出産準備

【専門家監修】エコー写真の見方とは?6つのポイントと用語を解説!

エコー写真とは?

「エコー写真」とは、子宮と赤ちゃんの断面図を写したもので、妊婦健診の超音波検査の際にもらうことができます。

一般的には2Dエコーが多いですが、最近では立体静止画の3Dエコーや立体動画の4Dエコーなども見られ、お腹の中の赤ちゃんの様子や目鼻立ちまでがはっきり分かるようになってきました。

本記事では、エコー写真の見方について、6つのポイントから解説して行きます。

エコー検査とは?

「エコー検査」とは出生前検査の一種で、赤ちゃんの成長度合い、異常がないかなどを調べる大切な検査です。

エコー検査は、X線検査やCT検査などに比べ、胎児と母体への侵襲(投薬、注射、手術などの医療行為)がないため、妊婦さんが安心して受けることができる検査です。

また、妊娠初期と妊娠中期以降では検査の内容も変わってくることが多いのも特徴です。

エコー検査の目的

エコー検査の目的は、時期によって異なります。

妊娠初期には正常妊娠かどうか、妊娠5週目〜7週目ごろには子宮内に胎嚢および心拍があるかどうか、胎児が双子か三つ子がどうかなど、胎児の数も確認します。

そして妊娠9週・10週頃には、胎児が双子や三つ子の場合には膜性診断といって、膜の数によってどのようなリスクがあるのかを診断します。胎児が双子か三つ子がどうかなど、胎児の数も確認します。

また、妊娠週数は最終月経開始日から算出しますが、排卵時期がずれることもあるため、エコー検査で胎児の大きさを測定することで、予定日を確定します。

エコー検査の方法

エコー検査の方法には、「経腟法」と「経腹法」の二種類があります。

経腟法は、経腟プローブという棒状の器具を膣の中に入れて検査します。妊娠2ヶ月~3ヶ月ごろの11週~12週に当たる時期まではこの経腟法で検査します。この方法では、子宮や卵巣の状態も把握できます。

経腹法は、妊娠4ヶ月の12週~14週ごろからお腹の上からプローブを当てて行います。この方法では、赤ちゃんの向きや顔つきなどがわかります。

エコー写真の見方のポイント6つ

妊婦検診の際にもらうエコー写真で、お腹の中の赤ちゃんの成長を確認できるのは、ママにとって嬉しいことでしょう。

ところで、皆さんはエコー写真に付いているアルファベット記号の意味をご存知でしょうか。エコー写真にはアルファベット用語が印刷されていて、それぞれにちゃんとした意味があります。

意味を知って見方がわかると、エコー写真の楽しみが増えます。さらに詳しい赤ちゃんの成長を知るためにぜひ覚えておきましょう。

エコー写真の見方のポイント1:妊娠月数ごと

エコー写真は、妊娠初期・中期・後期という時期だけでなく、妊娠月数によっても、検査する内容や見方、数値が変わってきます。

さらに、赤ちゃんの成長だけでなく、子宮や卵巣の状態も見ることができるのもエコー写真の利点です。

では、それぞれの妊娠月数での見方がどのように変わるのかをご紹介しましょう。

妊娠初期~2ヶ月頃

妊娠4週~8週目頃に当たる2ヶ月頃まではまだ胎児が小さく、からだが出来上がるまでの過程を見ることができます。

エコー写真で最初に確認できるのが胎嚢(GS)です。胎嚢とは、赤ちゃんを包んでいる袋で、小さい黒い丸で映ります。

次に見えるのが卵黄嚢で、これは、妊娠6週ごろに胎嚢の中に白い丸い輪の形で映ります。その後、卵黄嚢の近くに胎芽が見えるようになり、心拍(FHB)が確認できるようになります。

妊娠3ヶ月頃以降~

この時期になると、だんだんと赤ちゃんらしい形に近づいていきます。

この時期のエコー写真では、頭からお尻までの長さ(CRL)や、大腿骨の長さ(FL)などが測定でき、赤ちゃんの推定体重も測定できるようになります。

他にも、頭の横幅(BPD)や腹囲(AC)などが測定でき、胎児の胃も確認できます。それぞれの数値が写真に印字されるので、赤ちゃんが週数通りに成長しているかなどもわかります。

エコー写真の見方のポイント2:頻繁にみるアルファベット

エコー写真には健診の度にアルファベットが印字されますが、それぞれのアルファベットは胎内の赤ちゃんの成長を表すものです。そのため、健診の度に数値は変わって行きます。

以下に、エコー写真で頻繁に見られるアルファベットについて解説して行きます。

この意味や見方を知っていると検査結果をさらに理解しやすくなるので、ぜひ覚えておきましょう。

分娩予定日と在胎期間

エコー写真でよく見る「EDC(またはEDD)」は「分娩予定日」を、「GA」は在胎期間を表します。

例えば、GA=6w1dという表記であれば、wが週数、dが日数を表していますので、妊娠6週1日となります。

在胎期間の見方がわかれば、後からエコー写真を見返した時にも日付だけでなく、何週何日のいつの時期だったかがわかります。

標準偏差

エコー写真の中の「SD」とは、「標準偏差」を表すアルファベットで、赤ちゃんの大きさが基準値に比べてどのぐらい差があるのかを表します。

±1.5までが標準範囲で、小さい場合は「-〇〇SD」、大きい場合は「+〇〇SD」と表記されます。

この時、標準値でないと心配になる方も多いでしょうが、エコー写真での計測には多少の誤差は付きものです。神経質にならずに、参考程度に考えておきましょう。

羊水の量

エコー写真の「AFI」は羊水インデックスを、「AFP」は羊水ポケットを表し、どちらも羊水の量を表す数値となります。

妊婦健診では、羊水の量が多いか少ないかで、赤ちゃんや母体の健康状態を調べます。

例えば、赤ちゃんの消化器官や中枢神経系に異常がある場合や、妊娠糖尿病などの場合は羊水量が増えることがあります。また反対に、前期破水や赤ちゃんの腎臓に異常がある場合だと、羊水が少なくなります。

エコー写真の見方のポイント3:推定体重の目安

エコー写真の「FEW」は、赤ちゃんの推定体重を表します。推定体重は赤ちゃんの頭の大きさ、腹囲、大腿骨の長さから計測されます。

妊娠週数と推定体重から赤ちゃんの成長が順調かどうかの判断をしますが、やはり超音波検査では推定体重も多少の誤差は出やすくなります。

その子なりに成長しているかどうかが重要になりますので、平均値よりずれがある場合も気にしすぎないようにしましょう。

エコー写真の見方のポイント4:性別の分かる時期

胎児が成長していくにつれて、お腹の中の赤ちゃんが男の子か女の子か、性別が気になる方も多いでしょう。エコー写真では、赤ちゃんの性別を見分けられます。

妊娠16週〜20週ごろには、エコー写真で男の子か女の子かなどの性別が見分けられるようになります。

赤ちゃんの角度や体勢によっては、なかなか性別の見分けが付きにくいこともありますが、基本的には外性器で性別を判断します。

エコー写真の見方のポイント5:女の子の特徴

女の子の場合、男の子のようにはっきりと判断するのは難しいですが、両太ももの間に木の葉のような形の外陰が見られると、「女の子」と判断されます。

赤ちゃんの向きや体勢によってはなかなか見えにくい場合も多いですが、角度が良ければ、木の葉状やコーヒー豆状の外陰が見られるでしょう。

ただし、はっきり見えないと女の子の判断は難しいものなので、「分かればラッキー」と考えておきましょう。

エコー写真の見方のポイント6:男の子の特徴

男の子の場合はわかりやすく、足と足の間に小さな丸い睾丸が見られれば男の子と判断されやすいです。 妊娠15週ごろには陰嚢も確認できるようになるので、これらがはっきり確認できれば男の子と判断されるでしょう。

エコー検査ではある程度の形は判断できますが、テレビ画面のように鮮明に映るわけではないので、妊婦さん本人がエコー写真で判断するのは難しいでしょう。性別が気になるときは産婦人科の先生に聞いてみましょう。

【種類別】エコー写真の特徴

エコー写真には、2Dエコー、3Dエコー、4Dエコーなど、さまざまな種類があります。病院によって使用しているエコーが違いますので、それぞれの特徴を知っておきましょう。

一般的には2Dエコーで平面的に撮った静止画が検査では使われますが、中期スクリーニングなど、より詳しく検査を行う際に4Dエコーを使う産院もあります。

以下に、それぞれのエコーの具体的な違いと特徴についてご紹介していきます。

3Dエコー検査

3Dエコー検査では、三次元の超音波で赤ちゃんを見るため、立体的な静止画が見られます。2Dエコー検査に比べ、顔の表情やサイズ感がよりリアルに見られるという点が特徴です。

産院によってはエコー写真を印刷する際に、この3Dエコーの写真がもらえる場合もあります。2Dエコーに比べてよりリアルな赤ちゃんの様子が見られるので、いい思い出にもなるでしょう。

4Dエコー検査

4Dエコー検査では、静止画ではなく立体的に撮った動画になります。3Dエコー写真に比べて、よりリアルな画像を動画で見られるのが特徴です。

動画なので、タイミングによってはあくびをしていたり、指しゃぶりをしていたりなど、より赤ちゃんらしい様子も見られます。

産院によっては4Dエコーを録画して持ち帰ることもできるので、子供が大きくなった時に一緒に見返したりなど、思い出として残すこともできます。

エコー写真を保存するときの注意点

エコー写真はお腹の中の赤ちゃんの大切な成長記録です。目に見えない分、もらったエコー写真を大切に保管したいと考える方も多いでしょう。

エコー写真には、レシートにも使われている感熱紙が使用されているため、光に弱く時間が経つと薄れてしまうという特徴があります。大切なエコー写真が色褪せてしまわないよう、保管方法をしっかり理解しておきましょう。

エコー写真は熱に弱い

エコー写真に使われている感熱紙は熱に弱く、直射日光の当たる暑い場所などに置いておくと黒くなるという特徴があります。

長期間、暑い場所に置いておくと写真が消えてしまうこともあるので、保管場所には気を付けるようにしましょう。エコー写真を保管する場所としては、暗く涼しい場所に置いておくのがいいでしょう。

おすすめの保存方法

大切なエコー写真を長くきれいに保存するには、「スマホやデジタルカメラで写真を撮って保存する」「エコー写真をコピー機で印刷する」「専用のエコー写真アルバムで保管する」という方法があります。

スマホであれば色褪せる心配もなく、いつでも見たいときに見返すことができます。

また、アルバムであれば、オリジナルのコメントなども残せるので、子供が大きくなった時にプレゼントとして渡すこともできます。

エコー写真の見方を知ろう

エコー写真は見方を知っているだけでも、成長が理解しやすく、時期によっての楽しみ方も変わります。

妊娠初期ではまだ赤ちゃんも小さいので、頭から足まで見ることができ、心臓が大きく見えたりもします。妊娠中期になると赤ちゃんの身長も大きくなり、画面には全身が映りきらなくなるため、成長を実感できます。

さらに妊娠36週頃の出産間近になれば、リアルな赤ちゃんの表情も見られるので、より楽しみが増すでしょう。