妊娠症状

【専門家監修】妊娠28週のママの体の変化5つ!過ごし方3つとは?

妊娠28週とは?

妊娠28週から妊娠8か月、いよいよ妊娠後期に入ります。妊娠28週以降を妊娠後期と呼び、ママと赤ちゃん共に出産に向けて整えていく時期です。

今回は妊娠28週の赤ちゃんの様子や、ママの体の変化、注意点や過ごし方について詳しくご紹介します。

妊娠28週の赤ちゃんの様子

妊娠28週の赤ちゃんを超音波写真で見てみると、目鼻立ちがはっきり、ふっくらしてきて赤ちゃんらしい顔つきになってきます。

聴覚もどんどん発達してきて、ママやパパの話し声も聞こえるようになります。
羊水の量はこのころピークになり、臓器もほぼ完成し筋肉も発達するので、動きが活発になってきます。

臓器がほぼ形成される

妊娠28週に入ると心臓、腎臓、肺などの内臓器官がほぼ完成します。

心臓は超音波検査で4つの心室、心房に分かれているのがはっきりわかってきます。
さらに肺の横隔膜を動かす「呼吸様運動」を始めて、誕生後に肺呼吸をする準備運動を始めます。

脳などの中枢神経も発達して聴覚もほぼ完成しますので、積極的に話しかけてあげるといいでしょう。

活発に動く

妊娠28週に入ると赤ちゃんの体がどんどん大きく成長し始め、筋肉も発達してくるので手足の動きが活発になってきます。

羊水の中でぐるぐる動きながら活発に動き回るので、ママは赤ちゃんの動きがさらによくわかるようになるでしょう。

たまに、ピクピクと小さな動きを連続して感じることがあるかもしれません。これは横隔膜がけいれんを起こして、しゃっくりをしているだけなので心配はないでしょう。

前置胎盤

前置胎盤とは胎盤が正常より低い位置にあるため、子宮口の一部または全部を覆ってしまっている状態をいいます。妊娠中期に前置胎盤と診断されても、徐々に胎盤が上に上がっていく場合もあります。

その為、妊娠28週以降に前置胎盤の診断が行われ、大体妊娠31週までに最終的な診断が行われます。最終的に前置胎盤と診断されるとほぼ100%帝王切開分娩になります。

前置胎盤の場合は、急に入院となるリスクも高くなるとともに、帝王切開時の出血量も多くなります。ハイリスクとしての管理が必要になるため、総合病院での出産予定が望ましいでしょう。

妊娠28週のママの体の変化5つ

妊娠28週から妊娠後期に入り、いわゆる「安定期」に入ります。赤ちゃんも大きく成長しはじめママのおなかもどんどん大きくなってくる頃です。

これからは妊娠28週のママの体の変化について、詳しくご紹介していきます。

妊娠28週のママの体の変化1:動悸・息切れしやすくなる

妊娠28週以降になると子宮が大きくなってくるので、血管や横隔膜を圧迫して動悸や息切れが起こりやすくなります。

動悸や息切れに加えて、出産後の夜の育児に備えて神経が過敏になってくるので、夜熟睡できないことも増えてきます。夜あまりにも眠れなかった場合は昼寝で補うのもよいでしょう。寝る時は抱き枕などを使って楽な姿勢をとるように工夫してみてください。

妊娠28週のママの体の変化2:お腹が張る

妊娠28週以降の妊娠後期に入ると、一日のうちに頻繁にお腹の張りを感じるようになります。大体の人が、お腹全体が硬くなるのが解ります。働いていたり、立ち仕事をしていると張りやすいでしょう。

お腹が張ってきたなと感じたら、用事の途中でも無理をせず、すぐに座ったり横になって体を休めてください。ほとんどの場合じきに張りはおさまってくるでしょう。

ですが、1時間以上たっても痛みを伴う張りが収まらない、出血があるなどいつもと違うなと感じた場合は早急に診察を受けてください。

常位胎盤早期剥離

急激な下腹部痛とともに張りが収まらない、出血がある場合常位胎盤早期剥離(ソウハク)の心配があります。

常位胎盤早期剥離とは、赤ちゃんが生まれる前に胎盤が剥がれてしまうもので、赤ちゃんに酸素や栄養が送れなくなるほか、大量出血する事もある為ママと赤ちゃん共に命の危険があります。

常位胎盤早期剥離と診断されると、妊娠週数にかかわらずすぐに分娩に入ります。下腹部痛と張りの状態に異常を感じたら、すぐに診察を受けるようにしましょう。

妊娠28週のママの体の変化3:甘いものが食べたくなる

妊娠28週に入ると赤ちゃんの成長がぐんぐん加速する為、ママの脂肪から作られるブドウ糖が優先的に赤ちゃんに送られるようになります。

体内のブドウ糖が赤ちゃんに運ばれてしまうので、ママはチョコレートやケーキなどの甘いものが食べたくなることがあります。

妊娠28週以降の妊娠後期からの1日の必要摂取カロリーは、妊娠前のプラス450kcalです。なるべくご飯や穀物などからブドウ糖を摂取するといいでしょう。

妊娠28週のママの体の変化4:足元が見づらくなる

妊娠28週に入ると、ママのお腹はどんどん大きくなっていきます。子宮の上の方はおへそとみぞおちの中間くらいまで上がってきます。お腹がさらにせり出してくるので、足元が見えづらくなってきます。

足元が見えづらくなるので、階段の上り降り、お風呂場の掃除などは十分に注意して行うことが必要になってきます。

さらに、お腹が大きくなり重心が移動するため姿勢が悪くなります。腰の痛みの原因にもなるので、正しい姿勢を心がけるといいでしょう。

ケーゲル体操

ケーゲル体操は妊娠で緩んだ骨盤底筋を鍛える運動で、妊娠中や出産後の尿漏れなどのトラブルを改善するといわれています。

ケーゲル体操は立ったり座ったり、寝転んだりと、自分の楽な姿勢で行うことができます。膣や肛門の筋肉をギュッと閉めたり緩めたりを1セット10回、1日に数セット行います。

妊娠28週のママの体の変化5:むくみやすくなる

妊娠28週以降の妊娠後期に入ると、下大静脈が子宮に押されて血流が滞ったり、血液の循環量を増やすためママの体の水分量が増えてきます。その為足のふくらはぎなどにむくみが出ることがあります。

足のむくみがある場合は、寝るときに足の下に枕を挟んだり、体の左側を下にして横向きに寝ると下大静脈の圧迫を防いで、下半身から心臓に戻る血流がよくなるので試してみるといいでしょう。

また、からだを冷やすことで血液循環が滞りやすくなります。冷たいものを摂りすぎないようにして、からだを温めるようにしましょう。

妊娠28週のときの注意点3つ

妊娠28週に入ると妊娠後期に入り、お産に向けてママも赤ちゃんも最後のラストスパートに入ります。ママのおなかもどんどん大きくなって、色々な悩み、不安も出てくるでしょう。

これからは妊娠28週のときの注意する点を3つご紹介します。ぜひ参考にしてください。

妊娠28週の注意点1:栄養バランスのよい食事をする

妊娠初期、中期、後期を問わず栄養のバランスの良い食事とすることはとても大事です。特に妊娠28週以降の妊娠後期は、肺の成熟が促されるなど機能が整うとともに、赤ちゃんの体重も著明に増加する時期です。

栄養バランスの良い食事とは、主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品そして果物をバランスよく食べることです。厚生労働省が出している「妊産婦のための食事バランスガイド」などを参考にするといいでしょう。

DHA

DHA(ドコサエキサエン酸)は魚類、特にマグロ、イワシなどの海産魚に多く含まれている脂肪酸の一種です。赤ちゃんの脳の発達を促す、早産の予防、生まれてくる赤ちゃんのアレルギー罹患率低下などの効果があるといわれています。

しかし、マグロなど大きな魚には水銀も含まれているためあまり大量に摂取しないで、市販のサプリメントと併用してみるのがいいでしょう。

妊娠28週の注意点2:体重のコントロール

妊娠28週以降の妊娠後期は体重のコントロールがとても大切になってきます。甘いものが無性に食べたくなったり、お腹が大きくなるとともに動くのがおっくうになり活動量が減りがちです。

妊娠28週以降は、お産に対して意識がむいてくる時期かと思います。妊娠に伴う合併症の発生を避けるとともに安産を目指すために、ウォーキングなどの運動をとりいれて体重コントロールをしましょう。ただし、お腹が張る場合は無理しないように気を付けましょう。

妊娠28週の注意点3:早産を予防する

日本では妊娠22週から36週までの出産を早産といい、全妊娠の5%で発生しています。原因は感染や体質によることが多いといわれていますが、常位胎盤早期剥離や、前置胎盤などで人工的に早産にせざるえない場合もあります。

妊娠28週の早産で生まれた赤ちゃんは臓器、特に肺の機能が完成していないので呼吸器官の障害が残る可能性があります。

早産にならないように妊婦健診を欠かさないことや、「何かおかしい」と感じたらすぐに診察受けるようにしましょう。

妊娠28週のときの過ごし方3つ

妊娠28週に入り、いよいよ妊娠後期です。お腹が大きくなることでマイナートラブルが増えて、また少し「しんどいな」と感じることが増えてしないますが、そろそろお産について考えていくのがよいでしょう。

合併症がある等で早めの里帰りを勧められるママもいるかもしれません。急に入院になることも増えてくる時期なので、お産のための準備をすすめましょう。

これからは、妊娠28週からの過ごし方をご紹介します。

妊娠28週の過ごし方1:お産までの流れを学ぶ

お産が近づいてくるとママの体にはいろいろな兆候が表れてきます。お産が始まるサインも人それぞれです。

このようなお産の兆候、お産が始まるサインなどを学ぶことによって、早産などのトラブルのリスクを最小限にすることができ、安心してお産に臨むことができます。

産院や産婦人科で行われている、母親学級ではこのような兆候やサインなどを学ぶことができますので、積極的に参加するといいでしょう。

妊娠28週の過ごし方2:連絡先の確認

妊娠後期に入ると切迫早産などもトラブルも増えるため、いつどこでお産のサインが出てもおかしくありません。出血や破水などが外出中に起こることも考えられます。

そのような緊急時のために、産院の電話番号はもちろん、タクシー会社、家族の連絡先などを必ず持ち歩くようにするといいでしょう。自分で連絡出来ない時の為に、紙に書いたものを持っておくのもいいでしょう。

家族とはどのように連絡を取り合うのか、事前に話し合っておきましょう。

妊娠28週の過ごし方3:入院の準備をする

入院に必要なものは妊娠後期に入った28週から準備を始めましょう。

保険証や診察券、母子手帳は必ず持ち歩きましょう。入院している間に必要な荷物はひとまとめにして、家族がすぐわかるところに置いておくといいでしょう。

妊娠28週は無理をせずのんびりと過ごそう

妊娠28週は妊娠後期の第1週目です。これからママの体も赤ちゃんもお産に向けてラストスパートをかけるとても大事な時期です。ママのおなかがどんどん大きくなるにつれて、色々な心配やトラブルが出てくる頃でもあります。

ママは無理をしないでのんびりと過ごすことを心がけて、赤ちゃんを迎える準備を始めましょう。