子育て

【専門家監修】6~7ヶ月検診で行う15の内容|適した服装や必要な持ち物も紹介

乳幼児検診の目的

乳幼児検診の目的は、子どもが身体的・精神的・社会的に適した成長発達を助けることにあります。

主に先天的に病気がないか、栄養は摂れているか、運動機能は正常であるか、予防接種の時期などを定期的に確認します。また、赤ちゃんに対し、気になっていることや不安に思っていることを相談できる機会でもあります。

「乳幼児検診」や「乳児検診」と呼ばれるのが一般的ですが、正式には「乳幼児健康診査」と言います。

必ず行う乳幼児検診3つ

乳幼児検診は、3~4ヶ月検診、1歳6ヵ月検診、3歳児検診と計3回あり、これらは定期健診なので必ず病院へ行きましょう。赤ちゃんの、身体や精神ともに大きく発達する時期にあたります。

検診では、内科・歯科医師の診察、栄養士、保健師、歯科衛生士などの個別相談もあります。
この乳幼児検診で、赤ちゃんの異変や病気を早期に発見し、治療につなげていきます。

集団の検診では、ほかのお母さんや赤ちゃんと関わる機会にもなります。

必ず行う乳幼児検診1:3~4ヶ月検診

3~4ヶ月検診で行う内容は、主に問診、身体測定、診察、育児相談です。

問診では、授乳やミルクの頻度やおむつの交換頻度、また家庭での赤ちゃんの様子などを聞かれます。首の座り具合や、股関節に異常がないかを確認するのが1ヶ月検診と大きく違うところです。診察では、先天性の病気の有無、肌の状態などを確認します。

また、神経の発達を診るために「あやすと笑うか」、「音の方に反応を示すか」などをチェックします。

必ず行う乳幼児検診2:1歳6ヶ月検診

母子保健法により市町村は1歳6ヶ月検診を行う義務があるため、この検診はほとんどの場所で無料で行われています。この時期になると、赤ちゃんの大半は歩きはじめます。

これまでは、身体の成長や、栄養状態を重要視してきましたが、1歳6ヶ月検診では心の発達を診ていきます。ですので、言葉の発達や運動、対人関係、生活習慣を中心に確認していきます。言葉を話し始める時期は、それぞれです。

また簡単な講習会もあるので、虫歯予防や栄養の指導を受けましょう。

必ず行う乳幼児検診3:3歳児検診

ほとんどの子が話したり歩いたりできるようになっている3歳では、成長の度合いを判断しやすくなっています。

目の検査と聴覚の検査は家で前もって行います。結果は検診会場で確認し、必要であれば再検査をします。特に「弱視」は目が完成する6歳までの治療が効果的ですので、早期の発見が大切です。

3歳児の次は小学校入学前まで検診がありません。行き忘れのないよう、必ず受けるようにしましょう。

自治体が任意で行う乳幼児検診5つ

基本的に赤ちゃんは、3歳になるまでに計8回の乳幼児検診を受けます。そのうちの5つが任意で行う乳幼児検診で、受けてない人もいるでしょう。必ず行う乳幼児検診との違いは、検診先です。

病気になったときでも安心して通うことができる、かかりつけで受診することをおすすめします。案内通知が届かないところもあり、その場合は約1ヶ月前の事前予約が必要です。

ここからは自治体が任意で行う乳幼児検診5つをご紹介します。

任意で行う乳幼児検診1:1ヶ月検診

退院後初めての1ヶ月検診では、生まれた時のデータと比べて身体の発育と発達を確認します。

また原始反射をチェックしたり、斜視・視覚のチェック、先天性の病気や股関節脱臼、黄疸などをチェックします。これらをチェックすることで、赤ちゃんの運動機能や障害がないかどうかなどが分かります。

また生まれたばかりの赤ちゃんは、ビタミンK2が不足していることが多いので、このタイミングでビタミンK2シロップを投与する病院が多いようです。

任意で行う乳幼児検診2:6~7ヶ月検診

6~7ヶ月検診では身体計測のほか、ハンカチテストや乳歯の確認を行います。問診では、離乳食の量や進み具合、生活リズム、呼びかけへの反応、人見知りをするかなどを聞かれます。
これまでに通院歴がある場合は伝えたりもします。

この時期は、身体の発達と心の発達を診ます。赤ちゃんは機嫌によってはその場でできないこともあるので、家での様子を話すのでも構いません。6~7ヶ月検診は集団で実施されるところが多いです。

任意で行う乳幼児検診3:9~10ヶ月検診

つかまり立ちやハイハイなど運動面での発達具合を確認します。ですが、この時期には成長に差がありますので、出来なくても問題はありません。離乳食の進行状況や、乳歯の生え具合を診ます。予防接種の進み具合の確認もあります。

「バイバイ」など簡単な真似ができるか、人見知りをするかどうかなどで精神面での発達が順調であるかどうかも診ていきます。

任意で行う乳幼児検診4:12ヶ月検診

12ヶ月検診では、つかまり立ちや伝い歩き、ひとり立ちなどの運動機能が発達しているか、簡単な言葉が言えるか、または理解をしているかをポイントに確認していきます。おもちゃに関心を持っているかなどの確認があります。

任意と言うこともあって、12ヶ月検診は率が低いようですが、定期健診のような集団検診とは違い、個別に診てもらえるので、気になることの質問や相談もしやすいです。1歳の記録を残した記念にもなるので受診をおすすめします。

任意で行う乳幼児検診5:2歳児検診

身体に異常がないかの確認に加え、一人歩きをしたり、指をさしたり、名前を呼ばれると振り向くかなど、言葉や音に対する反応をチェックします。

この頃になると、赤ちゃん自身に食べたいものも増え虫歯も多くなります。2歳1か月児~2歳6か月児を対象に歯科検診を行っている自治体もあるようです。

6~7ヶ月検診で行う15の内容

この頃には赤ちゃんは出来ることも増えます。行動範囲も増え、楽しくなる一方で言葉では伝えられないため、身体を使って表現するので、「魔の6・7ヶ月」とも呼ばれます。

ここからは、6~7ヶ月検診での15の内容をご紹介します。

6~7ヶ月検診の内容1:問診

問診は、母子手帳や記入した問診票をもとに行います。

6~7ヶ月検診の項目には「寝返りをするか」「お座りをするか」「おもちゃに手を伸ばして掴むか」「話しかけるような声を出すか」「テレビなどの音にすぐ反応するか」「離乳食は進んで食べているか」などと聞かれることがいくつかあります。

また、育児をするうえで心配なことや普段の様子や気がかりなことを質問したりもします。

6~7ヶ月検診の内容2:身体計測

毎回実施している基本的な身体計測を行います。身長・体重・頭囲・周囲を測定し、発達曲線に沿っているかを確認しながら、成長具合をみていきます。

また、1歳6ヶ月までの栄養状態を簡単に表にした「カウプ指数」を見ます。しかし、この指数での瘦せている・普通・太りすぎの判断は数値上でのことです。赤ちゃんによって様々ですので、加味して考えます。

6~7ヶ月検診の内容3:内科検診

子どもと大人では同じ病気になった場合でも症状が違います。小児科の先生は、赤ちゃんに関する専門的な知識や経験を積んでいますので、何か異常があった場合や、先天的な疾患などの早期発見にもつながります。

また、子ども一人ひとりに合わせて全身の診察をしてくれます。

6~7ヶ月検診の内容4:寝返りの確認

寝返りの確認を確認します。方法は、赤ちゃんを仰向けに寝かせます。そしてお尻を、片側から持ち上げて腰をひねります。これに合わせながら赤ちゃんが上体をひねることができるかをみています。

この時、赤ちゃんがいつもと違う場所に違和感を感じて、寝返りをしてくれないということも多いです。それでもいつも家でできているのであれば、先生に伝えましょう。

6~7ヶ月検診の内容5:お座りの確認

おすわりの確認をする目的は体の発達具合を診るためです。確認の方法は、赤ちゃんを座らせて少し手を離します。このときに、おすわりの姿勢がとれるかどうかで判断します。

6ヶ月検診の頃に両手を前について支えながら背中を丸めておすわりができ、7ヶ月検診の頃には背を伸ばしてひとりで座ることができるようになることが多いようです。

また、完璧におすわりできないといけないわけではなく、おすわりの時間は一瞬だけでも大丈夫です。

6~7ヶ月検診の内容6:追視の確認

生後間もない赤ちゃんの視力は0.01ほどですが、生後4~6か月頃になると赤ちゃんは物に手を伸ばしたり、触ったりといった行動ができるようになります。

6ヶ月頃には正常な視力を持つ子もでてくるので6~7ヶ月検診で追視の確認をします。また、目で物の方向や、距離感がつかめるようになっているかも診ます。普段の生活で乱視などの症状が出ている場合もありますので、事前に見ておきましょう。

6~7ヶ月検診の内容7:反射の確認

運動機能の発達や反射を確認します。自動歩行反射や、生後2か月から4か月頃まで正常児に出現する緊張性頸反射、手掌把握反射などは大脳の発達に伴い消失します。6~7ヶ月検診で確認してもらいましょう。

生後5ヶ月を過ぎてもモロー反射が見られる場合には、原因を突きとめるためにも医師に相談してみましょう。

6~7ヶ月検診の内容8:ハンカチテスト

赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態で、顔にタオルやハンカチなどの光を通さない布をかぶせ、手で払いのけることができるかどうかを診ます。これを「ハンカチテスト」と言い、視覚と手の協調運動が正常に働いているかを確認します。

もしできなくても、泣く・嫌がるなどの反応があれば大丈夫です。このテストは家庭でも練習できます。合格できない場合は要観察になります。

6~7ヶ月検診の内容9:おもちゃへの関心の確認

6~7ヶ月検診ではおもちゃを見せたときに、興味を持って近づいてきたり、手を伸ばして遊びたがるかを確認します。おもちゃへの関心で精神面の発達を診ていきます。

家庭では、おもちゃを使って赤ちゃんの関心を広げてあげることも大切です。

6~7ヶ月検診の内容10:人見知りの程度の確認

人見知りは赤ちゃんの心が発達している証拠です。「知っている人」と「知らない人」を分けて他人を意識し始めるのが6ヵ月頃からであると言われています。そして8~9ヵ月頃が人見知りのピークだとも言われます。

ですが、研究によっては差が大きいとされていて、性格によっては人見知りを全くしない子もいるので6~7ヶ月検診でもそこまで心配する必要はありません。

6~7ヶ月検診の内容11:物をつかめるかの確認

おもちゃや積み木などで追視を確認したあとにつかませます。通常であれば、手を伸ばしてつかみます。このとき指全体でつかむか、親指の方でつかむかをします。

6~7ヶ月検診の際に異常がある場合は、物を目で追わない、つかもうとしない、つかみ方に左右で差がある、つかみ方がおかしいなどの反応が見られます。

6~7ヶ月検診の内容12:支えて立てるかの確認

支えて立てるかを確認します。このときに自分で体重を支えようとしないのは異常と判断されます。

赤ちゃんを立たせたときに、身体を倒そうとすると自分で倒れないように足を踏み出します。これをホッピング反応と言い、つかまり立ち、つたい歩きができるようになる頃にできるようになります。

個人差はありますが、7ヶ月検診で足をつかない、3ヶ月以上遅れていると見られた場合には要観察になります。

6~7ヶ月検診の内容13:乳歯の確認

6~7ヶ月になると歯が生え始めます。乳歯の虫歯は進行は早く、痛みも感じないのでお母さんが気付くのが遅くなることもあります。乳歯の虫歯を放置していると、今後生えてくる永久歯の質や歯並びにも影響が出ます。また、虫歯になりやすい体質にもなってしまいます。

そのため早期の発見が必要で、6~7ヶ月検診では虫歯にならないためのアドバイスももらえます。

6~7ヶ月検診の内容14:離乳食や授乳の確認

離乳食を開始する時期は、生後5~6ヶ月頃が適当であると言われています。

開始してからの1ヶ月は1日1回、1ヶ月を過ぎたら1日2回に増やします。生後7~8ヶ月頃からは舌でつぶせる固さのもの食べ始めるのが目安ですが、その進行状況と確認をします。

9ヶ月頃からの離乳食は1日3回にし、歯ぐきでつぶせる固さのものを食べ始め、食欲に合わせて増やしていくのですが、食べてくれないなどのお母さんの悩みも相談できます。

6~7ヶ月検診の内容15:育児相談

6~7ヶ月頃になると赤ちゃんにも色々な成長が見られます。育児をする中で相談したいことはたくさんあると思います。おすわりができない、体重増加に関すること、身長が伸びてない、人見知りをするなど、このほかどんな些細な事でも構いません。

質問したことは答えてくれますので、事前に聞くことをまとめておきましょう。

6~7ヶ月検診の基本情報5つ

6~7ヶ月検診は任意で行っていますので受けないという方もいますが、母子手帳のチェック項目にあてはまらない方や、聞くことがあるというときなどは、受けることをおすすめします。

では、任意というと何をするのでしょうか。どこで受けられるのか、日程はどうなのか、いつまでに行かないといけないのか、お金は自費かどうか、受けるタイミングも気になるところです。ここからは6~7ヶ月検診の基本情報5つをご紹介します。

6~7ヶ月検診の基本情報1:かかる費用

6~7ヶ月検診にかかる費用ですが、住んでいる市区町村や病院、同時に予防接種を受けるかどうかによって異なるようです。

必ず行う乳幼児検診の料金は、基本的には公費で受けられます。しかし、任意となると乳幼児健診自治体によって異なってきますが、有料の場合が多いです。金額は2,000円~5,000円ぐらいが目安です。自治体によっては無料で受けられるところもあります。

6~7ヶ月検診の基本情報2:受ける期間

6~7ヶ月検診を受ける期間ですが、住んでいる市区町村や病院によって異なります。

乳幼児検診では、その時期の成長度合いの確認が必要ですので期間内に受けることが好ましいです。必ず届いたお知らせ通知を見て対象時期に受けるようにしてください。

中には、期間を過ぎてしまうと受診できないところもあります。また、医療機関によっては予約が必要なところもあるので事前に確認しておきましょう。

6~7ヶ月検診の基本情報3:受ける場所

乳幼児検診を受ける場所で多いのは、住んでいる地域の保健センターや指定先の病院です。受付時間もありますので、受けられなかったということがないよう、お知らせ通知に記載されてあるかを確認しておきましょう。

青森市などでは、日時について直接医療機関に問い合わせするようになっていますので、電話番号をひかえておくことも必要です。

6~7ヶ月検診の基本情報4:適した服装

6~7ヶ月検診では身体測定の時に着脱しやすいように、普段着なれているものや、前開きのロンパースなどが適しています。飾りがひっかかることのないように、シンプルなものがおすすめです。

脱ぎ着しやすいことに重点を置いて選ぶと良いかもしれません。

6~7ヶ月検診の基本情報5:必要な持ち物

必要な持ち物は、母子健康手帳、保険証、記入した受診票・問診票、筆記用具です。普段の外出時と変わらないので、おむつの替えや、着替え、タオル、授乳時に必要なもの、ミルクなども準備しましょう。寒い日は、おくるみも持って行っておくと便利です。

また、長時間になってしまったり人が多かったりすると、赤ちゃんが機嫌を損ねてしまうこともあります。軽食やおもちゃ、絵本なども必要なものかもしれません。

何をするかを確認して6~7ヶ月検診に備えよう!

ここまで乳幼児健診の目的や、検診の内容について詳しく紹介しました。乳幼児健診には、必ず行かなければいけない定期健診と、任意で受ける検診と2通りがあります。

定期健診に行くことはもちろん、任意の検診でも赤ちゃんがどれくらい成長したのか、またなんらかの異常や先天性疾患の早期発見に繋がるため、なるべく受診した方が良いでしょう。

検診を実施している病院の場所や、検診の期間など十分に調べて、乳幼児健診に臨みましょう。