出産準備

出産後は安静にしないといけない?出産後の過ごし方4つと安静中にできること6つ

出産後は安静にしないといけない?

出産にはとてもエネルギーを使い、ダメージもともないます。そして、産後の身体には体力の回復と身体の修復がとても大切です。出産後は極力安静にゆっくり過ごすことがよいと言われています。

この時期に無理をしてしまうと、出産のダメージがしっかりと回復できず、その後の生活に支障が出る可能性が高くなります。また、年を重ねた時に身体の不具合が生じる事にもなりかねません。赤ちゃんと自分の健康のために休息を大切にしましょう。

出産後安静にしないといけないのはいつまで?

産褥(さんじょく)期という言葉をご存じでしょうか?分娩後、母体が通常に回復するまでの期間のことです。通常、出産後から6〜8週間とされていますので、この期間は安静にできるように努めましょう。

この時期には個人差がありますが、子宮や骨盤の位置、傷口などが元の状態に戻るためのとても大切な時期です。出産前のように動けるまでは時間がかかります。身体がスムーズに回復するよう、しっかりと休みましょう。

【週数別】出産後の過ごし方4つ

出産前は、産後に必要な赤ちゃん用品や日用品、サポートサービスの手配などに忙しいでしょう。また、産後のダイエットやざっくりとした安静期間の情報は豊富ですが、具体的にどのように過ごせばいいのかは、書かれていないことも多いです。

週数別だと出産後のイメージもしやすいです。参考にしてみて下さい。

出産後の過ごし方1:産後1~2週

出産後、1週間は縫ったところや股、腰が痛いということもあるでしょう。体は出産のダメージを回復しようとしています。

まずは産後の体を癒すことが最優先です。この時期はとにかく横になる事を意識しましょう。授乳用に円座クッションが役立ちます。

2週間目も無理に動くと体力の回復が遅れてしまう可能性があります。その後の育児や体調に支障がでかねません。動けるようになるまで、しっかりと休息し体力を回復しましょう。

出産後の過ごし方2:産後3~4週

出産後、どのくらいの期間安静にする必要があるのか気になりますよね。3週間目には様子をみつつ軽く動いてみましょう。痛みや体調の変化を感じたらすぐに横になりましょう。

出産により変化した子宮や骨盤は、元に戻ろうとしている最中です。骨盤ベルトを巻くことでサポートも出来ます。悪露は徐々に黄色から白色になります。

4週目には徐々に日常生活に慣らして行く時期です。1か月検診を待ち、医師と相談して少しずつ元の生活に慣らしましょう。

出産後の過ごし方3:産後5~6週

5週間目、母体はほぼ回復してくるといわれている時期です。体の回復が順調であれば体調と相談しつつ体を動かすことを意識して行きましょう。

赤ちゃんとの生活に慣れていれば、風のない天気の良い日は赤ちゃんと一緒に外気浴をするのも良いでしょう。

6週間目には軽い運動やエクササイズも可能です。赤ちゃんが、沐浴から大人と同じ湯船に入れるのもこの時期です。悪露が終わっていれば、赤ちゃんと入浴も出来ます。

出産後の過ごし方4:産後7~8週

7〜8週間目には順調であれば軽いスポーツもできます。長く安静にしていたので、体を動かしたい気持ちもあるでしょう。

見た目は妊娠前のように見えても、体はまだまだ頑張っています。スポーツは軽めから始め、様子をみながらしていきましょう。

また、ワーキングママは仕事復帰の時期です。会社への書類や通院準備、必要なものは一覧化すると便利です。家事や掃除のルーティン化や、お掃除ロボットの導入も良いでしょう。

出産後気をつけたほうがよいポイント4つ

出産後に気をつけた方が良いことは体調面だけではありません。出産によるホルモンバランスの変化により気持ちも不安定になりやすいです。

出産前に気を付けておいた方が良いことを把握し、どのように対応したら良いのか事前に話し合っておくと、産後クライシス対策にもなります。心も体も健やかでいられるようにそなえましょう。

出産後気をつけたほうがよいポイント1:訪問客の対応をしすぎない

赤ちゃん誕生は嬉しいこと。産後、直接顔を見てお祝いしたいという方も少なくないでしょう。友達付き合いも大切ですが、来客には気を使うことも多いですね。

気を使う相手や、挨拶程度で済まないような相手には、負担のかからない時期に訪問を伸ばしてもらいましょう。宅配サービスの受け取りなども、パートナーやサポートの方がいる時に時間を合わせ、受け取りが短時間で済むように手配するといいでしょう。

出産後気をつけたほうがよいポイント2:自分ですべて抱え込まない

出産直後は体のダメージや赤ちゃんとの新しい生活、慣れないことに対してのイライラや疲れ、戸惑いも多いでしょう。誰かの力を借りたり、サポートを受けたりすることは、決してわがままや贅沢ではありません。

里帰りできない方もいるでしょう。家事代行や産褥サポートなど、民間や行政、地域が行っているものもあります。アウトソーシングも検討しましょう。赤ちゃんの悩みは、友達やサポートダイヤルに相談しても良いです。

出産後気をつけたほうがよいポイント3:無理な外出をしない

出産後、身体が癒えていない状態では、立ち上がったり座ったりも負担がかかります。無理な外出や長時間の外出は極力控えましょう。

ここで無理な外出をしてしまうと、尿漏れの原因になったり、子宮の位置が下がったままになったりします。これは下腹がぽっこり出る原因にもなります。骨盤が元に戻るまで、できる限り安静にしましょう。

出産後気をつけたほうがよいポイント4:帝王切開したときは安静にする期間が変わる

普通分娩であれば、産後3週間目あたりから軽く動くことも可能ですが、帝王切開の場合普通分娩より安静期間が伸びます。徐々に動けるようになるまでは1か月程度かかります。

帝王切開後に無理して動くと、傷口に雑菌が入り化膿することもあります。回復に時間がかかると、傷口が目立ってしまうことになりかねません。

普通分娩のケースよりも安静にし、痛みがある時は無理をしないようにしましょう。

出産後の安静中にできること6つ

出産後、極力安静が良いのですが、横になってばかりで暇なのではと心配する方もいるでしょう。安静中にできることは意外とあります。

自分の体のためや家族のため、お祝いをしてくれた方々のために、できることがたくさんあります。安静中の時間も充実した時間にしましょう。

出産後の安静中にできること1:出産報告をする

出産直後の入院中はゆっくりと出産報告の時間を取れるチャンスです。両親や祖父母、夫の親族、職場や友人など、大切な人には電話しましょう。

入院期間を活用して退院までにある程度報告しておきましょう。事前にスマホにメモしておくといいでしょう。

ラインを使えば寝たまま、ベッドに横になりながらでも連絡できます。近しい人への連絡手段におすすめです。疎遠な人には、落ち着いてからはがきで知らせてもいいでしょう。

出産後の安静中にできること2:出産祝いのお返し準備

お祝いのプレゼントを頂いたらお返しをしましょう。お祝いを頂いてから1か月以内にお返しするのが良いとされています。

ご自身がもらって嬉しかったものや、相手がもらって嬉しいものも想像しながら選びましょう。お祝い返しに使う金額は頂いたものの3分の1から半額程度に留めましょう。高価なものをお返しすると失礼になる場合もあります。

定型文ではなく、相手のことを思ったメッセージを添えると、気持ちがより伝わります。

出産後の安静中にできること3:食生活を整える

出産では多くの血液を失い、体力も消耗しています。体力回復のために、必要な栄養をしっかりとりましょう。

主に大切になるのは、葉酸、鉄分、ビタミンC、たんぱく質、カルシウムの5種類です。それぞれに必要な働きがありますのでバランス良くとりましょう。

また、母乳で授乳をされる方は妊娠中と同様にアルコールやカフェインは控えましょう。

出産後の安静中にできること4:赤ちゃんの成長を記録する

生まれたての赤ちゃんは毎日どんどん成長していきます。横になることの多い産褥期ですが、スマホがあれば記録を残すことも簡単です。 横になり、暇な時間がある時は赤ちゃんの成長記録をつけてみましょう。

陣痛から出産までの流れなど、後になると忘れてしまうこともあります。赤ちゃんが大きくなって聞かれた時や、思い出に残しておくと良いでしょう。

日付や文章と一緒に写真もあると、より良い思い出になります。

出産後の安静中にできること5:睡眠時間を確保する

新生児は胃袋も小さく、吸う力も弱いです。そのため、少しずつしかミルクを飲めません。ミルクを飲んで眠ってくれても、お腹が空くと1〜2時間で目が覚めることもあります。

出産後のお母さんはできる限り安静にし、睡眠をとって体力を回復することが大切です。赤ちゃんが寝ている時は短い時間でも一緒に眠りましょう。

母乳でなくてもミルクなら他の人に代わってもらえます。無理せず安静に睡眠時間を確保しましょう。

出産後の安静中にできること6:子育てのプランを立てる

出産後、育児をしながら共働きする家庭もあるでしょう。仕事との両立や、次の妊娠を考える場合は子育てのプランを立てておくと良いでしょう。

安心して子育てができるよう、政府による支援制度などもあります。地域によっての援助やサポートもありますので、どのようなものがあるか事前に調べておくと良いでしょう。

出産後に次の妊娠を考えるタイミング

出産後、生活リズムが整ってきたら次の妊娠について考える方もいるでしょう。体の調子が整ってくると生理が再開し、これは次の妊娠準備が始まっているということです。

身体の調子や排卵しているかどうかは個人差もありますが、生理の再開後も基礎体温測定をしておくと良いでしょう。

生理が再開するのはいつ?

早い人なら2か月から3か月後、母乳ならさらに時間がかかり、3か月から4か月程度かかります。

授乳婦の半数以上の方が、産後8か月までに生理が再開しています。生理はホルモンバランスと関係があり、完全母乳を卒乳まで続けることで、再開までに1年以上かかるケースもあります。授乳の量や回数、体質によって個人差もあるので目安としましょう。

不安なら早めに医師へ相談し、検査しましょう。

生理が再開しなくても妊娠する?

出産後、再び妊娠するのはいつからか気になる方もいるでしょう。産後の生理は卵巣の機能が回復しておらず、排卵していないことが多いです。しかし、排卵機能の回復にはかなり個人差があり、出産後初めての生理が来ないうちに排卵している場合もあります。

排卵をしていた場合、避妊をしない性交渉があれば妊娠している可能性もあります。出産後は睡眠が不規則で基礎体温は安定しませんが、記録して、望まないときは避妊をしましょう。

出産後は妊娠しやすい?

1か月検診で性交渉の許可が出る事は多いです。しかし、産褥期はホルモンバランスが安定していないので排卵も起こりにくく、妊娠しやすいとは言えません。

また、生理が再開していないから妊娠しないと思われがちですが、再開前の排卵はありえます。排卵の時期には個人差があり、産後は基礎体温のデータも取りにくい状況です。

出産後に妊娠をしやすいというよりは、まだ排卵がないと思いこみ、妊娠する可能性があるということです。

出産後は無理せず体を休めよう

出産にはとても体力とエネルギーを使います。お母さんの体はとても疲れているので、しっかりと体を休められるかどうかで、身体の回復のスピードも変わってきます。

しっかり回復できるかは、その後の赤ちゃんとの生活や、お母さんの体調に大きく影響します。家事などを代わってもらえる事はあっても、お母さんの代わりはいません。出産後は自分や家族、赤ちゃんのためにも、無理せず体を休めましょう。