妊娠症状

【専門家監修】妊娠4ヶ月におけるママの体の変化4つ|赤ちゃんの様子は?

妊娠4ヶ月とは?

妊娠4ヶ月(12週〜15週)は、妊娠初期(4〜15週)の後半にあたる時期です。つわりが落ち着き始めて体調が安定してくる時期です。

妊娠発覚以来続いていた高温期から低温期になり、からだのだるさやほてりもとれてきます。14~15週になると、おなかも膨らみはじめるでしょう。

妊娠4ヶ月におけるママの体の変化4つ

妊娠4ヶ月になると、お腹が少し膨らむ・基礎体温が安定する・つわりが軽くなるといった変化がみられるようになります。

体の変化が起きる時期ですので、過度な不安を防ぎながら体の不調対策を図るため、どういったことが起きやすくなるのかを把握しておきましょう。

妊娠4ヶ月の体の変化1:お腹に少し膨らみが出てくる

妊娠4ヶ月の終わり頃になると子宮は新生児の頭と同じくらいの大きさになるため、お腹に少し膨らみが出ます。それから妊娠4ヶ月の後半にあたる妊娠15〜16週になると、下腹部のふくらみが分かるようになってきます。

この頃になると、子宮底長(恥骨結合上縁から子宮底までを母体に沿って測った長さ)は約12cmになります。腹部を触ると、子宮の大きさがわかるようになるでしょう。

妊娠4ヶ月の体の変化2:基礎体温が安定する

妊娠4ヶ月頃になると胎盤が完成してホルモンが安定するため、それまで高温期だった基礎体温が低温期の体温になります。

ホルモンが安定する影響で、母体に生じていた怠さやほてりも引いてくるといわれています。

妊娠4ヶ月の体の変化3:つわりが楽になる

胎盤が完成してホルモンが安定することで、つわりも軽くなってきます。つわりが軽くなることで食欲も回復し、食べ過ぎてしまう日が続く方も少なくありません。

胎盤が安定する頃なので初期流産の心配度は低下しますが、食べ過ぎによって体重が増加すると胎児や母体に健康上のリスクが生じる可能性が出てきます。

つわりが落ち着いたら栄養バランスに気を付けた食事を摂るようにしましょう。食べ過ぎに注意して、体重コントロールを意識しはじめましょう。

妊娠4ヶ月の体の変化4:お腹の張りを感じやすくなる

妊娠4ヶ月になると、子宮の血行を良くするために母体の心拍数と循環血液量が増加します。これにより子宮の筋肉が伸びるとともに周辺の靭帯が引っ張られるため、下腹部に違和感や痛みが生じることがあります。

多くは生理的な症状なので問題ありませんが、安静を続けても張りや痛みが治らない時はかかりつけ医のもとで受診してください。また、胸や下半身に脂肪が増えてくるため、体付きが全体的にふっくらしてくるでしょう。

妊娠4ヶ月の赤ちゃんの様子3つ

妊娠4ヶ月頃の胎児には、胎毛・内臓・しぐさの面でそれまでになかった様子がみられるようになります。

妊娠4ヶ月くらいになると胎児はどのくらいまで成長するか、ここから詳しく説明していきますので確認しておきましょう。

妊娠4ヶ月の赤ちゃんの様子1:顔に胎毛が生え始める

妊娠4ヶ月になると胎児の顔に胎毛(産毛)が生え始め、妊娠5ヶ月になると存在が明白になってきます。胎毛は羊水などの刺激から外皮を守ったり、胎脂(生後5ヶ月頃から徐々に付き始めるクリーム状の脂)が取れることを防ぐ役割があります。

一般的に胎毛は、胎児の肌が丈夫になる妊娠後期には薄くなります。しかし、個人差はあります。そして、生まれた後に胎毛は徐々に抜けていきます。この現象は新生児生理的脱毛と呼ばれ、生後2~3か月をピークとして、生後6か月くらいで終わります。

妊娠4ヶ月の赤ちゃんの様子2:内蔵の形がほぼ完成する

生後4ヶ月になると、胎児の内臓の形がほぼ完成します。器官形成が終了し、手足の骨や筋肉もできてきます。胎盤も完成するため、母胎から胎盤に届いた栄養や酸素をへその緒から吸収するようになります。

この頃(4ヶ月初期の妊娠12週)の胎児の大きさは6cmを超え、体重は10〜15gほどが平均です。そこから成長して妊娠4ヶ月末(15週)になると、胎児の大きさ平均は身長16cm・体重100gほどになります。

妊娠4ヶ月の赤ちゃんの様子3:動くしぐさが観察できる

手足の骨や筋肉ができてくるため、動くしぐさが観察できるようになります。よく見られるしぐさは、口の開閉・頭部をゆっくり動かす・手足を動かす・手を顔の前に持ってくるなどです。

赤ちゃんの体のバランスとしては、妊娠4ヶ月末になると全体を占める頭部の割合が増え、
超音波検査で脚も長くなってきます。12週以降は、検査で排尿が確認できることもあります。

また、外生殖器の特徴も確認できるようになりますが、検査で性別が判定可能になるのはもう少し先のことが多いでしょう。

妊娠4ヶ月の妊婦検診の検査2つ

妊娠の健診では血圧・尿検査・体重などの項目は変わらず毎回確認しますが、胎児の発育具合の確認方法は妊娠4ヶ月になると経膣超音波検査から経腹超音波検査に変わります。

また、羊水検査等の出生前診断を希望している場合は駛馬に主治医へ相談するようにしましょう。

経腹超音波検査

妊娠3ヶ月までは経膣法で胎内の状態を確かめますが、4ヶ月頃(11〜14週頃)からは腹部の上から検査器具を当てて確かめる経腹超音波検査が行われます。

超音波検査では頭蓋骨の横幅を示す児頭大横径(BPD)と大腿骨の長さを示す大腿骨長(FL)を測定し、胎児の発育具合を確認します。また、胎盤・へその緒(臍帯)・羊水量も確認することができます。

NT検査(出生前診断について)

妊婦健診で行われる超音波検査も、出生前診断にあたります。出産前診断とは、出生前の胎児に染色体異常・先天性疾患・奇形などがないかを検査し診断することを意味します。

診断は任意のため、夫婦が望む場合にのみ行われます。超音波検査に関しても、あらかじめ同意書をとっている病院もあるかと思います。

この時期の超音波では、NTという胎児のうなじあたりの皮膚の膨らみの有無を確認します。NTがあると、染色体異常や先天性疾患などの胎児異常の可能性が増加するといわれています。

しかし画像の見え方で膨らみの程度は変動するため、確定診断には至りません。確定するためには、羊水検査も行う必要があります。

妊娠4ヶ月の過ごし方とリスク2つ

妊娠4ヶ月は、妊娠中期に近づくとともにある程度安定する頃ですが、まだまだ気を付けたいことはあります。神経質になり過ぎる必要はありませんが、母体と胎児の健康に関わる場合もあるので軽視はできません。

ここからは注意したいことについて詳しくみていきますので、しっかりと把握しておきましょう。

妊娠4ヶ月の過ごし方とリスク1:切迫流産

妊娠4ヶ月になると初期流産のリスクは低下しますが、流産や切迫流産の心配はあります。この時期は子宮が大きくなると共に子宮の筋肉が伸び、子宮を支える靭帯が引っ張られて下腹部や脚の付け根に痛みが現れることもあります。

このような痛みは牽引痛といわれており、特に問題はありません。しかし、下腹部が定期的に生理痛のように痛む・休んでもおさまらずに痛みが続く・出血を伴う場合は、切迫流産の可能性があるため、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

妊娠4ヶ月の過ごし方とリスク2:妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常です。通常であれば出産後は正常値に戻りますが、妊娠中の血糖コントロール不良は母体や胎児に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

急激な体重増加が妊娠糖尿病の発症リスクを上げるといわれていますが、家族に糖尿病の方がいる場合は、もともと遺伝的に糖尿病のリスクが高い可能性があります。

血糖コントロールが不良な場合、巨大時や赤ちゃんの低血糖、黄疸などの合併症が起こります。しかし、正しくコントロールすれば過度に心配する必要はありません。万が一発症してしまった場合は、医師の指示に従いましょう。

妊娠4ヶ月の食生活のポイント3つ

つわりが落ち着いてきたら、食事の心がけが大事になります。神経質になる必要はありませんが、特に意識して摂りたい栄養素を確認しておきましょう。

妊娠中はたくさん食べるように家族に言われるかもしれませんが、体重が増えすぎることによって合併症発症のリスクがあがります。体重は増えすぎないことが望ましいでしょう。

逆に痩せ過ぎや食べなさ過ぎも悪影響があるため、栄養バランスが良い適正量の食事が大事です。

妊娠4ヶ月の食生活のポイント1:たんぱく質やミネラルを多くとる

筋肉や皮膚などを構成するたんぱく質や、基礎的な栄養素を代謝するミネラルやビタミン類を意識的に摂取しましょう。ただし、やたらに摂ればよいということではありません。1日の摂取量などに気を付けましょう。

葉酸の摂取は無脳児や二分脊椎の発症を現象させるといわれており、主に妊娠前から妊娠初期の摂取が推奨されています。赤ちゃんの器官形成期は12週までなので、妊娠4か月以降は摂取する必要はなくなります。

栄養バランスを意識し、不足や過多のない摂り方を心がけましょう。栄養摂取に関しては母子手帳にも記載があるので参考にしてみましょう。

妊娠4ヶ月の食生活のポイント2:化学調味料・人工添加物はなるべく避ける

化学調味料や食品添加物がもたらす胎児への影響は解明されていませんが、特に何もない成人でも摂り過ぎは健康被害の懸念があると言われています。

人体への影響に関する研究データは年月日が浅く、確かな立証には至っていませんが、現段階で懸念はされているので可能な限り避けた方がよいとされます。気を病まない程度に控えましょう。

妊娠4ヶ月の食生活のポイント3:メチル水銀を含む魚は控える

水銀は過多にならなければ通常排泄されますが、胎児は排泄機能がまだ未熟なので、臓器や脳に蓄積されて影響が及ぶ可能性が高いと言われています。

魚介類は特に食物連鎖の影響で体内に水銀が蓄積されているため、小さい魚を食べている大きい魚の方が水銀の蓄積量が多い傾向にあります。多くは健康被害を受けていませんが、食べ過ぎないよう注意が必要です。

妊娠4ヶ月はまだまだ不安定な時期

妊娠4ヶ月はだんだん安定に向かう時期ですが、母体も胎児もまだ不安定さが残っていますがある程度安定してきます。

つわりが軽くなったり、体調が安定することで心身ともに落ち着いて過ごせるでしょう。つわりが落ち着いたら、栄養バランスを意識しつつ体重コントロールもはじめるとよいでしょう。安定期には近づきますが、切迫流産のリスクは無視できません。無理しすぎないように気を付けながら過ごしましょう。