【専門家監修】妊娠中「虫歯だらけ」になりやすい3つの理由!妊娠中治療できる?

妊娠と虫歯には密接な関係があり、決して軽視できるものではありません。さまざまな理由から妊娠中は虫歯になりやすく、また、それが胎児に影響を与える場合もあります。本記事では、妊娠中「虫歯だらけ」になりやすい理由や妊娠中の歯科治療について紹介しています。

【専門家監修】妊娠中「虫歯だらけ」になりやすい3つの理由!妊娠中治療できる?

妊娠中「虫歯だらけ」になりやすい3つの原因

妊娠中は、お腹の中で赤ちゃんを育てるので、身体的にも精神的にも変化が現れます。

妊娠中のあらゆる体の変化には、つわりや腰痛などのよく知られたものから、むくみや胸やけなどのマイナートラブルまで多岐に渡りますが、妊婦さんは虫歯になることにも注意が必要です。

妊娠中は虫歯だらけになりやすいといわれているので、その原因を3つ紹介します。

「虫歯だらけ」になりやすい原因1:唾液の量が減る

妊婦さんは唾液の分泌量が減ることがあり、それによって唾液の浄化作用がうまく作用しなくなるため、口内の衛生が保てず虫歯だらけになりやすいといわれています。

唾液は、口内を清潔に保つ働きを持っているといわれています。食事などで酸性になった口の中を中和する働きや、歯間などの食べかすを洗い流す働き、抗菌作用など、唾液には口内を守るために重要な働きがあるといわれています。

「虫歯だらけ」になりやすい原因2:つわりが影響している

妊娠中の虫歯だらけの原因は、つわりが大きく関係しています。まず、つわりの影響で吐き気をもよおしてしまうために、妊娠中はブラッシングが不十分になりがちです。十分に汚れを落とすことができず、それが虫歯だらけの原因となるでしょう。

また、つわりの影響で一度にたくさん食べられないため、妊婦さんは食事を何回かに分けて取る人も多いです。すると、口の中が酸性になる時間が長くなり、虫歯だらけになりやすいといわれています。

「虫歯だらけ」になりやすい原因3:不規則な食生活

妊娠中は食生活が乱れてしまう場合があり、それが虫歯だらけになる原因といわれています。

つわりの影響で食の好みが変化したり限られたものしか食べられなかったり、身体の不調から自炊が難しくて栄養価の高い食事を作れなくなってしまったり、食生活が乱れる原因はいくつかあります。

強い歯を作るには、バランスのよい食事が必要です。食生活の乱れは虫歯以外にも身体の不調を引き起こしますので、注意しましょう。

「虫歯だらけ」が赤ちゃんに与える影響

妊娠中に虫歯だらけになると、母体だけではなく、赤ちゃんにも影響を与える場合があります。

妊娠中に虫歯だらけになると、母体だけではなく、赤ちゃんにも影響を与える場合があります。例えば、重度の歯周病は切迫早産・頸管無力症・低出生体重児のリスクを高めるといわれています。早産・低体重で生まれると、赤ちゃんには障害が残ったりする可能性もあります。

また、産後、唾液を通じて虫歯菌が赤ちゃんに移ってしまうと赤ちゃんが虫歯になる可能性が高くなります。赤ちゃんに虫歯菌を移さないためにも、親の口内ケアが大切です。

「虫歯だらけ」を防ぐための口腔ケア方法3つ

妊娠中に虫歯だらけになりやすいことを理解して口内ケアをすることは、虫歯だらけにならないようにするためにも、また、虫歯による影響から赤ちゃんを守るためにも重要です。

ここでは、妊婦さんが虫歯だらけにならないための口腔ケアを3つ紹介します。

「虫歯だらけ」を防ぐための口腔ケア方法1:できるタイミングで歯磨きをする

虫歯だらけになるのを防ぐための効果的な方法は歯磨きなので、気分がいいときや吐き気がおさまったときなどできるタイミングで歯磨きをしましょう。また、就寝中は菌が繁殖しやすいので、寝る前はできるだけ歯磨きをしましょう。

歯磨き粉の味が合わない場合もあります。妊娠前に使っていたものとは異なるものにチャレンジしてみてもよいでしょう。

「虫歯だらけ」を防ぐための口腔ケア方法2:うがいやガムを活用

つわりなどで歯磨きがどうしても困難な場合や食事回数が増える場合は、こまめなうがいを心がけたり、ガムを活用しましょう。

また、ガムはキシリトール入りなどのものを選びましょう。ただし、ガムの食べすぎはお腹がゆるくなる原因ともなりうるので注意が必要です。

「虫歯だらけ」を防ぐための口腔ケア方法3:歯科検診を受ける

妊婦検診の中には、歯科検診も含まれており、母子手帳にも歯科検診のページが載っています。それほど、妊娠と虫歯の関係は密接だということが分かります。

妊婦歯科検診は、自治体によっては無料の助成券が配られるところも多いです。ただし、検診後の治療費などについては自己負担ですので、日頃から定期健診などで歯のチェックをすることをおすすめします。

歯科検診の内容

妊婦歯科検診は、虫歯や歯肉炎、歯周ポケット、歯周病、歯石などの口内トラブルをチェックします。一般的にはレントゲン検査は行いません。検診が終わった後は、歯の磨き方などの指導を行うことが多いでしょう。

検診で問題があった場合、赤ちゃんに影響がない程度の治療であれば可能です。歯科で使われる麻酔やレントゲンは少量なので胎児に影響がないことがほとんどです。歯科医と相談して決めましょう。

検診を受けるタイミング

つわりがひどくなりがちな妊娠初期と、お腹が大きくなって仰向けになるのがつらくなってくる妊娠後期は、歯科検診を受けるのが難しいでしょう。そのため、歯科検診はつわりが落ち着いたころの妊娠中期がおすすめです。

妊娠中期に検診を受けると、仮にもしそこで問題が見つかったとしても、お腹が大きくなる前に終えることができるでしょう。

ただし、つわりの状況は個人差がありますので、ご自身の身体と相談して決めましょう。

妊婦が歯科治療を受ける時の注意点3つ

妊娠中の歯科検診については口の中のチェックだけなので、身体への影響はないでしょう。レントゲン等を使用することもありません。

検診で異常が見つかった場合、治療が必要になりますが、歯科治療については少し注意が必要です。ここでは、妊娠中に歯科治療を受けるときの注意点を3つ紹介します。

歯科治療の注意点1:治療のタイミングを逃さない

妊娠中はどのタイミングでどのような身体の変化・不調が出てくるのかは個人差が大きいので、体調のよい時期が治療のタイミングです。その時期を逃さないようにしましょう。一般的には、歯科検診も治療も妊娠中期がおすすめです。

もし虫歯を放置し、出産間際になって悪化したり痛みが出ては大変です。いつ陣痛が来てもおかしくない臨月や産後すぐはなかなか歯科に通えないので、妊娠中の体調のよい時期に行っておきましょう。

産後の治療タイミング

虫歯の程度、治療内容、使用する薬によって、産後の治療のタイミングは異なります。初期虫歯などの軽度の治療の場合は産後すぐ受けることが可能ですが、内容によっては、産後1か月以上経過しなければ受けられないものもあります。

また、使用薬によっては、授乳中の使用が不可のものがありますので、もし治療を受ける際は、授乳中ということを必ず伝えましょう。授乳中でも使用できる薬にかえてもらえたり、治療時期を見直したりすることができるでしょう。

歯科治療の注意点2:麻酔やレントゲンへの理解

妊娠中の麻酔やレントゲンは、胎児への影響はほとんどないとされています。理由としては、妊娠中のレントゲンは腹部に防護エプロンを着けて行うため、歯科用の麻酔は局部麻酔かつ低濃度のためです。

ただし、それでも心配な場合は歯科医に相談しましょう。詳しく説明を聞くことができたり、可能であれば応急処置程度の治療に留めておくことができる場合もあります。

歯科治療の注意点3:処方薬の種類

妊娠初期はできれば薬の服用を避けたいものですが、歯科治療で処方される薬は妊娠中でも安全に使用できるものが選ばれていることが多いので、中期以降であれば服用できるでしょう。

ただし、妊娠中である旨は必ず歯科医に伝えましょう。妊娠中に使える薬にかえてくれたり、場合によっては産後の治療を勧められることがあります。歯科医に十分な相談の上、納得のいく選択をしましょう。

不安なことはすぐ歯科医に相談

妊娠中はデリケートになっていることもあるので、薬だけに限らず、治療法など必要以上に心配になってしまうこともありますが、不安なことがあればすぐに歯科医に相談をしてベストな選択を見つけましょう。

また、治療途中に具合が悪くなったり姿勢を変えたいなど要望がある場合は、遠慮せずに伝えましょう。場合によっては休憩を入れながらの治療も可能です。

虫歯以外に気をつけたい3つの口内トラブル

妊娠中は口内をきれいに保つのが難しくなったり、栄養が偏りがちですので、虫歯以外のトラブルにも注意が必要です。虫歯にはなっていなくても、口内のトラブルはのちに虫歯につながったり、さらに大きな病気につながる可能性があるので、無視してはいけません。

ここでは、虫歯以外に気を付けたい口内トラブルを3つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

気をつけたい口内トラブル1:歯肉炎

歯肉炎とは、歯の周囲にある歯ぐきだけが腫れている、軽度な炎症のことを指します。歯肉炎は、原因となっている歯垢と歯石を取り除き、丁寧にブラッシングをすれば炎症は治まるといわれています。

しかし、歯肉炎をそのままにしておくと悪化し、歯を支える骨まで腫れてしまう歯周炎になってしまいます。歯周炎は、歯が抜けてしまう場合もある重度の炎症です。歯周炎になる前に、治療して悪化を防ぐことが大切です。

妊娠性歯肉炎

妊娠性歯肉炎とは、妊婦さんに起こりやすい歯周炎のことを指します。

妊娠中は、ホルモンバランスの変化や、つわりの影響から食生活が不規則になったり、十分にブラッシングできないこともあるので、歯肉炎のリスクが通常よりも高くなるといわれています。

気をつけたい口内トラブル2:歯周病

妊娠中、母体が歯周病にかかってしまうと、「切迫早産」や「頸管無力症」「低体重児出産」の危険性が高くなるといわれています。

妊娠中の飲酒や喫煙はしないように指導されていますが、妊娠と歯周病の関係はまだあまり知られていません。妊婦歯科検診を必ず受け、虫歯や歯周病を治療することで胎児の安全を守りましょう。

気をつけたい口内トラブル3:口臭

妊娠中の口内の変化によって、口臭に悩まされる人も少なくありません。つわりで歯磨きが十分にできない、食事回数が多くなって口内が酸性となる時間が長くなる、唾液が少なくなる、など口臭の原因が妊娠中はそろっているといえるでしょう。

口臭を防ぐにはこまめな歯磨きやうがい、ガムなどが効果的です。つわりなどで難しい場合もありますが、口内を清潔に保つことは大変重要ですので、できるタイミングでこまめにおこないましょう。

きちんと対策して「虫歯だらけ」を防ごう

妊娠と歯はまったく関係ないように見えて、実は密接に関係しています。口内環境を整えて虫歯や歯周病を防ぐことは、胎児の健康を守ることにもつながるといわれているので、妊婦さんは特に注意しておきましょう。

また、産後も赤ちゃんを虫歯から守るためには、親の口内環境を整えることが大切です。虫歯菌は、ほとんど大人から移るといわれていますので、お子さんを虫歯にしないためにも、口腔ケアはしっかりとしましょう。

記事監修

【専門家監修】妊娠中「虫歯だらけ」になりやすい3つの理由!妊娠中治療できる?

フリーランス助産師 上原沙希

福岡県にて看護師・助産師の資格を修得。その後は上京し東京女子医科大学病院MFICU、産婦人科クリニック、グループホーム等での経験を積む。
産科領域だけでなくボーダーレスに多くの人の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャの難民ボランティアへ。帰国後は関西を拠点に活動中。
現在も産婦人科病院での臨床を続けながら、フリーランス助産師としてコラムニストやセミナー、商品開発など手がけている。
今後は助産師や性教育の知識・食生活アドバイザーの資格を活かして、国籍・年齢・性別関係なくボーダーレスな教育活動に尽力していく。

【取得資格】
・正看護師
・助産師
・食生活アドバイザー
・NCPR Aコース認定
・胎児受胎調節指導員

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