妊娠症状

【専門家監修】妊娠10週の妊婦と胎児の様子は?気をつけるポイント5つを紹介

妊娠10週とは?

妊娠10週とは、妊娠3か月のことを指し、赤ちゃんの大きさはまだまだ小さいですが、身体の不調があらゆるところに現れ始める時期です。妊娠初期ですので、流産の可能性は安定期より高く、無理は禁物です。

妊娠10週は妊婦本人だけでなく、パートナーも注意すべき点があります。赤ちゃんはまだまだ小さくても、心臓も動いていて臓器もある立派な人間ですので、大切に守る行動をしましょう。

心身ともに不安定

妊娠中、特に妊娠初期は体調不良や親になる楽しみと不安などから、心身ともに不安定になりやすいです。安定期前なので、まだ妊娠の事実を周りの人に言っていない人も多く、職場などで体調が悪くなっても我慢せざるを得ないこともあります。

つわりで食事をうまく摂れないことが続くこともあり、それにより栄養が足りずに疲れやすかったり、気分が落ち込みやすかったりして、つらいと感じる人も少なくありません。

妊娠10週の胎児の様子3つ

妊娠10週にもなると、子宮が握りこぶしほどの大きさになり、下腹が少しふっくらしてくる人もいます。エコーで胎児を見ると、頭と胴体が見える状態で、手足はまだはっきりと見えないことが多いです。

胎動を感じるのはまだ先ですし、妊婦検診の頻度も少ないので、胎児の様子が分かりにくく、不安になる妊婦さんもいるのではないでしょうか。ここでは、妊娠10週の胎児の様子を3つ紹介します。

妊娠10週の胎児の様子1:大きさ

妊娠10週の胎児の大きさの目安は、頭からお尻までの長さ(頭殿長)は約3cm、体重は10gほどとされています。体重がまだまだ軽く、お腹の中に赤ちゃんがいる感覚がまだ分かりにくい時期です。

ただし、妊婦検診で大きさが平均よりも大きい・小さいで一喜一憂しないようにしましょう。精神的に不安定な時期ですので、ネットなどの情報に振り回されず、不安なことがあれば医師に相談しましょう。

妊娠10週の胎児の様子2:器官の発達

妊娠10週では、脳、心臓、肝臓、腎臓などの臓器の原型がほぼ形づくられ、神経系が反応したり、肝臓、胃、腎臓などの臓器が機能して羊水を飲んで尿を排泄したりするようになります。性器も発達しますが、エコーではまだ確認できませんので、性別の判断は難しいです。

また、妊娠10週で受けられる出生前診断もあります。希望する人はパートナーとよく話し合った上で、もし何か問題があっても乗り越えられる心の強さが必要です。

妊娠10週の胎児の様子3:頭と胴体がわかる

妊娠10週では、エコーで頭と胴体が分かるようになります。手足は妊娠5週ごろから芽はできていますが、エコーで確認できるようになるのは妊娠11週以降だと言われています。

頭と胴体が分かるようになると、心臓の位置も分かりやすくなります。超音波ドップラーで心臓の鼓動を聞くことができ、妊娠10週の心拍数は1分間180回ほどで妊娠中のピークです。

妊娠10週の妊婦の様子5つ

妊娠中は、母子に危険があるわけではなくてもマイナートラブルと言われる身体の不調がいくつか現れます。程度や時期に個人差はありますし、まったく不調を感じない人も中にはいますが、赤ちゃんをお腹の中で育てている以上、非妊娠時と同じように動くことは避けたいものです。

ここでは、妊娠10週での妊婦さんの様子を5つ紹介します。これから10週を迎える妊婦さんは、ぜひ頭に入れておいてください。

妊娠10週の妊婦の様子1:トイレが近くなる

妊娠10週になると、子宮が握りこぶし大ほどに大きくなるために膀胱が圧迫され、また、子宮の筋肉を緩める働きを持つ黄体ホルモンの分泌により膀胱の筋肉が弱められてしまうため、トイレが近くなる場合があります。

尿意を我慢すると膀胱炎になってしまう可能性があるので、尿意を感じたらすぐにトイレに行きましょう。妊娠中は免疫力が低下していますので、今までかかったことのないような病気にもかかりやすくなっています。

妊娠10週の妊婦の様子2:眠気や倦怠感が出る

妊婦さんは、ホルモンバランスが急激に乱れることにより、また、妊娠を継続するのに必要なプロゲステロンというホルモンが眠気を促す働きを持っているため、眠気や倦怠感が出やすくなります。

妊娠を公表できる時期ではないので、仕事などで気軽に休憩をはさむことは難しいかもしれませんが、できるだけ無理をせずに過ごしましょう。また、眠気や倦怠感が強いときは車の運転は控えましょう。

妊娠10週の妊婦の様子3:吐き気がする

つわり(吐き気)は妊娠10週~12週ごろにピークを迎える人も多く、十分に食事を摂ることが難しくなる場合もあります。

妊娠と言えばつわり、と言われるくらい、つわりは妊娠時の不調の代表的なものですが、つわりの程度は個人差が大きく、また、妊娠初期段階だと周りに妊娠を公表していないことが多いので、周りに頼ることが難しい人も多いでしょう。

あまりにもひどい場合は、医師に相談してみましょう。

妊娠10週の妊婦の様子4:頭痛がする

妊娠初期の頭痛には片頭痛、緊張型頭痛、風邪やインフルエンザなどによるものの大きく3つに分類されます。

片頭痛は、妊娠によるホルモンバランスの乱れから来るものです。緊張型頭痛は、運動不足や眼精疲労など、筋肉のコリが原因となる頭痛です。

風邪やインフルエンザによる頭痛以外は、規則正しい生活や適度な運動で和らげることができることがありますので、無理ない程度に心がけましょう。

妊娠10週の妊婦の様子5:気持ちの浮き沈み

妊娠初期は、ホルモンバランスの乱れに加えて、身体の変化に心がついていけなかったり、今まで通りの生活が送れないもどかしさなどにより、精神的に不安定になりがちです。

つわりなどのマイナートラブルにより、イメージしていたマタニティライフとかけ離れたものになってしまうなど、気持ちの浮き沈みが激しくなってしまいます。1人で抱え込まずに、周りの人に助けを求めることが大切です。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント5つ

妊娠10週といえど、無事に産まれてきてくれるまで安心できません。どんな時でもお腹で赤ちゃんを育てていることを最優先に考え、無事に育つように日々の生活でも注意しましょう。

ここでは、妊娠10週の妊婦さんが気を付けるポイントを5つ紹介します。赤ちゃんだけでなく、妊娠のためには母体の健康が大切になってきますので、ぜひ参考にしてください。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント1:食べられるものを食べる

つわりが始まると、吐き気で十分に食事がとれなかったり、食の好みが変化したりしますが、つわりの時は食べられるものを食べられる時に食べましょう。つわりでバランスのいい食事が摂れなくても、赤ちゃんは母体から栄養を貰って成長しています。

無理して規則正しく、バランスのいい食事を摂ろうとしても、嘔吐してしまいます。この時期は、無理せずに食べられるものを食べるようにしましょう。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント2:水分を補給する

前の項目でつわりの時は食べられるものを食べられる時に無理せず食べましょう、と伝えましたが、水分は注意が必要です。つわりで食べることが難しくても、こまめな水分補給だけは心がけましょう。

つわりで水分補給すら難しくなった場合は、入院が必要なことがありますので、すぐに医師に相談してください。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント3:つわりがひどいときは病院へ

つわりがひどくて体重が妊娠前より5kg以上減少したときや、起きていられないくらいのだるさがあるときは、すぐに医師に相談しましょう。ビタミンB1欠乏症や脱水による深部静脈血栓など、危険な病気が潜んでいる可能性があります。

赤ちゃんを無事に育てるためには、母体の健康も必要です。つらいときは医師に相談しましょう。妊婦でも飲める薬を処方してもらえたり、場合によっては入院による治療になることもあります。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント4:無理をしない生活を送る

妊娠10週は安定期前なので、職場への報告をしていないために無理して仕事をする妊婦さんは少なくありませんが、可能であれば、上司だけにでも報告してサポートや配慮をしてもらえるよう打診しておくといいでしょう。

無理のある生活を続けてしまうと、最悪の場合流産につながってしまう可能性もあるので、母体と赤ちゃんの健康を第一に考え、無理をしない生活を送れるようにしましょう。

妊娠10週の妊婦が気をつけるポイント5:不正出血に注意

妊娠初期の出血は少量で、鮮血でなければそこまで問題ではない、と言われていますが、身体に何かが起きていることは間違いないです。

出血が大量だったり、長く続いたり、鮮血の場合はすぐに医師に相談しましょう。少量の場合は、電話などで一度問い合わせてみるのもいいでしょう。

ただし、心配であればエコーで赤ちゃんの無事を確認することができるので、その旨を医師に伝えましょう。

妊娠10週の妊婦は体調を考慮して無理のない生活を送ろう

妊娠10週は、マイナートラブルなどに悩まされる妊婦さんも非常に多いので、その日の体調を考慮しながら、無理のないマタニティライフを送りましょう。安定期直前で流産の可能性も低くなったとはいえ、まだ楽観しすぎず、赤ちゃんを守る行動をしましょう。

また、パートナーはもちろん両親や友人、仕事仲間など頼れる人には頼りながら、無理せず過ごしましょう。