妊娠症状

【専門家監修】子宮底長とは?測り方や妊娠週数別の目安についても解説

妊娠中後期に測り始める子宮底長とは?

子宮底長とは、母子保健法に基づいた、妊婦に対する健康診査として確認する基準項目です。恥骨の上から子宮の一番上の部分までを結んだ直線距離のことを言います。

子宮がきちんと大きくなっているか、胎児の大きさや羊水の量が増えているかなど確認するために、妊娠中後期(妊娠16週以降あたり)に測ります。

この記事では、子宮底長のことや測り方、妊娠週数別の目安についてなど解説していきます。妊娠している方は参考にしてみてください。

出典:第二 妊婦健康診査の内容等|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab4662&dataType=0&pageNo=1

妊娠週数別にみる子宮底長の目安

子宮底長は、妊娠6ヶ月(20週〜23週)では18〜20cm、妊娠7ヶ月(24週〜27週)は21〜24cm、妊娠8ヶ月(28週〜31週)は25〜28cm、妊娠9ヶ月(32週〜35週)は28〜32cmと長くなっていきます。

長さには個人差がありますが、大体1カ月で3~5cm程度長くなっていくと考えていいでしょう。臨月になる妊娠10ヶ月(36週〜39週)は、32〜34cmまで長くなります。

出典:妊娠~出産までの流れ|御嵩町福祉課保健センター
参照:https://www.town.mitake.lg.jp/wp-content/uploads/ninsinsyusan.pdf

メジャーを使った子宮底長の測り方

子宮底長を図る際は、まず、妊婦さんに仰向けに寝てもらい、脚を軽く延ばした姿勢でおなかを出してもらいます。そして、子宮底長はメジャーを使って、子宮の一番上から臍の下を通り、恥骨の上の部分まで、おなかの丸みに沿って測定します。

子宮底長が長い・短いときに考えられるリスク

次は、子宮底長が長い・短いときに考えられるリスクについて紹介します。子宮底長が長い場合と短い場合では、それぞれどのような問題が発生しそうなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

子宮底長は、個人差があるものですが、胎児の発育になにか問題が発生しているケースや母体の状態が悪いことがあります。

  • 子宮底長が短い場合
  • 子宮底長が長い場合

子宮底長が短い場合

妊娠週数から考えて子宮底長が短い場合は、羊水が少ないために子宮が大きくなっていないことや、胎児の順調に育っていないリスクが考えられます。

子宮底長が短くなる原因は一概には言えませんが、たとえば、妊娠初期のつわりが酷く、十分に食事がとれず栄養を摂取できなかった女性の場合、胎児に栄養が行き届かず、発育に影響してしまうことがあります。

このような場合は、胎児が育ちにくく、おなかの丸みが出てくるのも平均よりも遅めになるでしょう。

子宮底長が長い場合

子宮底長が長い場合は、羊水過多や胎児が成長しすぎてしまい巨大児という問題が考えられます。羊水過多の場合は、胎児奇形や母体糖尿病の可能性が考えられます。巨大児の場合は、難産になりやすいことや胎児に合併症が起きる危険性が出てきます。

そのほか、子宮筋腫があった場合、妊娠と共に筋腫が成長してしまうため、その分子宮も大きくなることがあります。また、双子など多胎妊娠があるときも基準値をオーバーするでしょう。

子宮底長について知っておきたいポイント3つ

子宮底長を測定すると、なにがわかるのか、リスクなど理解できたところで、子宮底長について知っておきたいポイントを紹介します。妊娠における子宮底長の測定についてしっかり把握しておきましょう。

  • 子宮底長はひとつの目安である
  • 子宮底長を測らない病院も増えている
  • 臨月だから突然長くなるということはない

1:子宮底長はひとつの目安である

子宮底長は、長さによって胎児の成長の様子や羊水量がわかり、リスクの発見にもつながりますが、おおよその基準として考えるものです。個人差も大きく、もともとの体格に応じて差が出てくる傾向も強いでしょう。

子宮底長が短い場合、長い場合も、「妊娠〇ヶ月の子宮底長は〇cm」という表記に惑わされず、診察してくれている医師の言葉を信用しましょう。

2:子宮底長を測らない病院も増えている

子宮底長の検診は、超音波(エコー)検査が一般的ではない頃に、妊娠の経過を見るために行われていた方法です。

現在は、超音波検査が主流なため、胎児の発育や羊水量などを正確に知ることが可能なため、子宮底長を測らない病院も増えています。

3:臨月だから突然長くなるということはない

臨月に入ると、子宮底長は急に長くなるのかと気になる方もいるでしょう。「妊娠週数別にみる子宮底長の目安」という項目でもお伝えしましたが、子宮底長は妊娠週数によって徐々に長くなっていくものです。

突然長くなるようなことはありません。臨月の子宮底長は大体32~34㎝と言われています。逆に臨月になると、徐々に出産が迫ってきて胎児が下に降りていくため、子宮底長が短くなる傾向もあります。

子宮底長はあくまで目安として捉えておこう

子宮底長とはなにか、測り方や妊娠週数別の目安についても解説しましたが、いかがでしたでしょうか。子宮底長はあくまで目安であり、胎児の成長によって子宮底長の長さには個人差もあります。

骨盤が広い女性は子宮底長が長くなりにくいケースもあります。子宮筋腫がある場合や肥満傾向の女性は、基準値をオーバーしてくることもあります。

平均よりも長かった、短かったからといって、エコー検査など併用して医師から問題がないと言われていれば、深刻に考える必要はないでしょう。