妊娠症状

【専門家監修】妊娠31週のママの体の変化5つ|赤ちゃんの様子は?

妊娠31週とは?

妊娠31週とは妊娠後期となる妊娠8ヶ月にあたります。頻繁にお腹が張りはじめ、出産に向けた準備がママの体で始まります。

また、胎児が呼吸をするための機能が完成し始めるのもこの時期で、お腹の赤ちゃんも生まれるための準備を着々と進めています。

妊娠31週の赤ちゃんの様子

妊娠31週の赤ちゃんの平均体重は1,635gです。次第に皮下脂肪がたまってきて、顔はしわくちゃですが、皮膚が滑らかになってきます。

肺呼吸をする時に必要な物質(肺サーファクタント)が急激に増えて、妊娠34週ごろまでには自力で呼吸ができるようになるといわれています。

この時期には、外の世界の明るさも分かるようになってくると考えられています。

妊娠31週のママの体の変化5つ

ようやく人心地ついた安定期をすぎて、いよいよ出産間近となる妊娠後期に入りました。妊娠31週のママの体にはどんな変化があるのでしょうか。

出産まであと少しとなったママの体の変化を5つまとめました。この時期の体の変化に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

妊娠31週のママの体の変化1:負担がかかりやすくなる

お腹が大きくなり、足腰への負担が大きくなってきます。立った状態でつま先が見えなくなってくるので、靴下をはくのも苦労するようになります。

胎児が大きくなるにつれて、ママの体からこれまで以上に赤ちゃんに栄養が送られていくため、疲労感を感じやすくなってくるのも妊娠31週のこの時期です。お腹に圧迫されて血流が滞り、むくみが出やすいので、長時間の立ち仕事などはあまりしないほうが良いでしょう。

妊娠31週のママの体の変化2:息切れしやすい

妊娠31週頃はママの心拍数が妊娠中最大になる時期です。妊娠当初に比べて心臓が送り出す血液の量が増加し、また呼吸回数も増えるといわれています。

この時期は、立っていても座っていても、ちょっとしたことで息切れがしやすい時期です。息苦しい時は動きをとめて深呼吸をしましょう。臨月が近づくと赤ちゃんは骨盤の中に下がってくるので、呼吸も楽になっていくでしょう。

妊娠31週のママの体の変化3:胎動が痛く感じる

子宮が大きくなっておへそよりも上がってきたことで、胎動が強く感じられるようになります。出産に向けた子宮の収縮のためにおかなが定期的に張りだすのも、妊娠後期の特徴です。

お腹が張ってきた時は無理せずゆっくり休みましょう。お腹の赤ちゃんの胎動を数える「胎動カウント」で、赤ちゃんとコミュニケーションをとりながらリラックスするのも良いでしょう。

妊娠31週のママの体の変化4:敏感肌になる

肌が痒くなったり、ニキビが出来たりと妊娠中は肌が敏感になります。これは赤ちゃんを育てるために体内のホルモンが急激に増えていく過程で、ホルモンのバランスが崩れることが原因です。

また、妊娠後期には「妊娠性掻痒症」という病気もあります。妊娠性掻痒症にかかると全身に強いかゆみが出ます。痒みがひどい時は氷水につけたタオルはどで冷やしたり、保湿を心がけて掻き壊してしまわないように注意しましょう。

妊娠31週のママの体の変化5:体重が増えやすい

妊娠31週を含む妊娠8ヶ月になると、お腹の赤ちゃんがぐんぐん大きくなっていきます。この時、お腹の赤ちゃんにママの体の脂肪から作られるブドウ糖が優先的に送られます。

ママの体からブドウ糖がどんどんなくなってしまうので、ママはそれを補うべく甘いものが無性に食べたくなってしまいます。これがカロリーオーバーを引き起こし、体重が増えやすくなってしまう原因といわれています。

妊娠31週で気をつけること4つ

妊娠31週にはこれまでとはまた違った変化がママの体に表れます。それでは、妊娠31週でママは何に気を付けたらよいのでしょうか。

ここからはママが気をつけたいポイント4つを詳しく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠31週で気をつけること1:睡眠不足に気をつける

妊娠31週になるとお腹がかなり大きくなってきます。なので、寝ていても姿勢を保つのが大変です。大きなおなかに圧迫されて、頻尿になり夜中に何度もトイレに行くママも多くなります。

睡眠不足は血流を停滞させ、赤ちゃんにスムーズに栄養を届けられなくなってしまいます。また、睡眠不足は生活のリズムを乱す原因にもなります。抱き枕を使ったり、自分の寝やすい態勢を研究したりして、質の良い睡眠をたくさんとることが大切です。

妊娠31週で気をつけること2:妊娠高血圧症候群のリスクがある

「妊娠高血圧症候群」は以前、「妊娠中毒症」と呼ばれていました。妊娠中に高血圧を発症する病気で、ずっと順調な妊娠生活を送っていたとしても、誰でもかかる可能性があります。

特に、妊娠31週ごろの妊娠後期に発症率が上がるといわれています。軽い頭痛や手足のむくみは多くのママが経験しますが、急な頭痛や胃痛、手足のむくみ、急激な体重増加などは妊娠高血圧症候群の兆候の場合があります。

妊娠31週で気をつけること3:早期陣痛

早期陣痛とは子宮の収縮が頻繁に起こり、子宮頸管が分娩に向かって行く事をさします。時間の感覚は大体20分間に4回以上、または60分間に8回以上です。早期陣痛はそのまま妊娠37週以前に出産する早産へとつながる可能性があります。

また、早期陣痛とは別に妊娠後期に起こりやすい症状としては前駆陣痛があります。前駆陣痛は痛む時間や長さの間隔がまちまちで、暫くすると収まるのが特徴です。

妊娠31週で気をつけること4:前期破水

前期破水とは陣痛が始まる前に破水が起こることをいいます。前期破水は妊娠中のどの時期でも起こる可能性があります。

陣痛が来た後に子宮口が全開大になってから破水が起こることを適時破水といいますが、正期生である37週以降の場合でも前期破水は起こる場合があります。

妊娠37週以降では、前期破水が起こったら入院して陣痛を待つのが一般的です。妊娠37週以前の前期破水は、早産の原因になって赤ちゃんが未熟な状態で生まれてくる可能性があります。

妊娠31週の過ごし方3つ

妊娠31週は出産に向けてママの体にさまざまな変化が起き、これまで以上に体に負担がかかり、出産の兆候も表れ始めます。そんな妊娠31週は、何に気を付けてどんなふうに過ごしたらいいのでしょうか。

ここからは妊娠31週の過ごし方のポイントを3つにまとめ、詳しく紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠31週の過ごし方1:塩分のコントロールをする

妊娠後期になると、足から心臓へ戻る血流がお腹に圧迫されることで、足がむくみやすくなるでしょう。また、この時期は妊娠高血圧症候群を発症しやすい時期にもなります。

どちらも塩分を控えることが予防に役立ちますので、毎日の食事では塩分控えめにするように心がけましょう。

バナナなどのカリウムを含む食品は、余計なナトリウムを体外に排出してくれるので、むくみには効果的といわれています。横になって休むときは足を高くして横になるなど、工夫すると良いでしょう。

妊娠31週の過ごし方2:無理せず休む

赤ちゃんの胎動が活発に感じられるようになり、嬉しい時期でもありますが、お腹の張りや痛みを感じたらすぐに休みましょう。特に前駆陣痛を感じたら、あわてずにゆっくり休むことが大切です。

また、お腹の重みや、むくみや息切れ、腹痛などの不快症状から、疲れを強く感じやすい時期です。疲れを感じたら、無理せず早めに休養をとりましょう。

妊娠31週の過ごし方3:違いを感じたら医師に連絡する

いつもと違う頭痛や、腹痛など、「いつもと違う」を感じたら担当の医師に連絡しましょう。自分では気が付かない間に妊娠高血圧症候群を発症している場合もあります。

また、発熱した場合も風邪と自己判断しないようにしましょう。特に市販薬の服用はおなかの赤ちゃんへの影響が心配されますので注意が必要です。

妊娠高血圧症候群はお腹の赤ちゃんにも影響を及ぼすことがあるので、いつもと違うと不安を感じたら自己判断しないで担当の医師に相談するようにしましょう。

妊娠31週は大切な時期!

妊娠中期の安定期がすぎて、ママの体自体が出産の準備に入っていくのが妊娠31週頃からの妊娠後期です。ママの体の中では、赤ちゃんも生まれるための準備を進めています。

バランスの良い食事をして、疲れをためずに早めに休養をとりましょう。腹痛や息苦しさなどの不快感が日常になってしまう時期ですが、いつもと何か違うと感じたら自己判断せず、医師に相談しましょう。

赤ちゃんに会えるまであと少しです。いつ出産が始まってもいいように、これまで以上に体を大切にして過ごしてください。