妊娠症状

【専門家監修】妊娠初期は頻尿になりやすい?原因や膀胱炎についても解説

妊娠初期とは?

妊娠初期とは、妊娠4ヵ月の終わりである妊娠15週目までをいいます。妊娠周期は、受精卵ができた日から数えるのではなく、最終月経がはじまった日を妊娠0カ月0日として数えはじめます。

そのため、妊娠超初期の時期にはまだ妊娠に気づいていないママも多く、日頃から生理周期が安定している人で、次の生理予定日である妊娠4週目あたりが妊娠を意識し始めるようになる頃です。

妊娠の初期症状5つ

ママの体の中では、妊娠3週目には受精卵が着床し妊娠が成立します。そのため早い人は妊娠4週目頃から、妊娠によるさまざまな初期症状を感じ始めます。

妊娠初期によく耳にする症状として「つわり」がありますが、実はほかにもさまざまなトラブルや変化が起こる可能性があります。

妊娠の初期症状1:気分が悪い

よくテレビや漫画で目にするような吐き気をもよおすものや、貧血のようにめまいや立ちくらみをともなうもの、漠然と胃のむかつきや胸やけを感じるような場合もあります。

軽度のものであれば少し休めば回復する場合も多いですが、症状の重い人は立ち上がれなくなってしまうほどひどいこともあります。とにかく無理はせず、ひどい場合は医師に相談することが大切です。

妊娠の初期症状2:胸の張り

妊娠初期には女性ホルモンの分泌が盛んになり、胸の張りを感じることがあります。生理前の症状として同じように、胸の張りを感じたことのある女性も多いのではないでしょうか。

また、乳頭にチクチクと違和感を感じることもあり、洋服やブラジャーとの擦れが気になる場合もあります。体がホルモンの変化に慣れてくれば自然と症状はなくなっていくので、気になる場合は下着の締め付けを軽くするなど楽に過ごすことを心がけましょう。

妊娠の初期症状3:熱っぽい

通常の場合、女性の体温は生理周期に合わせて、低温期と高温期を繰り返しています。しかし妊娠が成立した場合は、生理開始予定日頃から低温期に入るはずの体温が高温のまま続いていきいつもより体温が高い状態が維持されます。

高熱というわけではありませんが、人によっては熱っぽさによって体のだるさを感じることもあるので、体を冷やさないようにしてゆっくり過ごすようにしましょう。

妊娠の初期症状4:便秘

妊娠すると、ホルモンの影響を受けた腸の動きが通常時よりも悪くなり、便秘を起こす可能性があります。便が硬くなったり、普段より回数が減ったりした場合は、妊娠によるホルモンが原因かもしれません。

水分をたくさん摂取し、負担にならない程度の運動や食事に食物繊維を多く取り入れることが大切です。なかなか良くならない場合は、妊婦でも飲める便秘薬を処方してもらうこともできるので、医師に相談してみましょう。

妊娠の初期症状5:おりものの変化

エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが増加することにより、おりものの量が増えたと感じる人が多くなっています。おりものには個人差もありますが、妊娠が進むにつれて、普段より水っぽく、さらっとしたおりものになっていく場合が多いようです。

おりものの変化は、妊娠経過に問題がなければそれほど心配はいりませんが、清潔な状態を保つことが大切です。下着をこまめに取り換えたり、おりものシートなどを利用したりするのがおすすめです。

妊娠初期は頻尿になりやすい?

妊娠してからトイレの回数が増えた気がする、というママも多いのではないでしょうか?お腹の大きな妊娠後期の妊婦さんが頻尿になるというのは聞いたことがあっても、妊娠初期の頻尿って関係あるの?と思うかもしれません。

しかし、実は初期の頻尿も妊娠が原因で起こる、初期症状のひとつなのです。

頻尿になる原因4つ

妊娠初期の頻尿には4つの原因があります。頻尿には一日何回以上などといった定義はありませんが、普段より明らかに回数が増えていたり、夜間にトイレに起きてしまうようであれば頻尿になっている可能性は高くなります。

頻尿になる原因1:女性ホルモンの影響

妊娠中に分泌量が増える女性ホルモンには、子宮の筋肉を緩ませる働きがあります。このホルモンは子宮の筋肉だけでなく、膀胱の筋肉にも影響を与えてしまう場合があり、それにより人によっては頻尿が引き起こされるのです。

ホルモンの分泌量や体が受ける影響の度合いには個人差が大きく、この時期には全く頻尿にならなかったという人もいます。

頻尿になる原因2:膀胱を圧迫されるから

妊娠初期はまだ目に見えるほどお腹の大きさに変化がないため、なかなか意識しづらいですが、子宮は赤ちゃんのスペースを確保するために着実に大きくなっています。膀胱は子宮の前方に位置しているため、大きくなるにつれて圧迫されていき尿を貯める容量が減っていってしまうのです。

妊娠中期に入るころには、子宮の位置があがっていくため、頻尿の症状が緩和されることもあります。

頻尿になる原因3:冷え

頻尿は、体の冷えが原因の場合も多くあります。妊娠する前から体の冷えが気になるという女性も多く、通常時よりも頻尿になりやすい妊娠中は特に注意したいポイントです。

自宅でも靴下をはいたり、冷たいものを一気に飲まない、ひざかけを使うようにするなど、ほんの少し意識するだけで冷えは防ぐことができます。冷えてしまったなと感じた時は、お風呂で温まるなど、しっかり対策をしておきましょう。

頻尿になる原因4:血流が増えるから

女性は妊娠すると、通常時よりも血液の量が増加します。血液の増加は腎臓の働きを活発にし、体にたくさんの尿が作られてしまうのです。

尿の量が増えることで頻繁にトイレに行きたくなってしまうほかにも、ふとした時に尿もれをしてしまうこともあるかもしれません。妊娠中の尿のトラブルは誰でも経験する可能性のあることです。気になる場合は尿もれパットやおりものシートを使うのもおすすめです。

妊娠初期に頻尿になってしまったときの対策3つ

それでは、実際に妊娠初期に頻尿になってしまった場合は、どのようなことをしたらいいのでしょうか。誰でもできる3つの対策と、なぜそれが必要なのかを合わせてご紹介します。

つわりなどで体調が悪い人も多い時期ですので、少しでもトラブルを減らすことができるように、しっかり対策をしていきましょう。

頻尿になってしまったときの対策1:水分を摂取する

頻尿になると、トイレの回数を減らすために水分の摂取を控えてしまう人がいます。しかし、水分を控えることは、脱水症状や便秘の原因となり、妊婦さんの体にとっていいことではありません。また、赤ちゃんに送る血流量が減ると胎児発育遅延などに繋がるリスクもあります。

妊娠中はお腹の赤ちゃんへの水分が優先され、ママの体は水分不足になってしまうことが多いのです。

頻尿だからといって水分の摂取を控えるのではなく、温かい飲み物を飲んだり、こまめに少しずつの摂取を心がけるようにしましょう。

頻尿になってしまったときの対策2:我慢しない

妊娠中は膀胱の尿をためておける容量が減っているため、尿意を感じたらすぐにトイレに行くことが大切です。さっき行ったばっかりだからと我慢してしまうと、ストレスもたまりますし、最悪の場合膀胱炎になってしまう危険もあります。

車に乗っていたり、誰かとの外出時はトイレが心配になるかと思いますが、気のおける仲の人には妊娠のためトイレが近いことを説明しておくといいかもしれません。

頻尿になってしまったときの対策3:カフェインを控える

過剰摂取は胎児の成長にも影響を与えるといわれているカフェインですが、実は利尿作用もあり頻尿の場合も摂取を控えたい成分となります。

しかし、コーヒーや紅茶などを飲むことが毎日の習慣になっている人には、控えることがストレスになってしまうこともありますので、カフェインレスの商品を上手く使って対処していくのがおすすめです。

最近はデカフェと呼ばれるカフェインレスのコーヒーや紅茶の種類もずいぶん豊富になってきています。

妊娠中になりやすい膀胱炎の知っておきたい症状3つ

妊娠中は免疫力が下がっているため、尿意を我慢してしまうと、膀胱炎になるリスクがあります。また、妊娠による頻尿なのか膀胱炎の症状なのかの違いが分かりづらく、知らないうちに膀胱炎になっていたということもあるのです。

膀胱炎の症状1:排尿痛

尿を出すときに痛みや、気持ち悪さを感じた場合は膀胱炎の可能性があります。妊娠による頻尿の場合は、トイレの回数は増えますが痛みをともなうということはありません。

排尿痛を感じた場合はなるべく早く病院に行くようにしましょう。

膀胱炎の症状2:尿の色が濁る

膀胱炎になると尿の色が白濁しているように濁ることがあります。トイレに行ったときに、尿の色がいつもと違うと感じたら膀胱炎のサインかもしれません。

健康状態の把握のためにも、普段からしっかり尿の色を確認するようにしましょう。

膀胱炎の症状3:残尿感

トイレに行ったばかりなのにまだ尿が残っている気がする、というのも膀胱炎の症状のひとつです。頻尿の場合、違いが分かりづらいかもしれませんが、尿を出し切ったときに残っている感覚があるかどうかがポイントです。

残尿感があるような気がする、という場合でも早めに病院で診察してもらうのが安心です。

妊娠初期の尿意は我慢しないようにしよう

何度もトイレに立ったり、外出先でトイレの心配をしたりと、頻尿は妊娠初期のママにとって負担になる症状です。頻尿になってしまったら、膀胱炎にならないためにも絶対に我慢はせず、少しでも症状が良くなるようにしっかりと対策を行うことが大切です。