妊娠症状

【専門家監修】安定期とは?安定期にやること5つや安定期の過ごし方

安定期とは?

安定期とは、妊娠5〜7ヵ月・週数は16週から28週未満をいい、比較的体調が安定する時期の事を言います。

妊娠初期に比べると、流産のリスクが低く、つわりなどの不調も落ち着きを見せ、安定した妊娠生活が送れるようになります。トラブルが全く起こらないわけではないので、無理のない過ごし方をしましょう。

また、お腹の赤ちゃんも安定期以降は、ぐんぐん大きくなって活発な動きが感じられ、妊婦さんにはとてもうれしい時期です。

戌の日

戌の日とは、十二支の中の戌のことを意味し、暦の上で12日サイクルで1度めぐってくる戌の日の事を言います。

干支の戌の力、一度にたくさんの仔犬を出産する事にあやかり、日本では妊娠5ヶ月目の最初の「戌の日」に腹帯を巻いて安産を祈願する習わしがあり、これを「帯祝い」と言います。この腹帯のことを「祝い帯」や「岩田帯」と呼びます。

「帯祝い」を行う際は、儀式を行っている神社やお寺へ行って、祈祷を受け祝詞をあげていただき腹帯を受け取る、というのが一般的な流れです。

安定期の体の変化3つ

安定期は、一般的にお母さんも赤ちゃんの状態も落ち着き過ごしやすい時期ですが、体の変化がとても感じられる時期でもあります。

妊娠初期に比べると、つわりや流産の可能性も少なく、精神的にもゆとりがあり安定する頃です。お腹の中の赤ちゃんの存在を感じる喜ばしい時期でもあります。

安定期に感じる体の変化の代表的なもの3つを下記にて紹介いたします。

安定期の体の変化1:体調が安定する

妊娠中期のなかでも、妊娠16週0日から27週6日頃を「安定期」と呼ばれ妊娠初期の不安定な体調が安定する時期に入ります。

子宮がおへその位置までふくらんで、お母さんにも皮下脂肪がつき、お腹のふくらみも目立ちはじめ、ふっくらした妊婦さんらしい体つきになってきます。

この頃には、妊娠前に着ていた服のサイズが合わなくなり、マタニティ用のウェアや下着の用意が必要になってきます。

安定期の体の変化2:胎盤が完成する

この時期になると、胎盤が完成し母乳の生産に必要なホルモンが、胎盤で生産され始めます。

また、赤ちゃんの手指には爪が生え、脳の運動機能の中枢を司る前頭葉も発達し、主な器官がほぼ確立する頃で、羊水の増加も伴って、胎児はお腹の中で活発に動くことができるようになります。

胎動を感じるようになるのもこの時期で、お腹に赤ちゃんがいると実感ができ、出産のことや育児のことをより具体的にイメージしはじめる時期でもあります。

安定期の体の変化3:体重が増加する

安定期に入ると、体調の安定と共に食欲がでて、体重が増えやすい時期でもあります。

そして、おなかの赤ちゃんが成長している事によって、胎盤や羊水、血液、の増加も体重が増える原因と言えます。

過度の体重増加は、合併症発症のリスクがあがったり、難産になる可能性が高くなります。推奨される体重増加を参考にコントロールして、適度な運動も心がけましょう。

安定期にやること5つ

赤ちゃんの活発な動きが日々感じられる妊娠中期は、つわりや流産のリスクも低く、体調も落ち着きます。安定期に入ってやるべきことについてお話しましょう。

これから、妊娠後期・出産を迎えるお母さんにとって、安定期が一番動きやすい時期でもあるので、無理をせず体調の良い時に、ゆとりを持って出産に備える準備をしておきましょう。

中でも、優先的に行っていただきたい事、下記にて「安定期にやること5つ」を詳しく説明いたします。

安定期にやること1:手続き系の確認・申請をする

定期に入ると、体調も妊娠初期に比べとても安定します。この時期に妊娠・出産にかかるお金のことや手続き等の確認・各申請の準備をしておきましょう。

妊娠・出産でかかった費用は、医療費控除の対象となりますが、申請しないともらえないお金もあるので、まずは申請の方法や時期を確認をしましょう。

また、自身が加入している健康保険より「出産育児一時金」がもらえます。多くの妊婦さんが、病院に出産一時金を直接支払ってもらって、入院時にはその差額のみを支払う「直接支払制度」という形をとっています。詳細は出産予定の病院に確認しましょう。

安定期にやること2:マタニティウェアを買いに行く

安定期に入ると、目に見えてお腹まわりが大きくなるため、体を締め付けない、ゆったりとした、マタニティドレスやマタニティ下着などを身につけましょう。

マタニティウェアとは、締め付けがなく妊娠中の体をサポートしてくれる役割があります。また、赤ちゃんが生まれた後も体型はすぐに元に戻らないため、長い期間着られるものを選びましょう。

安定期にやること3:出産の準備を始める

生まれてくる赤ちゃんの出産準備も同時に始めましょう。

出産雑誌などを読んだり、先輩ママからアドバイスを受けたりして、出産時や産後に必要なものをリストアップしておく事をおすすめします。

妊娠中期から後期にかけて、安定期でありますが、さまざまな体調の変化が見られ、急に入院になったりしても慌てないように、早めに揃えておくのが安心です。

入院時に必要な荷物に関しては、出産予定の病院によって違います。あらかじめ確認しておきましょう。

安定期にやること4:子供連れで行けない場所へ行く

安定期には、出産後になかなか行けなくなる場所に夫婦でお出かけするのも、この時期が良いでしょう。

赤ちゃんが生まれたら、ゆっくり外出するのも難しくなるため、おしゃれをして落ち着いた雰囲気を楽しめる高級レストランや映画館などがおすすめです。

また体調が問題なく、医師から安静の指示が出されていなければ、思い出作りにマタニティプランのある温泉旅行もおすすめです。その場合、長距離移動は避けましょう。万が一に備えて母子手帳を持参し、旅行先の産婦人科を確認しておくとより安心できます。

安定期にやること5:引っ越し

妊娠中に、今の住居から、引越しを考えているのなら、タイミングは安定期に入った時期にしましょう。

妊娠初期は、つわりや流産の可能性や体調が不安定な時期で、赤ちゃんも繊細な状態です、後期になると、お腹が大くなり腰や恥骨、膝に負担がかかったり、お腹に張を感じたりするトラブルの可能性があります。

この様に、色々な事情が伴い、引っ越しを余儀なくされている場合は、安定期が一番安全でおすすめです。

安定期の過ごし方3つ

妊娠安定期には、出産を待ち遠しく思い、楽しみにしながら、生まれてくる赤ちゃんの準備を少しずつ進め、お母さんがリラックスする環境づくりもとても大切です。

お母さんが、気持ちにゆとりを持つことは、胎児にも大きな影響を与えるので、常々リラックスを心がけましょう。下記にておすすめのリラックス方法「安定期の過ごし方3つ」を紹介いたします。

安定期の過ごし方1:自分の時間を作る

安定期でありながら、妊婦さんは知らず知らずストレスを抱えてしまいがちです。出産は未知のもので、自身の体の変化や、陣痛の痛み、産後の子育てなどの不安を、妊婦さんの誰もが感じるでしょう。

しかし、この不安よりも、わが子との対面を果たすことで全部が帳消しになると感じている先輩ママたちの助言も忘れないでください。

不安やストレスよりも、有意義な自分の時間を作る事を心がけましょう。

安定期の過ごし方2:散歩へ行く

安定期は、お腹もどんどん大きくなり、階段の上り下りで息切れや疲れやすさを感じたり、体調面でストレスを感じる時期でもあります。

無理のない距離で、ゆったりと景色を楽しみながらの散歩や少し早めに歩くウォーキングは、気分転換やストレスの解消にとても効果的なのでおすすめです。

そして、適度な運動は、適切な体重管理にも効果的です。ついつい食欲旺盛なこの時期には、軽い運動を心がけましょう。

安定期の過ごし方3:美味しいものを食べる

安定期になると、つわりが治まり、妊娠初期につわりで食べられなかった反動もあり、とてもお腹がすく時期です。

心配なことは急激な体重の増加です。今まで食べられなかったというストレスが無くなり、好きなものが食べられるようになるのは嬉しいことです。しかし、外食やインスタント、加工食品ばかりでは健康に良くありません。暴飲暴食は控え、アルコールは摂らないようにしましょう。

健康維持や赤ちゃんの発育の為にも、栄養のバランスを考える事が大切です。

安定期の注意点3つ

安定期は、お腹の赤ちゃんもぐんぐん大きくなっていきます。妊婦さんにも大きな変化が見られるこの時期に、注意する事についてお話しましょう。

安定期だからといっても危険がないわけではありません。色々な体調の変化を感じ、赤ちゃんのことを考えながら、安全で楽しいマタニティライフを送るよう心がけましょう。

特に注意が必要な「安定期の注意点3つ」を下記にて紹介します、良く理解して慎重な対応をしましょう。

安定期の注意点1:お薬

薬の影響を最も受けやすいのは、器官形成期といわれる妊娠初期です。安定期は、妊娠中では比較的薬の影響は受けにくい時期です。

しかし、多くの薬剤は胎盤を通じて胎児へ影響するため、薬剤の過剰な服用などは赤ちゃんの成長を妨げてしまう恐れがあり、できるだけお薬の服用は避けましょう。

また、特に注意が必要なのは、市販の薬を自己判断で服用する事、止む負えずお薬を服用する際は、必ず主治医に相談してから服用するようにしましょう。

安定期の注意点2:出血

安定期にあたる、妊娠中期で出血をすることはほとんどありませんが、もし、出血した場合は何らかの問題が生じた可能性があります。

妊娠中期の出血の原因として、切迫流産や切迫早産、前置胎盤、常位胎盤早期剥離、子宮頸管ポリープなどが考えられます。

出血の量や状態によっては、ママや胎児にも危険が及ぶ可能性があるので、少量でも出血したら安易に考えず、すぐ病院へ連絡し、診察を受けることをおすすめします。

安定期の注意点3:お腹の張り

安定期には、子宮が急激に大きくなるとともに靭帯が引っ張られることで、痛みや違和感を感じることがあります。このような痛みのことを「牽引痛」といいます。

しかし、原因が、牽引痛ではなく、「切迫早産」「常位胎盤早期剥離」の可能性がある場合もあります。

いつもの張り方とは違うと感じたら、病院へ連絡し、診察を受けることをおすすめします。

安定期は赤ちゃんをより安全に育てるための大事な時期

安定期の赤ちゃんは、身長は20~23cmほどまで成長し、体にも皮下脂肪がつき始め、主な器官も確立、聴覚も発達をとげ、お母さんの心音や家族の声を聞くこともできます。

お母さんがリラックスした気持ちで日常を過ごすと、心身ともに安定し、赤ちゃんもリラックスできます。

安定期は、赤ちゃんをより安全に育てるための大事な時期であることを心得ておきましょう。