【専門家監修】妊娠中の尿トラブルとは?妊娠中における頻尿の予防対策7つ

初回公開日:2020年09月01日

更新日:2021年09月15日

記載されている内容は2020年09月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

これは妊娠中の尿トラブル、頻尿についての記事です。妊娠中に頻尿の起こる原因5つを取り上げ、その説明をした後、尿トラブルに悩む妊婦さんが、少しでも快適にマタニティライフを過ごせるよう、7つ予防対策をそれぞれの具体例とともに紹介しました。

【専門家監修】妊娠中の尿トラブルとは?妊娠中における頻尿の予防対策7つ

妊娠中の尿トラブルとは?

妊娠中の体の変化は、これまでの人生の中で経験したことがないことばかりでしょう。個人差もありますが、つわりや胎児の成長とともにお腹が大きくなったりすることはよく知られていることですが、尿のトラブルはどうでしょう。

実際にトラブルがあっても相談しにくいものではないでしょうか。気になっても、そのままにしておいても大丈夫でしょうか。今回はその原因と予防対策について紹介します。

妊娠中に頻尿が起こる原因5つ

尿トラブルの中でも頻尿で悩んだ経験はありませんか。そもそも頻尿とはどういったものなのでしょうか。注目するのは、排尿の頻度です。標準は1日7~8回といわれています。まずは自分の1日の排尿の回数をカウントしてみましょう。

また頻尿は、まだお腹の膨らみも目立たない妊娠初期にもみられますが、後期にもみられます。原因は同じなのでしょうか。ここからは妊娠中の頻尿の原因を5つ紹介します。

妊娠中に頻尿が起こる原因1:血液量の増加

妊娠中の体から赤ちゃんに酸素と栄養素を届けるのは血液です。また、妊娠中は自分だけでなく、赤ちゃんも血液を必要とするため、血液の量が増加します。ピークは妊娠30週ころで、非妊娠時の1.4倍といわれています。

そして、血液が増えると、血液中の老廃物をこす腎臓の働きも活発になります。その結果、尿が排泄されやすく、頻尿の原因となります。

妊娠中に頻尿が起こる原因2:子宮の膨張

子宮は赤ちゃんの成長に伴い、大きくなっていきます。非妊娠時の大きさが約7㎝のところ、出産間際になると約35㎝にもなります。

その子宮と隣り合わせにあるのが、膀胱です。つまり、子宮が膨張することにより、膀胱が圧迫され容量が小さくなり、頻尿の原因になるのです。

妊娠中に頻尿が起こる原因3:妊娠時に出される黄体ホルモンの作用

妊娠初期に増加するホルモンに、黄体ホルモンがあります。この黄体ホルモンは、妊娠を助ける働きだけでなく、妊娠後も分泌が続き、子宮内膜や子宮筋の働きを調整し、赤ちゃんが育ちやすい環境を整えるといわれています。

しかし、この黄体ホルモンの影響で、子宮や膀胱の筋肉が緩みやすくなり、頻尿の原因にもなります。

妊娠中に頻尿が起こる原因4:胎児による膀胱圧迫

妊娠後期になると、子宮はみぞおちのあたりまで上がり、母体の胃や心臓まで圧迫します。そして、赤ちゃんは骨盤内に降りてきます。

その後、赤ちゃんの頭は膀胱を圧迫するので、頻尿や尿モレの症状が多く現れる人が多いようです。

妊娠中に頻尿が起こる原因5:骨盤底筋群の緩み

骨盤底筋というものを知らない人も多いでしょう。これは、膀胱、子宮、直腸などの臓器が下がらないように、骨盤底を支えている筋肉です。

妊娠後期になると、子宮の重さなどの原因により、骨盤底筋の機能が低下します。赤ちゃんの成長を考えると、その重さに耐えられなくなるのも想像できるのではないでしょうか。

骨盤底筋群が緩んだ結果、頻尿や尿モレの症状が出てくるといわれています。

妊娠中における頻尿の予防対策6つ

これまで、妊娠中における頻尿の原因についてみてきました。様々な原因があることがわかりましたが、予防することはできるのでしょうか。

頻尿は妊娠中の生理現象ともいえますが、ここからは、頻尿を悪化させることなく、安心して快適に過ごせるような予防対策を6つ紹介します。

妊娠中における頻尿の予防対策1:トイレを我慢しない

妊娠中の頻尿は生理現象として治療の必要はありません。しかし、女性の体は細菌が入りやすい構造をしています。トイレを我慢することで感染症を引き起こしたり、炎症を起こしたりと治療や注意が必要になることもあります。

尿の色と量、においを以前と比較してみましょう。赤い尿や血尿はありませんか。量は多くなっていたり、少なくなっていたりしませんか。においの変化にも注意しましょう。

排尿することにより、尿路に存在する細菌を洗い流すことができるといわれているのでトイレは我慢せずに行きましょう。

妊娠中に注意したい膀胱炎

妊娠中は、免疫力が弱まり膀胱炎になりやすいといわれています。膀胱炎になると頻尿の他にどういった症状が出るのでしょう。白く濁る膿尿がでたり、残尿感、しみるような痛みを感じたりします。

頻尿の症状だけで、妊娠による頻尿なのか、膀胱炎による頻尿なのかわからず放置してしまうと、膀胱炎の場合、他の症状が出た頃には、悪化していることがあります。膀胱炎を悪化させると、母体の命の危険、早産・流産につながることがあります。

まずは、早めに主治医か泌尿器科へ相談しましょう。

妊娠中における頻尿の予防対策2:水分をしっかり取る

トイレの回数を減らすため、水分を控えるのは危険です。妊娠中は赤ちゃんの分の血液、羊水のためにもそれまで以上に水分が必要になります。

水分の摂取を控えると脱水症状の危険が出てきます。脱水症状や熱中症にならないよう、しっかり水分補給をしましょう。

また、尿の色や量で脱水症状のチェックができます。量が少なく、濃い茶色や赤茶色だと体内の水分が不足していることが分かります。また、量が多く、色が薄い場合は、体内の水分が多いといわれています。

妊娠中における頻尿の予防対策3:尿漏れパッドを活用する

妊娠中の頻尿、尿漏れは生理現象だと思っても下着の汚れは気になるでしょう。そんな時は尿漏れパッドを試してみましょう。

尿漏れパッドには消臭効果がついているものもありますし、急な時も安心です。また、こまめに交換することで、清潔に保てます。

ただし、長時間使い続けると雑菌が繁殖したり、人によってはかゆみがでたり、かぶれたりしてしまいますので注意が必要です。

妊娠中における頻尿の予防対策4:身体を冷やさないようにする

冷えは、頻尿だけでなく腰痛や便秘、お腹の張りの原因にもなり、妊娠初期には流産にもつながるといわれています。妊娠中は、血行が悪く、体が冷えやすくなりますので、寒い冬だけでなく、冷房を使う夏も気を付けましょう。

職場などにいるなど、対策が難しい人もいるかと思いますが、調節しやすいひざ掛けなどを用意する、温かい飲み物を飲む、お風呂では湯船につかるなど、できることを日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。

妊娠中における頻尿の予防対策5:骨盤への負担を軽減する

赤ちゃんが大きくなってくると、腰や骨盤に大きな負担がかかってきます。そこで、それらの負担を軽減するグッズとして、妊婦帯があります。

妊婦帯は、お腹を冷えから守り、大きくなったお腹を固定することで姿勢をよくし、また、お腹の重みによる負担も軽減し腰痛の予防にもなるという優れものです。

また、妊婦帯には形やタイプがいくつか分かれていて、目的や使用のシーンによって変えてみるのもよいでしょう。

妊娠中における頻尿の予防対策6:骨盤底筋群を鍛える

頻尿や尿漏れの原因にもなる、骨盤底筋を無理なく鍛えるとこはできるのでしょうか。ここでは、自分でできるケーゲル体操を紹介します。

まず仰向けになって、足を肩幅に開き、膝を立てる。次に、息を吸いながら肛門、膣を吸い上げるようなイメージおよそ5秒引き締め、力を抜く。さらに、肛門、膣を締めたり緩めたりする。これを1セットとして3~10セット繰り返します。

寝転がったままできるお手軽な体操ですが、妊娠の状態は個人差があるので、始める前に医師に相談することをおすすめします。

妊娠初期で見受けられる症状とは?

妊娠初期には頻尿の他にも、むくみや貧血などの症状があります。これらは個人差があり、症状もまちまちですが、受診が必要な場合もあるので注意しましょう。ここからむくみ、貧血について少し説明します。

妊娠初期のむくみの原因は、体内に水分を溜めようとするホルモンの働きによるものです。同じ姿勢を続けない、食事を見直してみるなどの対策をしてみましょう。

また妊娠中は、赤ちゃんも血液を必要とするため体の中で血液の需要が増加します。貧血になると、早産や出産後の発育に影響がでる危険性があるので注意しましょう。

妊娠中の尿トラブルの予防対策をしよう

これまでみてきたように、妊娠中の尿トラブルにはそれぞれ原因があります。しかし、体からの何かしらのメッセージで受診が必要な場合もあります。

そのことを心に留めながら、トイレを我慢せず、水分補給をしっかりし、体を冷えから守りましょう。

記事監修

【専門家監修】妊娠中の尿トラブルとは?妊娠中における頻尿の予防対策7つ

フリーランス助産師 上原沙希

福岡県にて看護師・助産師の資格を修得。その後は上京し東京女子医科大学病院MFICU、産婦人科クリニック、グループホーム等での経験を積む。
産科領域だけでなくボーダーレスに多くの人の力になりたいという思いを抱き、英語力習得のためヨーロッパ留学とギリシャの難民ボランティアへ。帰国後は関西を拠点に活動中。
現在も産婦人科病院での臨床を続けながら、フリーランス助産師としてコラムニストやセミナー、商品開発など手がけている。
今後は助産師や性教育の知識・食生活アドバイザーの資格を活かして、国籍・年齢・性別関係なくボーダーレスな教育活動に尽力していく。

【取得資格】
・正看護師
・助産師
・食生活アドバイザー
・NCPR Aコース認定
・胎児受胎調節指導員

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