出産準備

産休・育休制度のメリット4選|産休・育休制度の注意点についても解説!

産休制度とは

産休制度とは、出産予定日の前後にまとまった休みを取得できる制度です。この「産休」は雇用形態に関わらず取得できる休みで、出産の翌日からの労働は労働基準法で禁止されています。

ただし、出産前の休暇取得については企業によって申請方法などが異なるため、事前のチェックが大切です。

また、出産は予定日より早まるケースも考えられるため、妊娠が分かった時点で職場の上司に相談しておくと良いでしょう。

産休を取得できる期間

産休の取得期間は、出産日の6週間前から出産後8週間までが基本となります。

出産日の翌日から労働することは禁止されていますが、医師が認めた場合は、出産後6週間目からであれば就業することも可能です。

また、双子を出産予定の方は、出産日の14週間前から産休制度を利用することができます。

ただし、出産前の休暇取得に関しては本人の希望によります。産前休暇の取得を希望する場合は、早めに申請するようにしましょう。

産休取得の条件

産休制度は、どんな雇用形態の方でも利用が可能です。

産休制度の取得は正社員のみの制度と勘違いされているケースが多いのですが、実際は、アルバイトや派遣社員などの有期労働者でも産休制度を利用できます。

ただし、産休中の給与については企業や雇用タイプによって異なる場合がありますので、しっかりと確認しておきましょう。

育休制度とは

育休制度とは、子どもが1歳になるまで養育を目的として休暇の取得ができる制度です。

この育休制度は、男女問わず利用できる制度ですが、育児休暇を取得するためには会社に申請が必要です。また、保育園が見つからないなど、特定の理由がある場合は、育休の期間延長も可能です。

なお、産休の取得後に続けて育休を申請する場合は、産前休暇を取得する前に会社へ別途申請をする必要があります。

産休制度と育休制度の違い

産休制度と育休制度は、それぞれ利用条件に違いがあります。

まず、産休の場合は、アルバイトから正社員まで雇用形態に関わらず取得する権利があります。

育休の場合は、同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている、子どもが1歳の誕生日を以降も雇用が見込まれるなどの条件を満たしていなければ取得できません。

さらに雇用が1年未満の場合や、1年以内に雇用関係が終了する場合は、取得する権利がないため注意が必要です。

産休と育休の最大取得期間

産休制度は出産日14週間前から出産後8週間まで、育休制度は産後休業から子どもが1歳6か月になるまでが最大取得期間となります。

しかし産休制度については、14週間前から産休を取れるのは双子以上を出産する予定がある方のみとなるため、該当しない場合は出産日の6週間前からとなります。

また、出産後に継続して育休制度を利用するかは、産前休暇を取得する1か月前に申請することが定められています。

産休・育休制度のメリット4選

産休・育休制度を利用することで、休暇中の社会保険料の免除や、出産手当金取得などのメリットが得られます。

出産をすることは身体的にも大きな負担がありますが、それと同時に経済面についても考慮する必要があります。

そのため、出産に関する悩みや不安を解消するためにも、手当や一時金を支給することで経済的な支援が行われています。

以下で産休・育休制度のメリットについて詳しくご紹介します。

産休・育休制度のメリット1:社会保険料の免除

産休・育休制度のメリット1つ目は、制度取得期間中は社会保険料が免除される点です。

社会保険料の免除を受ける際は、事業主から日本年金機構と健康保険組合への申請が必要です。手続きは事業主が行いますが、自動的に免除されるわけではないので注意が必要です。

またこの場合の社会保険料は、事業側および被保険者(本人)負担分の両方が免除となります。

手続き方法

社会保険料免除を受けるためには、事業主を通して健康保険組合と日本年金機構へ申請書を提出する必要があります。

申請書は日本年金機構のホームページからも取得可能で、産前産後の期間中に郵送か電子申請、窓口申請のいずれかで提出します。

社会保険料が免除となる期間は、産休産後の開始月から終了前月までとなります。終了日が月末の場合は、終了月までとなります。

産休・育休制度のメリット2:出産手当金の支給

産休・育休制度のメリット2つ目は、健康保険から出産手当金の支給があるという点です。出産手当金は、出産日の42日前から出産後56日までの間、欠勤1日につき賃金の3分の2相当額が支給されます。

出産手当金の支給は健康保険の被保険者のみが対象です。また、会社を退職した場合でも、一定の条件を満たせば出産手当金の支給を受けることが可能なので、心当たりのある方は確認してみて下さい。

手続き方法

出産手当金の支給を受ける場合は、勤務先や健康保険組合から申請書を取得し、病院や事業主が必要事項を記入した上で事業主から提出してもらいましょう。申請書は健康保険組合のホームページからもダウンロードできます。

なお、出産手当金は医師による証明が必要となるため、出産後の申請となります。

申請書を提出後、出産手当金の受取は申請後の1か月から2か月が目安です。ただし、事業主から給与が支給されている場合は、重複して受け取ることができない点に注意しましょう。

産休・育休制度のメリット3:出産育児一時金の支給

産休・育児制度のメリット3つ目は、出産育児一時金の支給です。出産育児一時金とは、出産には保険が適用されないため、出産にかかった費用を補填してくれる制度です。

1児につき42万円が支給されますが、産科医療補償制度対象出産でない場合は39万円となります。妊娠22週以上であることが支給条件となり、一時金の受取は代理も可能です。

手続き方法

出産育児一時金を直接支払制度で利用する場合は、病院から提示される「直接支払制度同意書」への記入が必要になります。直接支払制度とは、出産時にかかる費用の負担額分を協会けんぽが病院側に直接支払う制度です。

直接支払制度を利用すれば、病院側へ別途支払う必要がないのでとても便利です。申請書の他に健康保険証の提示などが必要になるので、手続き方法は出産を行う病院に相談するといいでしょう。

産休・育休制度のメリット4:育児休業給付金の支給

産休・育休制度のメリット4つ目は、育児休暇中に育児休業給付金が支給されるという点です。

育児休業給付金の給付は雇用保険に加入している事が条件です。給付額は、「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)」と言う計算方法で算出された金額です。

ただし、育児休業給付金の受取には条件があるため、誰でも支給されるわけではありません。自分が対象となるのか、最寄りのハローワークに問い合わせてみて下さい。

手続き方法

企業に勤務している方の大半は、事業主に依頼すれば手続きを行うことが可能です。

ご自身で申請する方は、「育児休業給付金支給申請書」と「育児休業給付受給資格確認票」をハローワークで入手する必要があります。

勤務先からも必要書類を用意してもらい、すべての書類が揃ったら企業の所在地があるハローワークへ書類を提出します。

産休・育休制度の注意点3選

産休・育休制度を利用するためには、事前に給付金をもらう条件や申請書の提出方法などを把握し、提出する時期にも注意する必要があります。

出産や育児には時間もお金もかかるため、さまざまな制度を有効かつ効率良く利用できるような段取りが大切です。

ただし、制度が利用できる条件を満たしていない場合は支給金がないケースもあるので、注意事項をしっかり把握しておくことが重要なポイントです。

産休・育休制度の注意点1:産休手当金は申請が必要

産休・育児制度を利用する場合は、産休に入る前に出産手当の申請を行うことが必要です。

先述のとおり、「出産手当」は、勤務先の会社から産休中に給与の支払いがない場合、健康保険組合が給与を補填してくれるものです。

まず、勤務先の担当者に申請書をもらうか、健康保険のホームページから申請書をダウンロードします。次に、必要事項をすべて記入したら勤務先に送付し、会社側から提出してもらうことで申請できます。

産休・育休制度の注意点2:支給対象に条件がある

産休・育休の取得中に支給される一時金には、条件がある場合があるので注意が必要です。

たとえば、出産育児一時金の支給条件は「妊娠22週以降の方」となります。また、育児休業給付金は、雇用保険に加入していないともらうことができません。

そのため、自営業や専業主婦の方にも資格はなく、妊娠中に会社を退職した場合も支給されないなど、いくつかの条件がありますので事前に把握しておきましょう。

産休・育休制度の注意点3:退職した場合

産休前や産休中に勤務先の会社を退職する場合、出産手当の支給条件を満たしているかどうか、再度確認しておくことが大切です。

たとえば、出産手当金の支給は「退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること」が条件となります。

また、出産育児一時金の場合は、「資格喪失日から起算して6か月以内の出産であること」が条件になっています。

産休・育休制度を理解し上手に活用しよう

妊娠が分かったら、産休・育児制度の条件や支給額を把握し、計画的なライフプランを立てることが重要です。

産休・育休中に利用できる制度にはさまざまな条件があります。産休や育休中に会社を退職しても、一定の条件を満たせば給付される事があるため、あらかじめ条件をチェックしておくことをおすすめします。

産休・育休制度を理解し、上手に活用しましょう。