妊娠症状

【専門家監修】着床痛と生理痛の違いは?着床痛や妊娠に関する豆知識9つ

着床痛とはどんな痛みなのか?

着床痛とは受精した卵が子宮内膜に着床した時に起こるものと言われています。

着床が起こることで妊娠が成立するので、妊娠を希望されている方は着床痛とはどのようなものなのか、いつから起こるものか気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では着床痛とはどんなもので、どの時期に起こるのか紹介します。妊娠を希望されている方はぜひ読んでみてください。

着床痛と妊娠の関係

妊娠とは精子と卵子が出会ってできた受精卵が、子宮内膜にもぐりこむ「着床」を経ることによって成立します。

その「着床」の際に下腹部に痛みを感じることがあり、それを着床痛と言います。ただ、着床痛は医学的には証明されておらず、痛みの有無や痛む場所については個人差があるといわれていますが、妊娠前のサインとして着床痛と妊娠は密接な関係にあると言えるでしょう。

着床痛や妊娠に関する豆知識9つ

では、妊娠を希望されている方が気になる妊娠の仕組みや着床痛がどのように起こるのか詳しく紹介していきます。

項目ごとに分けていますので、ぜひ知識として下記の9つの項目を読んでください。

着床痛や妊娠に関する豆知識1:妊娠可能な時期について

卵子は排卵してから約24時間で寿命を迎えます。それに対し、精子は約2〜3日間生き続けることが可能です。そのため、排卵予定日、またその1〜2日前と翌日に性交をすることで妊娠の確率は上がります。

女性の排卵日は月に1回だけです。排卵日を過ぎてからの性交では卵子と精子が巡り合うことが出来ないので妊娠しません。

着床痛や妊娠に関する豆知識2:受精卵とは何か

生理周期が28日周期の人は約14日間低温期が続きます。低温期14日目頃にさらに体温がガクンと下がり、当日または翌日中に排卵されます。ただし、排卵前に体温が下がらない人もおり個人差があります。

排卵日に2つある卵巣のうち、片方から卵子が排出されます。排出された卵子は卵管采という部分がキャッチし、その後卵管膨大部で精子が卵管を通りたどり着くのを待ちます。

たどり着いた後精子が卵子の中に入りこみ受精が完了し、受精卵になります。受精卵は、卵管の中で何度も細胞分裂を繰り返し胚盤胞というものになります。

着床痛や妊娠に関する豆知識3:着床とは?

排卵日が過ぎ、基礎体温が上昇することを高温期と呼びます。高温期になると子宮内膜は厚く柔らかい状態になり、受精卵が着床しやすい状態に変化します。

この高温期に、胚盤胞に変化した受精卵が子宮内部に移動し、透明帯という膜を破って子宮内膜にもぐりこみ、しっかりと根をはることを着床と呼びます。こうしたいくつものプロセスを経てやっと、妊娠が成立するのです。

着床痛や妊娠に関する豆知識4:排卵日から着床までの日数の目安

排卵日から着床するまでにたくさんのプロセスがあり、どれか1つでも欠けると着床はできません。それでは、排卵から何日目に着床するのでしょうか。

受精した卵は4〜5日かけて細胞分裂を繰り返しながら卵管を移動し、子宮に入り着床するまで子宮内でフワフワと過ごす時間があります。

受精するタイミングにもよりますが排卵日から約7〜10日目が着床日の目安となります。

着床痛や妊娠に関する豆知識5:受精から着床までの日数の目安

受精から4日ほどかけて子宮に移動し、更に着床するために数日かかるので受精から約1週間後が着床の目安となります。

体外受精や顕微受精を用いて受精させる場合は3〜5日ほど培養します。培養3日目に初期胚を移植する初期胚移植と、培養5〜6日目に胚盤胞に成長した胚を移植する胚盤胞移植があります。初期胚は2〜3日後、胚盤胞は1〜2日以内と言われています。

着床痛や妊娠に関する豆知識6:着床時に痛みはあるのか?

受精から着床までのプロセスを解説しましたが、着床痛に痛みはあるのでしょうか。どんな痛みがあるのか、どこが痛くなるのか、生理痛との違いに分けて詳しく解説しますので、参考にしてください。

着床痛はどこが痛くなるのか?

着床痛を感じる場所は下腹部あたりといわれていますが、具体的にはおへその下やおへその横、お腹全体に痛みを感じたという人が多いです。

他には腰回りなどの腰痛も挙げられています。どこが痛くなるのかは、個人差があるようです。

着床痛の感じ方は?

一般的に、着床痛は激痛ではなく、少しチクチクしたりズキズキと鈍痛のように感じることがほとんどといわれています。

また、全く痛みを感じないケースもあり、個人差が大きいので痛みを感じなくても異常があるという訳ではないので心配はいりません。

痛みの期間も一瞬だけの方もいれば、数日続く方もいるため様々です。また、ホルモンバランスの変化でイライラしたり憂鬱になったりする方もいるようです。

着床痛と生理痛の違い

着床痛と生理痛は似ていると言われているため、感じた痛みが着床痛なのか生理痛なのかわかりにくいという方も多くいます。

着床痛は着床時痛みを伴うので、生理予定日から約1週間前に痛みを感じ、生理痛は生理が始まってから数日間痛みが続きます。若干の期間の違いがあるものの生理前から痛みを感じる人もいるため、明確な違いがあるとは言えません。

痛みが収まらない場合や動けないほどの激痛を伴う場合は、なんらかの病気の可能性があるので早めに医師に相談しましょう。

着床痛や妊娠に関する豆知識7:着床時に出血はあるのか?

着床痛の他に、着床時に出血したという方もいます。着床時に出血する割合は少ないですが、着床時に子宮内膜に傷ができてそこから出血するといった方もいます。

着床出血の場合は1〜2日、長くても4日ほどで出血が止まります。出血量も生理ほど多くありません。また、色もピンクがかっていたり、鮮血、茶色っぽいものだったりと様々です。

何日間も出血がだらだらと続くようなら、早めに病院に行くのがいいでしょう。

着床痛や妊娠に関する豆知識8:着床時の様々な症状

着床時から様々な症状が現れる方もいますが、これを妊娠超初期症状と呼びます。妊娠の可能性があるという方が確認すべき症状をいくつか挙げます。

例えば、胸の張りを感じる、1日中眠い、めまいやふらつき、便秘や下痢気味になる、腰が痛い、寒気を感じる、体温が上がり熱っぽいといった症状があります。

その他には、おりものの量が増える、頻尿になる、足の付け根や鼠径部が痛む、吐き気や胃痛を感じる方もいます。

このような症状がいくつか当てはまる方は妊娠している可能性があります。しかし、月経前症候群(PMS)に似ている部分もありますので注意してください。

着床痛や妊娠に関する豆知識9:妊娠検査はいつすればいいのか?

一般的に薬局で売られている妊娠検査薬は生理予定日から1週間後の使用を推奨しています。

早く妊娠しているかどうか知りたいがために早期検査をする方も多いようですが、生理予定日よりも早い段階で検査をしても、陽性反応が出ないことが多々あります。妊娠するとhCGというホルモンが排出されますが、着床してすぐだとホルモンが検査薬に反応せず陰性となるためです。

そのため、正確に妊娠判定をするには生理予定日から1週間後がベストです。

不妊治療をしている方や体外受精で胚移植をした方は、治療に使われる薬で検査薬が反応することがあるので気をつけましょう。

着床痛を感じたら確認したいポイント3つ

着床痛を感じた場合に、気になるのが妊娠しているかどうかだと思います。

妊娠の可能性の検査の法、医療機関を受診するタイミングや症状について紹介しますので、妊娠の可能性を感じた場合は確認してみてください。

着床痛を感じたら確認したいポイント1:妊娠の可能性があるか調べる

いくつか妊娠超初期症状がある、高温期が続く、生理が1週間以上遅れているなどの場合、妊娠検査薬で妊娠可能性の有無を調べられます。今の検査薬はとても性能が高いので、陽性判定が出たのに妊娠していなかったという可能性は少ないです。

ただし、中には検査薬は陰性だったものの生理が来ず、高温期が続いた方で双子妊娠だったというパターンもあるようです。

もし生理予定日を超えて検査しても妊娠していなかった場合は、生理不順や排卵していな可能性もあるので医師に相談するのがいいでしょう。

また、検査薬が妊娠反応のhCGの規定量を超えてしまい反応できないということもあるようなので、生理予定日を過ぎても高温期が続く場合は病院で検査をしてください。

早期妊娠検査薬とは?

妊娠を希望している方であれば、着床痛のようなものを感じたら少しでも早く妊娠しているかどうか知りたいでしょう。しかし、一般的に売られている検査薬は生理予定日から1週間以上経ってからの使用を推奨しています。

そこで、早く知りたいという方のために早期妊娠検査薬というものがあります。この早期妊娠検査薬は最短で生理予定日前日から検査することが可能です。

一般的な検査薬より感度がいいので早期から検査することが可能です。しかし、早期妊娠検査薬は比較的手に入りづらいため、インターネットなどを使って購入するといいでしょう。

着床痛を感じたら確認したいポイント2:医療機関を受診するべき時期

生理予定日から1週間以上経ってから妊娠検査薬を使用し、陽性反応が出ればほぼ確実に妊娠しています。もし、フライングで検査、陽性反応が出て慌てて医療機関に駆け込んでも、胎児の心拍は確認できません。

心拍を確認するためには生理予定日から2週間以上経過していないといけないため、受診する時期には注意しましょう。

着床痛を感じたら確認したいポイント3:医療機関を受診するべき症状

生理予定日から2週間以上経った後、または検査薬の陽性判定後に出血や痛みが続く場合は流産や子宮外妊娠のリスクがあるので早めに医療機関を受診してください。

他にも筋肉痛のような痛みをお腹やおしり、腰に感じたり、お腹の張りを感じたりする方も多いようです。主に妊娠による身体の変化によるものですが、これが1日中ある場合は気をつけてください。

なお、鎮痛剤などは妊娠の可能性がある限りはできるだけ飲まないようにしましょう。

また、腹部の片側だけに痛みを感じる、または刺すような痛みが数時間続く場合は、子宮筋腫や卵巣嚢腫などの病気の可能性があるので、早めに医療機関を受診するようにしてください。このような病気を放置しておくと不妊症の原因になるので気をつけましょう。

着床痛や妊娠について知ろう

着床痛や妊娠について色々説明しましたが、妊娠は奇跡の連鎖です。

着床時に着床痛がなかったと言って一喜一憂する必要はありません。着床痛がある人の割合は少ないですし、着床痛は医学的に根拠のあるものではありません。

妊娠を希望されている方はまずは自分自身やパートナーの身体と向き合うことが大切です。また、妊娠しやすい身体づくりもぜひ行ってください。