妊娠症状

【専門家監修】妊娠29週とは?赤ちゃんとママの体の変化や過ごし方5つ

妊娠29週とは?

妊娠29週になると、いよいよ赤ちゃんに会える日もあと2カ月半に近づいてきました。お腹のキックも激しくなった赤ちゃんは現在から出産までの間に約2倍の体重になるまで成長します。

妊娠後期になった妊婦さんは赤ちゃんのために何に気をつけたらいいでしょうか。妊娠29週の妊婦さんの注意事項や生活スタイルと赤ちゃんの変化をまとめてみました。

妊娠29週の赤ちゃんの体の変化2つ

この頃の赤ちゃんは、聴覚の発達も完成しているので赤ちゃんに話しかけるチャンスです。

妊婦さんや家族の声が赤ちゃんの耳に心地よく届くでしょう。ぜひ積極的に話しかけてみてください。

妊娠29週の赤ちゃんの体の変化1:肺の機能が成熟しはじめる

妊娠29週になると赤ちゃんの心臓や肺、腎臓など内臓器官や脳・骨髄などの中枢神経の機能が成熟しはじめます。

また生まれる準備で横隔膜を上下に動かして呼吸様運動をはじめます。これはお腹の中から外に出たときの呼吸の動きに似ています。しかし、まだママのおなかの外に出て呼吸できるほど発達したわけではありません。

妊娠29週の赤ちゃんの体の変化2:髪の毛や爪の発達

妊娠29週になると骨格もしっかり作られて身体を活発に動かすことができるようになります。以前より胎動を活発に感じるママも多くいるでしょう。

髪の毛も爪もしっかり生えていてきています。指を動かすなどの細かい動きも可能になっています。

胎児の水分循環を担当する腎臓の働きも成長したので水分の多い状態だった赤ちゃんも徐々に、水分の少ない引き締まった体に変わってきます。

妊娠29週のママの体の変化3つ

妊娠29週になるとおなかだけではなく胸や体全体が丸みを帯びてふっくらしてきます。妊娠後期に入っているため、妊婦さんはさらに体が重くなり、動くのがおっくうになるでしょう。

ここからは妊娠29週のママの体の変化について詳しくみていきます。ぜひ参考にしてみてください。

妊娠29週のママの体の変化1:しゃがむのが辛くなる

妊娠29週になるとおなかが大きくなったことで、しゃがむと辛くなります。しかし、しゃがむ動作で使う筋肉はお産の時に必要です。お腹が張るなどなければしゃがむこと自体は問題ありません。

この頃妊婦さんの子宮底長は約25〜28cmまで変化しています。無理をせず楽な姿勢で毎日過ごしましょう。

また大きくなったおなかのせいで足元が見えづらくなってきます。階段や段差のある場所を歩くときは足元を確認して、手すりなどを使い、時間に余裕をもってゆっくり歩くように心がけましょう。

羊水過多

妊娠29週前後で羊水量はピークを迎え、800ml近くになります。この羊水が800ml以上になってしまうことを羊水過多といいます。

羊水過多になってしまうと急にお腹が大きくなってしまいお腹が張りやすくなり動悸・呼吸困難・頻尿などがみられます。

超音波検査で羊水の量を測ることで羊水過多かどうかわかります。羊水過多になった場合は安静に過ごしながら慎重に様子をみて、場合によっては羊水穿刺で羊水を外に出す治療をすることがあります。

妊娠29週のママの体の変化2:体重が増える

妊娠29週になると妊婦さんはどんどん体重が増えていく時期になります。普通体型の妊婦さんで妊娠期間に7kg~12kgの体重増加量が理想です。妊娠後期は週の体重増加の理想は0.3kg~0.5㎏を目標にしましょう。

体重増加を管理することは難しいことですが神経質にならずに、週に0.5㎏の増加程度でとどめることを意識しましょう。

1日の摂取エネルギー

妊娠29週は赤ちゃんと妊婦さんの食生活にとって大切な時期です。妊娠後期の時期は通常時の1日の摂取カロリープラス450calを心掛けてください。

食事では大切な栄養素のカルシウムと鉄分を摂取しましょう。鉄分は1日あたりの鉄分は少なくとも30mg摂取しましょう。

カルシウムは妊婦さんと赤ちゃんの骨や歯を強くしてくれます。1日あたりのカルシウムは1,000mgを摂取するようしましょう。

妊娠29週のママの体の変化3:息切れしやすくなる

妊娠29週になると息切れの経験をされたママもいます。子宮が大きくなって下腹の内臓が圧迫されることで胃や肺を押し上げられて息苦しくなってしまうのです。

息苦しさがなくなるように普段から良い姿勢を保ち肺の負担を減らすようにしましょう。急激に動いたり無理をしないようにしてください。

身体を動かしたことで負担がかかったときには横になって身体を休め、正常な呼吸を意識しましょう。

妊娠29週で気をつけること3つ

妊娠29週になると赤ちゃんは、健診のたびに大きく成長しています。そして妊婦さんの体も大きく変わっていることを実感するでしょう。

あまり気にしすぎるのはよくありませんが知識をつけることは安心につながります。妊娠29週の時期にはどのようなことに気を配りながら生活すればよいのか確認してみましょう。

妊娠29週で気をつけること1:羊水過少

羊水過少とは妊娠後期の羊水の量が100ml以下の状態をいいます。羊水が少なくなるとお腹の大きさが週数に比べて小さくなり胎動が強く感じられます。

ママにできることは赤ちゃんの胎動をこまめにチェックすることです。赤ちゃんの体になんらかの問題があるために発育不全を起こし赤ちゃんの元気がなくなってしまうこともあります。

経過を診ながら必要に応じては人口羊水を注入したり早めに出産することもあります。

妊娠29週で気をつけること2:お腹の張り・痛み

妊娠29週になるとお腹が大きくなりお腹の張りや痛みを感じることが増えるでしょう。お腹の張りは問題が起きているサインの場合があります。

お腹の張りを感じたら、座ったり横になったりしてまずはゆっくり休みましょう。休んで治まるのであれば心配はいりません。

しかし休んでも痛みを伴う張りがおさまらない、出血を伴うなど自覚症状がある時は速やかにかかりつけ医に相談しましょう。

本陣痛

お腹の張りか陣痛か区別がつかずに不安になる方も多いでしょう。お腹の張りと陣痛の大きな違いは規則的に陣痛発作があるかないかといわれています。陣痛は一旦はじまると止めることが出来ず、陣痛発作と休止を繰り返します。

これは子宮の中にいる赤ちゃんを子宮の外に出そうとして子宮を強く収縮することで強い痛みを感じるのです。

1時間に6回以上規則的に陣痛発作を繰り返すと分娩がはじまったことになり、出産に近づくにつれ間隔が狭くなります。

妊娠29週で気をつけること3:下肢静脈瘤ができる

下肢静脈瘤は足が痛くて場合によってはかゆい、青い静脈のこぶができることです。ママの大きくなった子宮が静脈を圧迫するので出るといわれています。

下肢静脈瘤は見た目が悪いので心配な方も多いでしょうが命にかかわるものではありませんので安心してください。

痛みを和らげるためには長時間同じ姿勢でいることを避け足の血流の循環をよくしましょう。また太ももやひざを締め付けないタイプの弾性ストッキングを履くのが効果があるといわれています。

妊娠29週の過ごし方5つ

いよいよ妊娠後期に入ったのでいよいよ出産も間近に感じてきます。健診のたびに大きくなる赤ちゃんと妊婦さんのおなかのためにはどんな毎日を過ごせばいいでしょうか。

今赤ちゃんのためにできることをまとめてみました。体調がよい日にゆっくり準備してみてはいかがでしょうか。

妊娠29週の過ごし方1:定期的に受診する

妊娠24週から35週までは2週間に1回定期健診が必要になります。腹囲、子宮底長、エコー、胎児の心音確認など胎児が問題なく成長しているかどうか確認できます。

また、必要があれば血液検査などで、合併症にかかっていないかなど確認したり、経腟超音波検査で早産のリスクを検査する場合もあります。

少しでも体調に不安に異変がある時は、健診以外の日でも産婦人科の受診が必要か問い合わせてみましょう。

妊娠29週の過ごし方2:呼吸法を学ぶ

出産の時呼吸をコントロールすることで陣痛の痛みを和らげる方法がいくつかあります。一般的に有名なラマーズ法やブラッドリー法やソフロロジーなどの呼吸法です。呼吸法を学ぶと緊張の緩め方や痛みのコントロールを図りながら分娩することができます。

またこの時期はマタニティクラスに参加するのもオススメです。出産の不安が解消できたりリラックス方法を教えてくれます。出産予定の産婦人科や保健センターで開催していないか確認し、積極的に参加しましょう。

妊娠29週の過ごし方3:病院の規定を再確認する

今は自然分娩か無痛分娩か、出産方法が選べるようになってきています。家族で話して出産する病院や助産院などの施設で、希望の出産方法が可能か確認してみましょう。

お産に誰が立ち会えるのか、その時写真やビデオ撮影はできるのか無痛分娩は選択できるのか、出産後は母子同室なのかなどなどお産に対する疑問を書き出してみましょう。

施設の見学などもできるようでしたらぜひ積極的に参加しましょう。事前に再確認することで不安が解消されるでしょう。

バースプラン

バースプランとは妊娠・分娩・入院中の妊婦さんが希望を記入する紙のことをいいます。医学的・施設的に無理なこともあるのですべての項目を医師や助産師が叶えてくれるわけではありません。

しかし一生に数回のお産を妊婦さんがストレスなく自分らしく過ごせるようにとバースプランを推奨する産院が増えています。

お産の中であなたが一番こだわっていることや、やりたいこと、そして避けたいことなど明記しておくことで心の準備ができるでしょう。

妊娠29週の過ごし方4:赤ちゃんを迎える準備をする

体調がよいときは生まれてくる赤ちゃんの育児グッツを準備しましょう。出産間近に慌てて購入すると買い忘れなどにつながります。

まずは必要なものをリストアップしてみましょう。育児用品コーナーをいくつか回ると値段の相場や底値などもわかってきます。

その時はぜひパパと一緒に買い物に行きましょう。必要なものをシェアしあうと出産後のパパ1人の買い物がスムーズになるでしょう。

妊娠29週の過ごし方5:産後の情報収集をする

赤ちゃんが生まれた後に、産後のサポート体制について家族で相談しておきましょう。家族内で体制を整えられなければ行政サービスの利用も検討するとよいでしょう。

産後1カ月は、家事全般はママ以外の人が行うことが理想的です。ママの出産後の体が完全に元に戻るまでには6~8週間かかるといわれています。育児と自分のことをする以外の時間はゆっくり休める環境を整えましょう。

また、共働きの方は、保育園の情報収集をすすめておくのもよいでしょう。赤ちゃんが生まれた後になると忙しくてなかなか思う通りに調べることは難しい可能性もあります。

妊娠29週は体調のいいときに出産準備を始めよう!

妊娠29週になるとお腹が大きくなって出産が間近になってきたと実感する妊婦さんも多いかと思います。赤ちゃんも脳が発達し呼吸を練習して出産に向けて準備をすすめています。

臨月になると健診の回数も増えて忙しくなってしまいます。ぜひ今の時期のうちに赤ちゃんをお迎えする準備を進めていきましょう。

準備を進める時には自分の体調に合わせて無理をしないよう余裕のあるスケジュールで過ごしましょう。