妊娠症状

【専門家監修】妊娠5週目で起こる身体の変化9つと気を付けること5つ

妊娠5週目の身体の変化は?

生理予定日から一週間以上たつと、多くの女性は生理が遅れていることに気が付きます。妊娠5週目とは、ちょうどその時です。「生理がこない」「なんだか体調がすぐれない」そのように感じ、もしかしたら妊娠しているのではと気が付く人も多いです。

今回は、妊娠5週目で具体的にどのような変化が起こるのか、また生活でどのようなことに気を付けるべきかについて紹介します。

妊娠5週目の時期は?

生理が来なくて病院に行くと「妊娠5週目です」と医師にいわれ、もうそんなに経っているのかと驚いた人も少なくないでしょう。

実は妊娠の周期は、一般の人には少しわかりづらい数え方になっています。「妊娠が成立した着床の日」ではなく「最後に生理が来た日」からカウントします。つまり、4月1日に生理が来たのであれば、その日が「妊娠0週0日目」となるのです。

そのように数えていくと、妊娠5週目は妊娠2か月目にあたります。

妊娠5週目で起こる身体の変化9つ

妊娠5週目はホルモンバランスが大きく変化し、さまざまな症状があらわれます。急な変化に体調を崩してしまう人もいるでしょう。

では、実際にどのような変化が起こるのでしょうか。胎児の様子や、それに伴う母体の変化を詳しく説明します。まだ検査はしていないけれど妊娠を疑っている人、妊娠を望んでいて初期症状を知りたい人もぜひ参考にしてみてください。

妊娠5週目で起こる身体の変化1:胎児の大きさ

妊娠5週目になると超音波検査で「胎嚢(たいのう)」が確認できるようになります。胎嚢とは、赤ちゃんが入っている袋のようなものです。ただ個人差があり、生理周期の乱れなども関係してくるので、5週目で確認できなくても焦らないでください。

胎嚢は1日に0.9mm~1mm、1週間で約1cm成長するといわれています。妊娠5週目では1cm前後の大きさになっているでしょう。

妊娠5週目で起こる身体の変化2:お腹の大きさ

妊娠5週目では、まだ母体に見た目の変化はありません。お腹の大きさも今までと変わらないでしょう。

ただ、ホルモンバランスの変化により食欲の低下、もしくは過食・偏食が起こり、結果的に体重の増減がある人もいるでしょう。

妊娠5週目で起こる身体の変化3:胎児の様子

お腹の中の胎児はまだとても小さいですが、ものすごいスピードで発達しています。この頃は器官が形成される時期で、目や耳、脳や臓器の原形が作られ始めます。

魚のような形をしていた胎児が、「ヒト」へと進化していく大事な時期なのです。

妊娠5週目で起こる身体の変化4:便秘しやすくなる

妊娠すると、今まで便秘になったことがない人もなる場合があります。それは「プロゲステロン」というホルモンが原因です。

このホルモンは妊娠すると栄養や水分を身体に蓄えようします。その結果、代謝が悪くなり便秘につながります。

いつもよりも多めに水分を摂取するよう心掛けるとよいでしょう。また、市販の便秘薬は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、便秘でつらい場合は医師に相談して漢方や飲み薬を処方してもらいましょう。

妊娠5週目で起こる身体の変化5:気分のムラが起こりやすくなる

妊娠初期は、ホルモンバランスの急激な変化によって、月経前症候群のような症状になる場合があります。イライラしたり、情緒不安定になったりと気分のムラが起こりやすくなります。

また、妊娠・出産への不安や、体調の変化に気持ちがついていかず不安に駆られることもあるでしょう。つわりなどが重なるとなおさらです。そのようなときはパートナーや周りの人に相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。

妊娠5週目で起こる身体の変化6:おりものの量の変化

エストロゲンというホルモンの影響で、妊娠するとおりものの量が増えるといわれています。妊娠初期は水っぽいゼリー状のおりものが増え、そのほかに色やにおいが変化する場合があります。

ただ、おりものの変化には個人差があり、妊娠前と何ら変わりないという人もいるので、あまり気にしすぎないようにしましょう。

妊娠5週目で起こる身体の変化7:疲れを感じやすくなる

先述した「プロゲステロン」というホルモンには、体温を上昇させる作用があるといわれています。そのため平熱よりも体温が上がり、疲れを感じやすくなるでしょう。

また、妊娠初期はつわりで吐き気がひどく、栄養や水分をきちんととれない場合があります。風邪をひいたときのような状態が続き、起き上がれないほど体力を奪われてしまうこともあります。

そのようなときは、無理せず休息をとるようにしましょう。赤ちゃんにとっても大事な時期です。「今は休むとき」と思い、自分の身体を最優先にしてください。

妊娠5週目で起こる身体の変化8:味やにおいに敏感になる

妊娠すると味や匂いに敏感になり、食べ物の嗜好が変化することがあります。今まで大好きだった食べ物の匂いがきつくて食べられなくなってしまったり、酸っぱい物や塩気のある物を好んだりと、変化はさまざまです。

食べ物に限らず、香水や体臭の匂いを不快に感じてしまうこともあります。

妊娠5週目で起こる身体の変化9:腰痛が起こりやすくなる

妊娠すると、ホルモンの影響で骨盤が緩むといわれています。その緩んだ骨盤を支えようと腰の筋肉が緊張し、腰痛が起こりやすくなります。妊娠初期の腰痛は、生理痛のときのような重たい鈍い痛みが特徴です。

このような腰痛がある場合には、お風呂などで腰を温めてみてください。血行がよくなり痛みも緩和されるでしょう。また骨盤ベルトで支えたり、ストレッチして筋肉をほぐすことも有効だといわれています。

妊娠5週目で気を付けること5つ

次に、妊娠5週目に気を付けることを5つ紹介します。妊娠中は、胎児に影響するため、食べてはいけないものがあります。逆に、妊娠初期に摂取すべき栄養素もあります。

初めての妊娠ですと、知らないことばかりでしょう。「しっかり調べておけばよかった」とあとで後悔しないためにも、ぜひ確認してみましょう。

妊娠5週目で気を付けること1:流産に気を付ける

妊娠初期は、流産しやすい時期でもあります。ただし、初期の流産は染色体異常などの受精卵の異常、つまり赤ちゃん側に原因がある場合がほとんどだといわれています。

いくら妊婦さんが気を付けていても、関係なく流産は起こってしまいます。もしそのような運命になったとしても、自分を責めないでください。

妊娠5週目で気を付けること2:避けるべき栄養価を知る

妊婦さんが避けるべき栄養価を知ることは大切です。

ビールや日本酒、ワインなどのアルコールは胎児の発達に影響を及ぼすといわれているため摂取しないようにしましょう。ただし料理で少量を使う分にはアルコールはとんでしまうので大丈夫です。

生魚や生ハム、ナチュラルチーズ、生卵などの生ものは食中毒やトキソプラズマに感染するリスクがあるため、なるべく避けた方がいいでしょう。

コーヒーや紅茶、緑茶にはカフェインが含まれています。カフェインにはリラックス効果があり、少量を摂取するには問題ないのですが、過剰摂取すると胎児に影響を及ぼすといわれています。

水銀を含むマグロ類、ヨウ素を含む海藻類、レチノールを含むレバーやうなぎ、これらも過剰摂取はよくないとされています。栄養価が高い食べ物ですが、摂りすぎには注意しましょう。

妊娠5週目で気をつけること3:身体の不調に気を付ける

妊娠5週目は体調の変化が著しい時期です。つわりが始まる人も少なくありません。つわりもさまざまで、嘔吐・食欲不振・過食・眠気・頭痛・唾液増加などがあります。1人目妊娠時につわりが全くなかった人が、2人目のときになることもあります。

なかには「つわりは病気じゃないから」などと周囲にいわれ、我慢してしまう妊婦さんもいます。ですが、赤ちゃんのためにも無理は禁物です。

体調不良が続き、日常生活に支障が出るようでしたら、無理せずかかりつけ医に相談しましょう。医師に母性健康管理指導事項連絡カードを書いてもらうことで勤務時間の変更や勤務の軽減等の必要性を勤務先に伝えることができます。

妊娠5週目で気を付けること4:出産する病院を決める

妊娠していることがわかったら、出産する病院を決めましょう。

決めるポイントはいくつかありますが、第一に家からの距離は重要です。陣痛が始まったり、破水したりしたときなど家から近いと安心でしょう。里帰り出産を検討している人も、実家から近いと両親にとっても、何かと便利です。

また無痛分娩や立ち合い出産、個室を希望している場合など、自分の条件に合っているかホームページや電話などで確認してみるとよいでしょう。

妊娠5週目で気を付けること5:バランスのよい食事を心がける

胎児は母体からしか栄養を摂れません。つわりなどで大変な時期ですが、できるだけバランスのよい食事を心がけましょう。

特に妊娠初期は「葉酸」を意識して摂取する必要があります。葉酸は赤ちゃんが成長するのに必要不可欠な栄養素です。食事からの摂取に加え、サプリメントなどで足りない分を補うとよいでしょう。

妊娠5週の身体の変化について知ろう!

今回は、妊娠5週目に起こる身体の変化と気を付けることについて紹介しました。妊娠5週目は妊娠が判明することが多く、身体も心も変化の大きい時期です。また、胎児にとっても「ヒト」になるべく成長する大切な時期です。

つわりも始まり、気分のすぐれない人もいるかもしれません。「今は自分の身体をいたわるとき」と思い、食事や体調に気を付けて無理せずゆっくりと過ごすようにしましょう。