妊娠症状

【専門家監修】妊娠15週の赤ちゃんとママの状態とは?注意点と過ごし方4つ

妊娠15週の赤ちゃんとママの状態とは

妊娠15週は4か月の後半となってくる時期であり、妊娠初期の最後の週となります。赤ちゃんは、髪の毛が生え始め、内臓の形態もほぼ完成する時期となり、ママはほとんどの人がつわりがおさまり食欲がでてくるでしょう。

しかしまだ安定している時期ではないので、激しい運動や重いものを持つことなどは避けましょう。

妊娠15週の赤ちゃんの様子3つ

妊娠15週に入ると胎盤が形成され、赤ちゃんとママがへその緒で繋がります。ママの摂った栄養が胎盤を介して、赤ちゃんに運ばれていきます。

ここからは妊娠15週の赤ちゃんの様子を、3つに分けて紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠15週の赤ちゃんの様子1:胎盤が完成する

妊娠15週は胎盤が完成するといわれています。胎盤はママの摂った栄養や酸素を赤ちゃんへ、赤ちゃんの老廃物や二酸化炭素をママへ渡す大切な役割を持っています。

胎盤は受精卵が子宮内膜へと着床した時から作られ始め、絨毛という細い血管が根を張るようにして大きく、厚くなっていきます。そして、へその緒(臍帯)でママと赤ちゃんは繋がります。

胎盤が完成に近づく妊娠12週頃には、約10cmまで大きくなります。そして、胎盤が完成する妊娠15週頃には、約14~15cmとなります。完成後も胎盤は大きくなり、出産予定日頃には約25cm、厚み約2~3cm、重さ約500~600gとなります。

臍帯(さいたい)とは

臍帯はへその緒と呼ばれている、赤ちゃんのおへそとママの胎盤を繋ぐ血管のことです。2本の動脈と1本の静脈から成り立っています。

へその緒の長さは約25~70cmで個人差はありますが、一般的な長さは約50cmといわれています。

妊娠15週の赤ちゃんの様子2:性器の形がはっきりする

妊娠15週には各器官の形成が完成し、これからの時期は骨や筋肉が発達していくといわれています。

また、男の子と女の子の区別となる外性器の形も完成しますが、超音波ではっきりと性別がわかるのはもう少し先になります。

妊娠15週の赤ちゃんの様子3:髪の毛が生えてくる

妊娠15週になると赤ちゃんの髪の毛のパターンも形成され、髪の毛が生えてきます。赤ちゃんの成長や発達には個人差があるため、ふさふさに生える子もいれば、生まれて数ヶ月あまり伸びない子もいます。

この頃に体毛も生えてくるといわれています。

妊娠15週のママの体に起こりやすい3つの変化

妊娠15週はほとんどのママがつわりも落ち着いてくる時期です。その上、流産のリスクも低くなってきます。

体調も安定してくるため、色々と活動できるようになってはきますが、ママの体に起こりやすい変化もあるので、大きく3つに分けてを紹介していきます。

妊娠15週に起こりやすい変化1:体調が安定してくる

妊娠15週になると、ほとんどのママはつわりが落ち着いてきます。つわりが落ち着くことで、今まで食事があまり摂れなかったママも食べられるようになってきて、元気が出てくるでしょう。

また、この頃より基礎体温が高温相から低温相へと移行するため今まで感じていた、体のほてり感なども改善してくるでしょう。

妊娠15週に起こりやすい変化2:むくみやすくなる

妊娠中のママによく見られる症状の1つです。主には妊娠中期から後期に増える症状ですが、早い時期から症状があらわれる場合もあります。足や足首にむくみが出ることが多いですが、中には手や腕に出るママもいます。

妊娠に伴いホルモンのバランスが大きく変化することや赤ちゃんの成長に伴い、脚から心臓に戻る血流が圧迫されることでむくみの症状が現れます。

靴下のゴムの跡がくっきり残ったり、人によっては今まで履いていた靴が履けなくなる人もいます。

妊娠15週に起こりやすい変化3:鼻がつまりやすくなる

妊娠中に鼻づまりを自覚するママは少なくありません。

風邪をひいたかもしれないと感じるママもいると思いますが、妊娠中はホルモンの関係で鼻の粘膜の血液量が増えるため炎症を起こしたように腫れ、鼻づまりの症状が起こる可能性があります。また、鼻血が出やすくなる場合もあります。

妊娠中は風邪や花粉症でなくても鼻づまりや鼻水などの症状が起こりますが、産後1~2週間には改善することが多いです。

妊娠15週のときに注意すること3つ

妊娠15週になると胎盤も完成し、つわりも落ち着いてくるため食欲が戻ってくるでしょう。つわりが落ち着くと、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるので体重増加には注意が必要になってきます。

また、流産の危険性もグッと下がるといわれていますが無理は禁物です。ここからは注意することを紹介していきます。

妊娠15週に注意すること1:体重の増加

つわりが落ち着くと、食事がすすむようになりついつい食べ過ぎてしまうことがあります。体重増加は妊娠中の生理現象ですが、体重増加が著しいと妊娠高血圧症候群や腰痛の危険性が上昇します。

また、この時期になるとママが食べた栄養が直接赤ちゃんに送り届けられるため、食事のバランスを見直すチャンスです。野菜や肉、魚、卵、乳製品など神経質になりすぎず、バランスよく食べるようにしましょう。

ママが食べた物の味が赤ちゃんに伝わるともいわれており、香辛料や脂っこい物など食べ過ぎには注意が必要です。

妊娠15週に注意すること2:水分をしっかり摂る

妊娠中は血液量が増えることによって、喉の渇きを感じることが多いといわれています。

大きくなっていく子宮が膀胱や腸を圧迫するため頻尿、便秘にもなりやすいでしょう。トイレが近いからといって、水分を控えたりすると脱水になると便秘もひどくなってしまう可能性があります。

また、水分が不足することでママの血液がドロドロになってしまいます。妊娠中はただでさえ血液が固まりやすい状態になっているので、血栓症を起こすリスクが高くなります。一度に大量飲むのではなく、こまめに水分補給をすることが大切です。

妊娠15週に注意すること3:歯周病

今までつわりで思うように歯磨きができなかったり、嘔吐による胃酸で歯にダメージを受けている場合があります。歯にダメージを受けていれば、虫歯リスクも上がります。

また、妊娠中はホルモンバランスの変化によって虫歯でけでなく、歯周病が起きやすくなっています。歯周病菌がママの体内へ入り込むことで流産、早産、低出生体重児を出産するリスクが高まるとされています。

つわりが落ち着いてくる、妊娠15週を目途に歯科医を受診してお口のトラブルを予防しましょう。

歯科受診のタイミング

妊娠15週まではつわりがひどいママも多いため、なかなか受診ができないことがあります。歯科受診はつわりが落ち着いてくる、安定期に入った時期に受けることが推奨されています。

歯科受診した際、レントゲン検査があるため赤ちゃんへの影響を考え、受診しないママも多いです。しかし、防護用エプロンを使用すれば赤ちゃんへの影響はほとんどないとされています。

薬剤などを使用しないといけない治療に関しては、実施が可能な時期・種類・方法があります。赤ちゃんのためにも早めに歯科受診をして、歯科医師に十分相談したうえ適切な処置を受けましょう。

妊娠15週の過ごし方4つ

妊娠15週頃になるとつわりも落ち着いてくるため、今までしんどくてできなかったことも、少しずつできるようになってきます。

母親学級や運動など、この時期にできることやどのように過ごしていけばよいかを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠15週の過ごし方1:妊娠の知識を深める

初めて妊娠したママは特に、わからないことが多いでしょう。そんなママやパパのために市町村や出産する病院で母親学級や父親学級、両親学級が開催されています。

母親学級では妊娠中の体と心の変化や、日常生活上で注意しなければならないことなど学ぶことができると共に、わからない事を気軽に相談できます。

また、父親学級や両親学級ではママの体に起こっている変化をパパも知ることができ、妊娠についての理解を深めることができるでしょう。

妊娠15週の過ごし方2:運動を始める

つわりが落ち着き、流産のリスクが低くなるこの時期は、運動を始めるのによいタイミングです。しかし、どんな運動でもしていいわけではありません。

妊娠中は水泳やヨガ、ウォーキングなどの有酸素運動は勧められている運動ですが、腹部の圧迫されるような運動、転倒や人と接触する危険があるような激しい運動は控えなければなりません。

一般的に勧められている運動でも、お腹の張りやすいママもいるため運動する前にはかかりつけの医師に相談した上で運動を始めましょう。また、運動施設によっては診断書の提出が必要になる場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

妊娠15週の過ごし方3:清潔にする

妊娠中はホルモンバランスの変化で非妊娠時よりおりものが増えるため、おりもので下着が汚れてしまった場合はこまめに下着を変えるか、おりものシートや尿漏れパッドを活用し清潔に保ちましょう。

おりもので汚れた下着をそのままにしておくと不潔となり、かゆみを伴ったり細菌などに感染するリスクがあります。

感染症の種類によっては早産や流産のリスクを高めるものもあるため、妊娠中はおりものをよく観察し、いつもと違うと感じた場合は早めにかかりつけ医を受診して治療しましょう。

妊娠15週の過ごし方4:無理はしない

つわりが落ち着いてくるこの時期は、体調もよくなり今までしんどくてできなかったことも、できるようになるでしょう。更に、流産のリスクも低くなることから運動を始めるママもいると思いますが、流産のリスクがゼロになるわけではありません。

性器出血や腹痛などの症状がある場合は、かかりつけ医に相談し受診が必要かどうか、確認した方がよいでしょう。つわりが落ち着いて、体調がよくなったからといって無理をしすぎないようにしましょう。

妊娠15週は大事な時期!

妊娠15週はつわりが落ち着いてくる時期であり、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。食べ過ぎて急激に体重増加しないよう注意しながら、栄養バランスを考えて食事を摂りましょう。

また、この時期は流産のリスクも低くなることから、体重管理やストレス発散のために体を動かしたり運動を始めるママもいると思いますが、早産や流産のリスクはゼロではないため無理をしないことが大切です。