妊娠症状

【専門家監修】妊娠14週の赤ちゃんとママの様子とは?注意点と過ごし方5つ

妊娠14週の赤ちゃんとママの状態

妊娠14週に入るとつわりも少なくなり安定期までもうすぐです。超音波検査でもだいぶしっかりとした体つきの赤ちゃんを見ることができて楽しみも倍増するでしょう。

赤ちゃんは8.9センチメートル、体重は42グラムくらいまで成長してきています。妊娠14週になると少しずつママのお腹がぽっこりしてきたり妊婦さんらしい体つきに変化してきます。

妊娠14週の赤ちゃんの様子4つ

妊娠14週の赤ちゃんは嗅覚や味覚が発達しはじめたり体のパーツがどんどん出来上がってくる時期です。

首や乳歯、まぶたなどが出来上がり顔はうぶ毛に覆われます。手足を自由に動かすようになるのもこの頃です。この章では妊娠14週の赤ちゃんの成長を詳しくご紹介します。

妊娠14週の赤ちゃんの様子1:手や足を器用に動かせる

妊娠14週の胎児はだいぶ体つきがしっかりしてきていることが超音波検査で確認できます。また手や足の成長も活発になる時期です。

手の成長は足よりもはやく妊娠14週ころには手首を曲げたり伸ばしたり手を握ったり開いたりの動作ができるようになっています。

足も曲げたり伸ばしたりキックをしたり出来るようになりますが、妊婦さんが赤ちゃんの胎動を感じるにはまだまだ時間がかかります。

妊娠14週の赤ちゃんの様子2:乳歯やまぶたが作られる

妊娠14週の時期になると赤ちゃんの頬や歯茎の下に乳歯が作られます。乳歯が生える準備を妊娠14週からしているなんて神秘的です。

胎児の目はかなり早く作られていて妊娠10週ころには目のレンズが動き始めます。その頃には光を感じることができるようになっています。

目を覆うまぶたができるのは妊娠12週頃からです。妊娠26週くらいまではまだ目が開けることができませんが脳の中では目を使う準備が進んでいます。

妊娠14週の赤ちゃんの様子3:毛が生えて皮膚が厚くなる

妊娠12週ころから赤ちゃんの体はうぶ毛に覆われてきます。まずは顔が覆われ、その後全身が覆われます。

このうぶ毛は未完成な胎児の体を守る役割があります。また皮膚にはうぶ毛以外にも胎脂(たいし)という脂で覆われます。

胎脂は分岐脂肪酸コレステロールエステル、たんぱく質などからできており羊水の中で赤ちゃんを守る役割と分娩の時の潤滑油として滑りをよくする役割があります。

うぶ毛はある程度出産までに抜け落ちますが、胎脂は出産後残っている赤ちゃんもいます。出産後に残っている胎脂は赤ちゃんの皮膚を守る役割をします。数日で自然に吸収され、なくなります。

妊娠14週の赤ちゃんの様子4:男女の判別がしやすくなる

外性器の原型は妊娠8週ごろにでき14週から15週になると発達してきますが超音波で性別がはっきするのはもう少し後になります。

女の子より男の子のほうが外性器が突起しているという特徴があるので早く性別がわかります。赤ちゃんの性別がわかるまで、どちらが生まれるかワクワク楽しみながら過ごす時間も楽しいでしょう。

妊娠14週のママの体に起こりやすい変化5つ

妊娠14週になると辛かったつわりが終わり多くの妊婦さんは体の不調が軽減されて楽になったと感じる時期でしょう。妊娠中期の安定した時期に少しでも赤ちゃんをお迎えする準備をしようという妊婦さんも多いです。

安定期に入ったこの時期に、できることをしたいと言う気持ちはとてもわかりますが無理は禁物です。妊娠中の体と相談するためにも妊娠14週に起こりやすい体の変化を確認しておきましょう。

妊娠14週のママの体の変化1:生理的水血症

妊娠が進行すると血液量が約1,000ml増加するといわれています。赤血球やヘモグロビンが増加して循環血漿量の増加が起こることで血液が水増しされて薄くなり貧血を起こしやすくなります。

妊娠中に発生するこのような貧血の多くは生理的なものなので治療が不必要な場合も多いですが、程度によっては内服薬や注射で治療します。

妊娠14週のママの体の変化2:下腹がポッコリしてくる

妊娠14週から15週になると子宮の大きさは子供の頭くらいまで大きくなり、赤ちゃんの身長は約16センチ、体重は約100gくらいになります。

この頃、お腹のふくらみから妊娠したことが周囲にわかってくる時期です。また、全く変化しない人もいます。お腹のふくらみは個人差が大きいのであまり心配しないようにしましょう。

妊娠14週のママの体の変化3:食欲が増す

妊娠14週になると辛かったつわりがひと段落して、食欲が戻ってくるでしょう。つわりが軽くなったからと油断をして食べ過ぎないように気を付けましょう。

体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や妊娠糖尿病になる可能性が高くなります。だからといって極端に食事制限をするやせすぎの妊婦さんは、統計では早産や生まれる赤ちゃんの体重が小さいことがわかっています。

健康的でバランスのよい食事を心がけるようにしましょう。

妊娠14週のママの体の変化4:お腹が張る

お腹が少し大きくなってくるとお腹が張ることがあります。いわゆるお腹の張りとは、子宮が収縮している状態のことを言います。頻繁な張りや強みを伴う張りは、切迫早産の兆候かもしれません。

お腹が張る原因として考えられるのは疲れ・ストレス・冷えやお腹の締め付け便秘などがあります。お腹が張った時は張りが治まるまで無理をせずゆっくりしましょう。張りが強かったり治まらない、出血が伴う時などは迷わず病院に行きましょう。

妊娠14週のママの体の変化5:母乳をつくる準備を始める

妊娠に気づく前に、乳房の張りや変化に気づいたママもいるでしょう。乳房はホルモンの変化にとても敏感です。

妊娠中期には母乳は作られますので、妊娠14週頃には少しずつ母乳を作る準備を始めます。乳房が大きくなる以外に、乳輪が大きくなったり乳頭が少し長くなったりします。

また、乳輪の色が濃くなるママもいます。全ては、産まれたばかりの目がしっかり見えていない赤ちゃんがおっぱいに吸い付くための変化です。

妊娠14週のときに注意すること2つ

つわりも終わり体が少し楽になった妊娠14週は安定期までもう少しです。この章では妊娠14週に注意しておいた方がいいものを2点ご紹介します。

時々自分の体調に当てはまっていないかセルフチェックをしてみてください。もし当てはまる場合は、かかりつけ医に相談してみるとよいでしょう。

妊娠14週の注意点1:鉄欠乏性貧血

妊娠すると血液は優先的に赤ちゃんへと運ばれてしまい妊婦さんは貧血になりやすいといわれています。鉄欠乏症貧血はだるい、立ちくらみ、吐き気など疲れた時に症状が似ているため気づくのが遅くなってしまいます。

貧血を悪化させると赤ちゃんに酸素を送れなくなるだけでなく重症貧血妊婦となり胎児に影響を及ぼすことがあります。

豚レバー・ほうれん草・卵黄・ひじき・しじみやあさりなど鉄分を多く含む食品を積極的に摂取するようにしましょう。合わせてビタミンCを摂取することで鉄の吸収率も高まります。野菜もしっかり食べましょう。

妊娠14週の注意点2:出血

この時期は性器からの出血に十分注意を払わなけばいけません。出血は切迫流産のサインの可能性があるからです。

切迫流産とは、流産発生の危険がある状態のことをいいます。切迫流産は出血に加えて腰の痛みやお腹の張りや痛みが起こります。

そのような症状がある場合は産婦人科で相談しましょう。切迫流産と診断されると入院をすることもあります。

子宮頸がん

妊娠初期に受ける子宮がん検診で、子宮頸がんがみるかることがあります。子宮頸がんが早い段階で見つかった場合は、妊娠中に手術をして出産できることもありますが、子宮頸がんが進行してしまうと残念ながら赤ちゃんを諦めなければならない場合もあります。

20歳以上の女性は、2年に1度子宮頸がんの検査を推奨されていますので妊娠を考えた時に検査をすることをおすすめします。

妊娠14週の過ごし方5つ

つわりがおさまりはじめた妊娠14週の時期はどんな毎日を送ればいいでしょうか。この章では妊娠14週になった妊婦さんの過ごし方をご紹介します。

妊婦さんをはじめ家族と相談して生活習慣の見直しなどをするのもよいでしょう。是非実践してみてください。

妊娠14週の過ごし方1:禁煙・禁酒する

喫煙は流産や早産、前置胎盤などになりやすく、赤ちゃんが低出生体重児で生まれるリスクや気管支喘息を発症するリスクが高くなることがわかっています。妊婦さんはもちろん、受動喫煙防止のために家族で禁煙について話し合ってみましょう。

またアルコールは胎盤を通じ赤ちゃんに届いてしまいます。妊娠中の飲酒は、胎児性アルコールスペクトラム障害と称される、胎児の先天異常や発育不全を引き起こすことがあります。妊娠中は必ず禁酒禁煙をしましょう。

妊娠14週の過ごし方2:感染症の予防をしっかりとする

お腹の赤ちゃんを異物と感じて排除してしまわないように妊婦さんの体は免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなっています。感染症で辛いのはママだけではなく、はしかや風疹など感染症にかかると流産したり赤ちゃんに障がいを与える原因になるでしょう。

妊娠中はマスクを着用し手洗いうがいなど感染症予防に気を配りましょう。家族は麻疹や風疹などのワクチンを打ち体調不良の際は接触を避けるなど感染症を移さない努力をしましょう。

妊娠14週の過ごし方3:食事に気をつける

妊娠中は、食事に気をつけるようにしましょう。肉類の生食や加熱不十分なもの(馬刺、牛刺など)は寄生虫の心配があるので避けた方がいいでしょう。

また、キダイやキンメダイなど水銀が多く含まれる魚は週に一人前程度の摂取を心掛けるようにしてください。魚の種類によって摂取量は異なりますので母子手帳や厚生労働省のホームページを参考にするとよいでしょう。

また、ヨウ素の多い海藻類は過剰に摂取すると新生児の甲状腺機能低下につながるというデータがあるようです。市販のめんつゆやカップ麺などにたくさん含まれるため、毎日のように摂取することは控えましょう。

妊娠14週の過ごし方4:ふらつきやめまいに注意する

妊娠すると妊婦さんの体は沢山の血を作ろうとし始め、胎児が大きくなるにつれて血液量はどんどん増え、妊娠8~9か月頃がピークで常の1.3倍~1.5倍まで増えていきます。

体の水分が増えたことにより貧血の状態になり足元がふらついたり、めまいを起こす方もいます。ふらつきやめまいを感じたら転倒しないように、何かに寄りかかったり座るようにしましょう。

妊娠14週の過ごし方5:適度に体を動かす

体調がよい時は適度な運動をしてリフレッシュをすることをおすすめします。妊婦さんの住む町で母親教室や出産準備マタニティクラスなどがあればそちらの参加をするのもよいでしょう。

マタニティヨガやマタニティスイミングに参加する時には事前にメディカルチェックをされますので教室の指示に従ってください。これらの運動は安定期を迎える妊娠16週以降としている場合が多いので、事前に確認しておきましょう。

個人でウオーキングなどの運動をする場合は必ず主治医に相談の上、無理のないように行いましょう。

妊娠14週は無理せず楽しく過ごそう!

妊娠14週の赤ちゃんをエコーに映すとしっかりとヒトの形をしており、あなたのお腹も少しぷっくりしてきて妊娠して実感がわく時期です。お腹の中では赤ちゃんは手足を動かし元気に過ごしているのだなと思うと、なんだか愛おしい気持ちになるでしょう。

妊娠14週はもう少しで安定期です。無理をせずゆったりした気持ちで生まれてくる赤ちゃんを思い描きながら成長をみまもりましょう。