妊娠症状

【専門家監修】妊娠初期の体調不良はどんな症状?|妊娠初期におすすめの過ごし方7選

妊娠初期の体調不良とは

妊娠すると、新しい命を育むために女性の体は大きく変化していきます。中でも妊娠初期にはそれが体調不良となって現れることがあります。症状には個人差があり、種類や重さは人それぞれです。

体調不良になると、体の辛さに加え、赤ちゃんは元気に育っているのだろうかと不安になってしまうでしょう。大切な期間を安心して過ごせるよう、妊娠初期の体調について正しい知識を身につけておきましょう。

妊娠初期

妊娠週数は最後の生理が始まった日を0日として算出し、0〜3週は妊娠超初期とも呼ばれます。妊娠初期とは、その後の妊娠4〜15週(妊娠4ヶ月頃まで)のことを指します。

4週を過ぎると、生理が遅れるなど比較的分かりやすい変化も現れるため、妊娠の可能性を疑う人が増えてくるでしょう。また妊娠検査薬で陽性反応が見られるのも、妊娠初期以降だといわれています。

妊娠初期の体調不良における症状3つ

冒頭でお伝えしたとおり、妊娠初期の症状は種類も重さもとても個人差があります。そのため必ず体調不良が起こると決まっているわけではありません。しかし比較的多くの人が経験する代表的な症状というものもあります。

ここではその代表的な症状について、紹介していきましょう。

妊娠初期の体調不良における症状1:眠気

妊娠初期には、お母さんの体内でプロゲステロンというホルモンが分泌されます。このホルモンが増えると体内の眠気を引き起こす成分に作用し、きちんと睡眠をとっていても眠いという現象が起こるといわれています。

吐き気で有名なつわりですが、「眠りつわり」という言葉もあるほど強い眠気に襲われることもあり、眠気といえど甘くみてはいけません。

妊娠初期の体調不良における症状2:吐き気

いわゆる「つわり」です。妊娠5週頃から起こり始める事が多く、妊婦全体の約50~80%が経験するといわれています。気持ち悪さを感じ、嘔吐を伴う事もあります。一般的に空腹時に症状が強くなります。

症状が重い場合は水分すら取れず、脱水症状を起こしてしまう危険性があるため注意が必要です。点滴などの処置をして貰える場合もありますので、つらい時には我慢しすぎず医師に相談してみましょう。

妊娠初期の体調不良における症状3:だるさ

体のだるさを感じることも、妊娠初期に起こる代表的な体調不良の症状の1つです。ホルモンバランスの変化やエネルギー消費量の増加、体温の上昇など様々な要因で起こるといわれ、熱っぽさを感じることもあるため、風邪の症状と間違えてしまう人もいるようです。

妊娠の可能性がある人は、自己判断で市販の風邪薬などを飲んでしまわないよう注意しましょう。

妊娠初期の体調不良いつまで続くのか

妊娠初期に訪れる体調不良は、中期頃には治まることが多いといわれています。妊娠初期に一気に増えたホルモン分泌などが、徐々に落ち着いていくためです。しかし個人差があるため、もっと早く症状がなくなる人もいますし、出産するまで続いたという人や、一度治まったが後期に再発したという例もあります。

ただ、どんなに続いたとしても妊娠による辛い症状はいつかは終わります。無理をせず、自分の体とうまく付き合っていくことが大切です。

妊娠初期の体調不良はどう過ごしたらいいの?おすすめの過ごし方7選

では、体調不良を感じてしまった場合にはどのように過ごすとよいのでしょうか。仕事をしている人、家で過ごす人、両親や義両親など頼れる家族と同居している人、環境は人それぞれでしょう。

ここからはシチュエーション別におすすめの過ごし方を紹介していきます。それぞれの環境や生活リズムの中で、どのような対応ができるのか、考えてみましょう。

仕事をしている人の場合

仕事をしている人は体調不良になっても、すぐに休んだり横になったりするのは難しいでしょう。他の人に迷惑が掛からないか、上司に怒られないかなど不安もあるでしょう。

しかし医師からの指示や、妊婦本人が希望した場合、企業では休憩時間延長や時短勤務、軽作業への業務転換などの対応をとることができるといわれています。

妊娠初期のおすすめの過ごし方1:無理をせず休憩を取る

体調不良を感じた場合は、無理せず休憩を取りましょう。立ち仕事の場合、少し座るだけでも体への負担が軽くなるでしょう。

また安定期に入るまで妊娠したことを周りにいわない人も多いですが、直属の上司にだけは早めに報告した方がよいでしょう。前もって伝えておくと、時々休憩を取る、負担の大きい仕事を調整してもらうなど、相談もしやすくなります。

妊娠初期のおすすめの過ごし方2:体に負担のかかる仕事は避ける

「重いものを持たない方がよい」という話を聞いたことはないでしょうか。これは、切迫早産や流産に繋がるリスクがあるためです。

妊娠初期の流産はお母さんの行動によるものではなく、ほとんどは染色体異常などが原因だといわれています。しかしまだまだ不安定な時期ですので、やはり力仕事や長時間立ちっぱなしなど、体に負担がかかる仕事は極力避けましょう。

妊娠初期のおすすめの過ごし方3:体調管理は万全に

妊婦に休息は必要ですが、病気のように寝込む必要はありません。医師の指示がない限り、妊娠の注意事項さえ守れば普通に生活して良いでしょう。そのためには、自分の体調をしっかりと理解し、管理しましょう。

定期健診は体調に関わらず必ず受診してください。妊婦は飲めない薬も多いため、風邪など流行り病にも普段より注意が必要でしょう。心配なことは医師や自治体窓口に相談しましょう。

妊娠初期のおすすめの過ごし方4:体を冷やさない

妊娠すると、ホルモンバランスや自律神経の乱れなど、様々な要因から体が冷えやすくなるといわれています。冷えは、妊婦さんによく見られる腰痛や倦怠感などの体調不良をさらに悪化させてしまうでしょう。

マタニティ用の腹巻や靴下を着用したり、足湯に浸かることもおすすめです。季節を問わず、体を温かく保つようにしましょう。

妊娠初期に家で過ごす人の場合

妊娠初期を家で過ごす人も、もちろんたくさんいます。仕事をしている人よりは比較的融通が利きますが、家にいるからこそあちこち目について忙しく動いてしまう方もいます。

たとえ家の中でもやはり無理は禁物です。次のようなことを頭に置いて、心身ともにゆったり過ごすよう心掛けましょう。

妊娠初期のおすすめの過ごし方5:家族に手伝ってもらう

「働いていないから家のことは自分の仕事」と思いがちですが、お母さんは苦しい思いもしながら小さな命をお腹の中で守るという、物凄く大変なお仕事をこなしています。家のことを1人で抱え込む必要はないのです。

また出産後は想像以上に育児が大変で、家事や用事がまったく進まないことはよくあります。そんな時はパパの協力が必須です。妊娠初期のこの時期から家族に甘えて助けてもらうとよいでしょう。

妊娠初期のおすすめの過ごし方6:できるだけ横になる

これまでに挙げてきたように、妊娠初期には強い眠気や、腰痛が起こりやすいといわれています。そこで無理をして頑張っても、体調は悪化してしまうでしょう。

横になると上半身の体重が腰にかからなくなるため、腰痛が軽減することが多いといわれています。また人によっては仰向け、横向きなど自分に合った体勢で、つわりが軽くなったと感じる人もいるようです。日中でも手が空いた時には、横になってゆったり過ごすとよいでしょう。

妊娠初期のおすすめの過ごし方7:食材宅配や家事代行を利用する

近年では「時短」「楽家事」を謳うサービスも充実しています。食材宅配では、重い買い物袋を運ばずに済むだけでなく、無添加食材だったりカット食材を炒めるだけの手軽さ重視だったり、豊富なジャンルから好みのものを選択できます。

また妊婦さんは、日常の家事も負担に感じることがあります。そんな時は思い切ってプロに任せてしまいましょう。

妊娠初期の体調不良で悩まないための3つの方法

ただでさえ体調不良が続くのは辛いことです。ましてお母さんは妊娠という大きな変化の中で、たくさんの不安も抱えながら体調不良とも闘わなければならず、ますます苦しく感じてしまうこともあるでしょう。

しかし妊婦にストレスは大敵です。自分のためにもお腹の赤ちゃんのためにも、心身ともに穏やかに過ごしたいところです。体調不良での悩みを少しでも軽くするため、対策を考えてみましょう。

妊娠初期の体調不良で悩まないための方法1:バランスのとれた食生活をする

妊婦さんに摂ってほしい栄養はたくさんあります。胎児の成長によいとされる葉酸をはじめ、貧血防止の鉄分、つわりを和らげる効果があるというビタミンB6など、体調不良の症状自体を和らげる効果が期待できるものもあります。

食事がとれる人はバランスのよい食事を心掛けましょう。

妊娠初期の体調不良で悩まないための方法2:十分な睡眠を取る

妊娠中の体は通常よりもとても疲れやすくなっています。妊娠前と比べて「これまでも出来たことだから」と無理を続けてしまうと、体調不良になる可能性もあります。

また妊娠初期に増加するホルモンの作用で、眠りが浅くなるとも考えられています。これが原因で睡眠の質が下がり、眠っても疲れが取れないと感じる人もいます。

人は睡眠によって体を休め、回復を図るため、十分な睡眠時間を確保するよう意識しましょう。

妊娠初期の体調不良で悩まないための方法3:適度な運動習慣をつける

体調がよい時には適度な運動もおすすめです。走ったり飛んだりといった激しい運動ではなく、景色でも見ながらゆっくりと散歩をしてみましょう。

マタニティヨガもおすすめです。腰痛改善やストレス解消、また出産をスムーズにする効果も期待できるといわれています。

切迫早産などの可能性がある場合は運動は止められていますので、運動をする際には医師と相談し、無理のないペースで行うようにしましょう。

無理せず妊娠初期の体調不良を乗り切ろう!

妊娠初期の体調不良は、いつまで続くのだろうと不安になることもあるでしょうが、一時的なものです。大切なのは人によって様々な症状が出る可能性を理解し、落ち着いて対応することです。辛い時には医師や周りの人に相談しましょう。

苦しい妊娠初期を乗り越え中期に入ると、可愛い胎動を感じ始める人もいます。大切な赤ちゃんのためにもお母さんが笑って過ごせるよう、無理せず乗り切りましょう。