妊娠症状

【専門家監修】妊娠12週の赤ちゃんとママの状態とは?注意点と過ごし方4つ

妊娠12週の赤ちゃんとママの状態

妊娠12週とは、妊娠4ヶ月目の最初の週になります。胎盤も完成間近で流産の確率は低くなるといわれています。

ママのつわりはだんだんと治まってきて、このあと妊娠15~16週頃に胎盤が完成するとそれまでのツライつわりが嘘のように症状が軽くなるママも多いようです。

妊娠12週の赤ちゃんの様子3つ

妊娠12週頃は、胎盤がほぼ出来上がり、赤ちゃんの様々な器官も出来ています。外性器が発達してきて男の子か女の子かの違いが出てくる頃にもなってきます。また、エコー・超音波検査で心臓の4つの部屋を見ることもできるようになります。

それでは、妊娠12週の赤ちゃんの様子を詳しく説明していきます。

妊娠12週の赤ちゃんの様子1:胎盤が完成に近づく

妊娠7週頃から作られ始めた胎盤が、妊娠12週頃には完成に近づきます。胎盤は、赤ちゃんが必要なものを受け取り、不必要なものをママに返却する場所となります。また、胎盤ではママの血液をもとにして赤ちゃんの血液が作られます。

胎盤は胎児にとっての有害物質が入らないようにフィルターの役割をしたり、様々なホルモンを分泌して妊娠の維持に関与しています。

妊娠12週の赤ちゃんの様子2:外性器が発達する

妊娠12週頃は、外性器が発達してきて男女の差が出てくる頃になります。

外性器の原型は妊娠8〜9週頃に出来て、最初は男女の差がありません。その後、妊娠12週頃から発達してきて、男の子の場合は外性器が突起しているという特徴があるので14〜15週頃にはエコー・超音波検査でわかるようになります。

女の子の場合は男の子より少し遅く、確実にわかるのは17〜19週頃だといわれています。体勢によっては外性器が見えづらいこともありますが、性別を知りたくないときはあらかじめ医師に伝えておきましょう。

妊娠12週の赤ちゃんの様子3:エコー・超音波検査で心臓がみえる

妊娠12週には、エコー・超音波検査で心臓の4つの部屋が見えるようになります。赤ちゃんの心臓は妊娠3週頃から拍動を始めて、妊娠5〜6週には胎児心拍が確認できます。妊娠12週頃には右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋がわかれて見えるようになります。

また、骨の密度が濃くなる骨化が進み、骨格を作る大部分の骨が出来上がります。妊娠12週からは、児頭大横径(BPD)と呼ばれる赤ちゃんの頭の横幅と大腿骨長(FL)と呼ばれる太腿の骨の長さより推定体重を出すようになります。

妊娠12週のママの体に起こりやすい変化4つ

妊娠12週頃には、だんだんとお腹がふっくらし始めてきて、腰に痛みが出てくるママも出てきます。また、頻尿やこむら返りなどのマイナートラブルも起こる可能性があります。

ここからは、妊娠12週に起こりやすいママの体の変化について説明していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠12週のママの体の変化1:腰に痛みが出る

妊娠するとリラキシンというホルモンが分泌されて、骨盤周囲の筋肉や靭帯が弛むことで腰痛が起こりやすくなります。

骨盤の関節も弛み、それを腰の筋肉が支えるため、腰に痛みが出やすくなるといわれています。骨盤の関節が緩むのは、赤ちゃんが生まれる時に骨盤が開く必要があるためなので問題ありません。

しかし、痛みで生活に支障をきたすような場合は骨盤ベルトを装着してケアしましょう。

妊娠12週のママの体の変化2:頻尿になる

頻尿は、ママの血液量が増えることで起こると考えられています。妊娠初期に起こりやすい症状ですが、お腹が大きくなるにつれて今度は膀胱が圧迫されるため、妊娠中期や後期にも再び起こることもあります。

また、妊娠中は膀胱炎にもなりやすい状態です。軽い膀胱炎の場合はしっかり水分摂取をしてこまめに排尿することで症状は改善します。症状がつらい場合は医師に相談するようにしましょう。

妊娠12週のママの体の変化3:足がつるようになる

妊娠してお腹が大きくなってくることで、足をつりやすくなるママもいます。足をつるとは、筋肉が急に収縮した状態を言います。

お腹が大きくなることで下肢への負担が大きくなったり、寝ている間も寝返りがしにくく長時間同じ体勢でいることで伸び切った筋肉が元に戻ろうとして収縮し、足がつるのです。

また、カルシウムやカリウムなどの電解質の不足や水分不足によって血流が悪くなることも原因と考えられています。予防するには、ストレッチなど下肢の血液循環を促進する運動をするといいでしょう。

妊娠12週のママの体の変化4:においに敏感になる

妊娠によりエストロゲンというホルモンが増加することで、においに敏感になると言われています。妊娠中のつわりの症状の一つで、「においつわり」と呼ばれています。妊娠初期からにおいつわりに悩まされるママもいますが、妊娠12週以降も続く場合があります。

対策として、まずはにおいの元となるものを避けましょう。また、自分が食べようとしている食べ物のにおいがダメなのであれば、食べ物の温度を下げるとよいでしょう。食べ物の温度を下げることで、においがしにくくなるといわれており、冷やすと食べやすくなることもあります。

妊娠12週のときに注意すること4つ

ここからは、妊娠12週に注意することについて説明していきます。切迫流産など避けられないものもありますが、虫歯や歯周病などは避けられるものなので、トラブルが起きないように注意しましょう。

妊婦健診を受けるのはもちろんのこと、つわりが治まり体調が落ち着いてきたら歯科検診を受けることもおすすめします。

妊娠12週の注意点1:進行流産

進行流産とは、出血がはじまり子宮の内容物が外に出てきている状態です。進行具合によって「完全流産」と「不全流産」に分けられます。

完全流産は子宮内容物が自然に出てしまっていますが、不全流産は子宮内容物の一部が子宮内に残っている状態なので出血や腹痛が続いている場合が多くみられます。

普段の生理のときより出血が多かったり、強い腹痛がある場合には進行流産の可能性もあるので医療機関を受診するとよいでしょう。

妊娠12週の注意点2:虫歯の増殖

つわりによって歯磨きが困難になったり、食事回数が増える一方で口腔ケアが不足することで口内環境が悪化し、虫歯や歯周疾患になりやすいといわれています。

また、妊娠により女性ホルモンが増加することで歯周病のもととなる口内細菌が増殖しやすくなります。歯周病は低体重児の出産や早産の危険が高くなるので、予防と治療は確実に行いましょう。

歯科検診の補助券を発行している自治体もあります。受診の際には、補助券を利用できる歯科であるのか、あらかじめ問い合わせておくとよいでしょう。

妊娠中の歯の治療のタイミングはどうする?

つわりが治まる妊娠12週以降に歯科健診を受けて、その後体調の安定した妊娠中期に治療をするとよいでしょう。

検診時は母子手帳を持参しましょう。産婦人科医から注意を受けていることがあれば、歯科医師にも伝えてください。また、体調や気分が悪くなったときは遠慮せずに申し出るようにしましょう。

妊娠12週の注意点3:切迫流産

切迫流産とは、流産の一歩手前の状態で赤ちゃんが子宮内に残っており、妊娠が継続できる可能性のある状態を言います。

妊娠21週までの性器出血やお腹の痛みや張りが症状として現れますが、現在のところ有効な治療法はないとされています。場合によっては安静や入院が必要になることもあります。

妊娠12週の注意点4:妊婦健診の間隔

妊婦健診は、初期は胎児心拍の有無の確認や血液検査などがあるため、妊娠経過によって1~4週間に1回の健診頻度になりますが、妊娠12週以降23週頃までは4週に1回程度になります。

妊娠12週以降は初期に比べて健診の間隔が開くため、不安なことがあれば普段からメモにまとめておき、健診時に確認するとよいでしょう。

妊娠12週の過ごし方4つ

だんだんとつわりも治まってきて、過ごしやすくなってくるのが妊娠12週頃からです。お腹もふっくらし始め、妊婦さんらしい体型になってくる時期でもあります。

服装をマタニティ用に変えてみるのもおすすめです。ゆったり過ごすのがよいでしょう。一方、食欲が増してくる時期でもありますので、適度な運動やバランスのよい食事を心がけ、体重管理をしましょう。

ここからは妊娠12週の過ごし方を4つに分けて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠12週の過ごし方1:楽な服装で過ごす

妊娠12週を過ぎるとだんだんとお腹も目立ち始め、バストやヒップも大きくなってくるため、この頃にマタニティ用の服装に変えるとよいでしょう。

普段からピタッとしたタイプの服を好んで着るママは、特にゆったりとしてお腹を締め付けない服装にしましょう。また、妊娠中は肌が普段より敏感になるので、それを考慮した素材のマタニティ服も多くあります。自分が心地よいと感じる服を選んでみてください。

妊娠12週の過ごし方2:食べ過ぎない

妊娠12週頃になるとだんだんとつわりが治まってきて、食欲が出てくるママもいるため、食べすぎには注意しましょう。

妊娠中の急激な体重増加は妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの様々なトラブルを招くことになるため、つわりが落ち着いたら体重管理を始めましょう。妊娠10か月の間、1週間に500gまでの体重増加が望ましいとされています。

ただし、体重増加に関しては妊娠前の体格に応じて目標値が変わります。かかりつけの産婦人科医師や助産師と相談していきましょう。

妊娠12週の過ごし方3:適度に体を動かす

妊娠中の急激な体重増加の防止のためにも、適度な運動をしましょう。運動は、体力維持、ストレス解消、血行促進によるむくみや便秘の解消にも繋がります。ただ、妊娠12週以降は激しい運動は避けて、簡単にできるウォーキングやヨガなどがおすすめです。

お腹が張っている場合は、流産や早産に繋がる危険もあるので無理はせず産婦人科医に相談した上で行うとよいでしょう。

妊娠12週の過ごし方4:食生活を整える

つわりが落ち着いてきたら、バランスの良い食事を心掛けましょう。

自分で手作りするのが難しいときは、パートナーや家族にお願いしたり、お惣菜を買ってくるという方法もあります。難しく考えず、まずは主食・主菜・副菜を揃える食事を考えてみましょう。

妊娠12週は体重の増加に注意してリラックスして過ごそう!

妊娠12週では、胎盤が完成に近づきつわりも落ち着いてきます。お腹が大きくなってくることで起こるトラブルもありますが、バランスの良い食事と適度な運動を心掛けてリラックスして過ごすようにしましょう。

体調がよければウォーキングなど軽い運動も取り入れてみましょう。また、妊娠15~16週に入ると妊娠中にできるエクササイズやスポーツが増えるので、情報収集しておくのもよいでしょう。

そのほか、母親学級にも参加してみましょう。気分転換や妊婦さん同士の情報交換の場にもなるかもしれません。ぜひ、10か月しかないマタニティライフを楽しんでください。