を使ったおかゆなども良いでしょう。

また、月経前からプロゲステロンの影響でむくみやすくなる場合があります。むくみが気になるときは塩分を摂りすぎないようにも気を付けてみましょう。

生理痛や吐き気を緩和する方法2:体を温める

生理痛や吐き気を緩和する方法の2つ目は、体を温めることです。体が冷えると、血行が悪くなり生理痛を悪化させると言われています。そのため、生理痛や吐き気を緩和するには、体を温めるよう心がけるとよいでしょう。特に、下腹部や腰回り、特に仙骨のあたりを温めるのがおすすめです。

体を冷やさないような服装に変えたり、もしくは温かい食べ物や飲み物を取り入れることもおすすめです。また、ゆっくりと湯船に浸かって温まるのもよいでしょう。

生理痛や吐き気を緩和する方法3:無理なダイエットは避ける

生理痛や吐き気を緩和する方法の3つ目は、無理なダイエットを避けることです。

女性は生理周期の時期によって、分泌されるホルモンが異なります。そのため、生理前や生理中は、黄体ホルモンが多く分泌されるため痩せにくい時期と言われます。

そのような時期に、無理なダイエットをする必要はないでしょう。特に生理痛がある場合は、なるべくリラックスして過ごすのがおすすめです。

生理痛や吐き気を緩和する方法4:リラックスする時間を作る

生理痛や吐き気を緩和する方法の4つ目は、リラックスする時間を作ることです。生理中は、女性ホルモンの影響で生理痛と共にイライラしてしまうことも多いようです。不安定な気持ちを落ち着かせるためにも、リラックスできる時間を作るのがおすすめです。

リラックスできる軽いエクササイズや趣味など、気持ちをリフレッシュできる方法を見つけて実践してみましょう。

また、アロマセラピーを試してみるのもおすすめです。リラックスのためなので、自分の好きな香りを選ぶのが一番です。ただし、エッセンシャルオイルを選ぶときは、必ず天然成分100%のものを選ぶようにしましょう。

生理痛や吐き気を緩和する方法5:ストレスを溜めない

生理痛や吐き気を緩和する方法の5つ目は、ストレスを溜めないことです。

生理痛や吐き気を我慢して、家事や仕事を続けていると、そのストレスによって生理痛が悪化することもあります。そのため、生理痛や吐き気がひどい時には、なるべくストレスを軽減させるよう心がけましょう。

体が冷える環境での仕事や、立ち仕事などはできる限り避けて、ストレスを少なく過ごしましょう。生理の時は「自分のからだを大切にする期間」と決めて、自分に優しくすごしましょう。

生理痛や吐き気を緩和する方法6:産婦人科へ行く

生理痛や吐き気を緩和する方法の6つ目は、産婦人科へ行くことです。

生理痛がある場合は、何かしら病気を発症しているサインとも言われています。そのため、生理痛や吐き気がひどい場合には、産婦人科を受診することもおすすめです。

産婦人科で診察を受ければ、適した投薬治療を受けることや、病気の早期発見に繋がるでしょう。

生理痛や吐き気を緩和する方法7:市販薬を内服する

生理痛や吐き気を緩和する方法の7つ目は、市販薬を内服することです。生理痛が辛い時には、市販の鎮痛剤を内服することで痛みを緩和することができるでしょう。しかし、鎮痛剤を服用する場合には、用法や用量を守るように気をつけてください。

また、内服するタイミングによっては胃腸に負担がかかる場合があるので、薬に記載されている説明をしっかり読むようにしましょう。

生理痛や吐き気と関連性が高い病気3つ

生理中に生理痛や吐き気が起こるのは、病気のサインとも言われています。

ここからは、生理痛や吐き気と関連性が高い病気を3つご紹介します。生理痛や吐き気が、以下のような病気のサインということもあり得るので、どのような病気があるのか、ぜひ確認してみてください。

生理痛や吐き気と関連が高い病気1:子宮腺筋症

生理痛や吐き気と関連が高い病気の1つ目は、子宮腺筋症です。

子宮腺筋症とは、子宮の中にある筋肉「子宮平滑筋」の組織内に、子宮内膜に似た組織ができる病気です。この子宮腺筋症は、エストロゲンという女性ホルモンによって進行するため、生理があれば必然的に病気は進行するといわれています。

子宮腺筋症を発症している場合、経血量が増えたり、生理痛が起こったりします。

生理痛や吐き気と関連が高い病気2:子宮筋腫

生理痛や吐き気と関連が高い病気の2つ目は、子宮筋腫です。子宮筋腫とは、子宮の筋肉「子宮平滑筋」という組織から発生する、良性腫瘍のことです。30歳以上の女性に、多く見られる腫瘍と言われています。

また、子宮筋腫が発生した場所によって、症状や治療方法が異なります。主な症状は、経血量の増加や生理の期間が長くなるということです。その他、生理中に血の塊のようなものが出ることも挙げられます。

生理痛や吐き気と関連が高い病気3:子宮内膜症

生理痛や吐き気と関連が高い病気の3つ目は、子宮内膜症です。

子宮内膜症とは、子宮内膜、もしくはそれに似た組織が、子宮ではない場所に発生する病気です。特に多く発生する場所は、骨盤腹膜や卵巣と言われますが、その他の場所に発生することもあります。そして、生理の度に出血や炎症、また骨盤内臓器の癒着などが起こります。

また、子宮内膜症を発症している方のほとんどが、生理の時に生理痛に悩まされます。

このような生理は要注意3つ

ここからは、注意すべき生理の特徴をご紹介します。

生理痛以外にも、生理の状況によっては病気のサインである場合があります。具体的に3つの生理の特徴をご紹介するので、これらのような状況ではないか確認してみてください。

このような生理は要注意1:生理の経血量が少ない・短い

要注意すべき生理の特徴の1つ目は、生理の経血量が少ない・短いことです。

通常、1日の経血量は平均して20〜140mlです。また、生理の期間は、3〜7日と言われています。明らかに経血量が少ない場合、過少月経と呼ばれます。そして、生理が2日以内に終わる場合は、過短月経と呼ばれます。

過少月経や過短月経が起こる原因は、女性ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が挙げられます。

このような生理は要注意2:生理周期が不規則

要注意すべき生理の特徴の2つ目は、生理周期が不規則なことです。

一般的に、正常な生理周期は25〜38日間で、変動は6日以内と言われています。しかし、生理周期がそれより短い、もしくは長い場合は月経不順と呼ばれます。

生理周期が25日未満の場合は頻発月経といい、生理周期が39日以上3ヶ月以内の場合は希発月経といいます。

これらが起こる原因は、ストレスやホルモンバランスの乱れ、もしくは子宮などの病気が考えられます。

このような生理は要注意3:不正出血

要注意すべき生理の特徴の3つ目は、不正出血です。

不正出血とは、生理以外に出血する症状を意味します。通常の生理であれば、出血は子宮体部からですが、不正出血は子宮体部以外の場所から出血することが考えられます。

不正出血がある場合は、ホルモンバランスの乱れや、何かしら病気の症状として起こっている可能性があるので注意しましょう。

生理痛を緩和させる方法を知ろう

生理の度に、生理痛や吐き気があると憂鬱になる方が多いでしょう。

しかし、生理痛や吐き気は、食事に気をつけたり、ストレスを溜めないよう心がけたりすることで緩和することができます。ぜひ、ご自身に合う生理痛を緩和できる方法を見つけてください。

そして、生理痛や吐き気がひどい場合は、病気のサインの可能性もあります。無理をせず、早めに産婦人科を受診しましょう。