妊娠症状

【専門家監修】妊娠9ヶ月の特徴4項目|妊娠9ヶ月の時期にしておくことは?

妊娠9ヶ月とは

妊娠9ヶ月は32週~35週のことを指します。今まで固かった子宮頸部が柔らかくなり始め、母体が出産の準備を始めます。

赤ちゃんと対面するのも、あと1ヶ月ほどの時期です。この時期、母体やお腹の中にいる赤ちゃんにはどのような影響が出始めるのでしょうか?

母体や赤ちゃんに現れる影響や、妊娠9ヶ月の過ごし方などを紹介します。

妊娠9ヶ月の特徴4項目

妊娠9ヶ月とはどのような特徴がみられるのでしょうか。胃もたれ、頻尿、足腰の痛みといったトラブルも起こりやすく、体調不良を起こしやすい時期です。

母体の状態や赤ちゃんの状態など、妊娠9ヶ月にみられる体調の変化についてまとめてみました。これから起こる体調の変化を知ることで、心の準備をすることができます。

妊娠9ヶ月の特徴1:母体の状態

妊娠9ヶ月になると子宮底長が30cm~32cmにもなり、お腹もかなり大きくなります。お腹が大きくなったことで胃もたれや息苦しさを感じ、さらに体が重たくなったことで疲れやすくもなります。

体重が急激に増加すること、大きくなった子宮に圧迫されることにより動悸がでやすくなる時期です。無理をせずに自身の体調の変化に細かく気を配りながら、新生活へ向けての準備が必要となります。

妊娠9ヶ月の特徴2:赤ちゃんの状態

妊娠9ヶ月になると、赤ちゃんは40~90分感覚でレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すようになります。これはお腹の中での赤ちゃんの睡眠の質が高くなっているということです。

肺呼吸の際に必要となる肺サーファクタントが、32週から作られ34週を目安に急増します。この肺サーファクタントが急増すると、自力で呼吸ができるようになるサインです。

個人差がありますが、赤ちゃんの体重は1,650~2,663gとなります。

妊娠9ヶ月に行なう検査

お腹にいる赤ちゃんの状態を知るために行うのが、胎児評価です。胎児評価とは赤ちゃんの心拍数を調べるモニタリングテスト、NST(ノンストレステスト)とも言います。

NSTは34週~36週くらいに行われる検査です。赤ちゃんにとってストレスの無い状態で、心拍数をはかり、赤ちゃんの健康状態を評価します。検査中に赤ちゃんが寝ている時には、音を出して起こすことがあります。

妊娠9ヶ月の特徴3:現れやすい症状

個人差はありますが、妊娠9ヶ月になると母体にさまざまな症状が出やすくなります。いわゆるマイナートラブルです。

マイナートラブルは子宮が大きくなることで、心臓や胃腸、膀胱などが圧迫され発生します。尿もれや痔などは、なかなかオープンに相談しづらいと感じる人もいるかもしれませんが、妊娠後期なら起こりやすいトラブルです。

ストレスに感じる必要はありません。対処方法などもあるので、乗り切っていきましょう。

胃もたれ・動悸・息切れ

35週後半になってくると、みぞおち部分に圧迫感を覚えるくらいお腹が大きくなってきます。この時期から胃もたれや動悸、息切れなどの症状が出てくる人がいるでしょう。

みぞおちが圧迫されることで息苦しく感じたり、血液の循環量が増えることで心臓などへの負担が増えたりすることで起きます。胃も圧迫されるようになり、胃もたれや食欲不振などの症状も出てきます。

頻尿・尿漏れ

頻尿や尿漏れも、大きくなった子宮により膀胱が圧迫されて出てくる症状
です。
骨盤底筋群がゆるくなることで、ちょっと力を入れた時やくしゃみの時などに尿漏れを起こすことが良くあります。

膀胱に尿を溜められる量も少なくなるので、頻尿になりやすい時期です。我慢をすると膀胱炎などの原因になってしまうので、我慢をせずにトイレに行くようにしましょう。

尿漏れが気になる時には、尿漏れパッドなどを利用すると安心です。

便秘・痔

大きくなった子宮は、胃腸を圧迫し働きを弱めてしまいます。胃腸の働きが弱ることで、腸のぜん動運動も活発に行われなくなり便秘を引き起こします。

また女性ホルモンの影響により腸内の水分が奪われることも、便秘の原因のひとつです。そして便が固くなることで、お尻に負担がかかり痔になりやすくなります。子宮により肛門周りの血流が圧迫されることも、痔になる原因のひとつです。

食生活や運動などで解消できることがあります。

貧血

妊娠9ヶ月になると貧血によるめまいや立ちくらみなどを感じる人も増えてきます。出産時の出血に備えて、妊娠中はたくさんの血液が作られます。母体の血液は、通常の1.5倍の量にもなるそうです。

しかし液体成分である血漿(けっしょう)の量だけが多くなり、赤血球の量はあまり増えないので貧血のような症状が出てきます。この症状は、食生活やサプリメントなどで補っていくのが良いでしょう。

足腰や骨盤の痛み・手足のむくみ

大きくなったお腹を支えているので、必然的に足腰や骨盤の痛みなどは出てきてしまいます。同じ姿勢で長時間いると、痛みがより強くなってしまうことがあるようです。

これらの痛みは、ストレッチや運動などで軽減していきます。適度に運動をすることで、足腰の骨盤の痛みや、手足のむくみの解消に繋がるのでおすすめです。

妊娠9ヶ月の特徴4:起こりやすいトラブル

これから始まる出産に向けて、起こりやすいトラブルもいくつかあります。尿漏れだと思っていたら、破水をしていたというトラブルも妊娠9ヶ月に起こりやすいトラブルです。

これは前期破水と言って、放置してしまうと子宮内感染に繋がってしまうので早めに治療が必要となります。また急なむくみや、急激な体重増加、蛋白尿などは妊娠高血圧症候群の可能性も疑われます。気になる症状があれば、遠慮なく医師に相談しましょう。

妊娠9ヶ月の過ごし方5つ

妊娠9ヶ月となると、赤ちゃんとの新しい生活が始まるのもあと少しです。いまの時間を大切にしながら、出産前後に慌てることがないように余裕を持って準備をしていきましょう。

出産への備えは人それぞれです。自宅で出産準備に入る人もいれば、里帰り出産を考えている人もいるでしょう。出産後の手続きもスムーズに済むように、今のうちに確認しておくことが大切です。

妊娠9ヶ月の過ごし方1:胎動をチェックする

32週を超えたら、毎日胎動をチェックし赤ちゃんが元気に過ごしているかを確認します。胎動チェックは1日数回でOKです。横になって落ち着いている時に、確認していきましょう。

胎動の感じ方は人それぞれですが、いつもに比べて胎動が明らかに少ない場合などは、医師に相談するようにしましょう。

妊娠9ヶ月の過ごし方2:食事や運動を工夫する

妊娠9ヶ月に出てくるマイナートラブルを乗り越えるためにも、食事や運動の工夫が必要です。母体を安静にして過ごすのが一番ですが、多少の運動をすることで急激な体重増加や便秘、むくみなどの解消に繋がります。

また胃が圧迫されることにより、食欲不振になることがありますが、栄養はしっかり摂取しなければなりません。食べなくなると栄養不足になってしまうので、少量ずつ複数回に分けて食事をするなどの工夫が必要です。

妊娠9ヶ月の過ごし方3:里帰り出産の場合は帰郷する

里帰り出産を考えている時には、34週を目安に帰郷しましょう。出産の際にお世話になる病院での検診回数を増やして、準備をしていくことが大切になります。

飛行機を利用しての帰郷は、お腹が大きくなると座席が窮屈に感じてしまいます。可能であれば妊娠中期までの方が、飛行機での帰郷の場合は安心です。出産予定日が近くなればなるほど、リスクも高くなるので気をつけましょう。

妊娠9ヶ月の過ごし方4:出産や入院に備える

出産後は目まぐるしいほど、忙しい日々が待っています。今のうちに出産や入院に備えた準備をしていきましょう。

部屋を片付けて赤ちゃんが過ごすスペースを作ったり、食事を作り置きしたりできるのも今がチャンスです。また出産報告を誰にするのか、どのような方法でするのかも事前に決めておくと慌てることがありません。

おむつや着替えなど赤ちゃん用のアイテムや、入院に必要なものも準備しておきます。

妊娠9ヶ月の過ごし方5:産後を見据えた手続きの確認

出産後はさまざまな手続きが必要となります。赤ちゃんの出生届は出生日から14日以内に届けなければなりません。使える漢字と使えない漢字があるので、事前に名前は決めておくと安心です。

出産してから慌てることが無いように、必要な手続きや確認しておきたい項目などを書き出しToDoリストを作っておきましょう。またパートや派遣で働いている人は、申請をすれば出産手当金が出る場合もあります。

妊娠9ヶ月は万全の備えが必要な時期!

出産も間近となっている妊娠9ヶ月は、これから始まる新生活に向けて万全の備えが必要な時期です。さまざまな準備が必要になりますが、妊娠後期特有の症状も出てきます。

自分自身を大切にし、症状を軽減できる運動や食生活に気をつけながら母体と赤ちゃんの体調を第一優先にして暮らしていきましょう。