妊娠症状

【専門家監修】つわりでげっぷが増えるのはなぜ?理由や自分でできる対策7選

げっぷが出る原因

妊娠してつわりが来ている時期に、やたらとげっぷが出たという方がいるのではないでしょうか。実は、多くの方がつわり中にげっぷが増えたという経験があります。

とはいえ、ただでさえつわりによる胃もたれがつらく気持ちが悪い状態のときに、げっぷも増えると辛いです。できれば出ないようにしたいでしょう。

この記事では、つわりでげっぷが出る原因やげっぷが出ないようにする対策法をご紹介します。

げっぷが増える病気

げっぷは妊娠中でなくても出ることがあります。しかし、あまり頻繁にでるときは、病気の可能性も考えたほうが良いです。

逆流性食道炎や胃炎など、胃腸の病気や便秘の時にはげっぷが多く出るようになります。「妊娠中だし」「つわりだし」と放置せず、あまりにげっぷの回数が多いと思われた際には、受診しましょう。

妊娠するとげっぷが増える4つの理由

なぜ、妊娠するとげっぷが増えるのでしょうか。

理由としてはホルモンバランスの変化、唾液の飲み込み過ぎ、食べすぎ、自律神経の乱れの4つが考えられます。妊娠によって体の中が大きく変化するので、それが影響しています。

それでは、それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。

妊娠するとげっぷが増える理由1:ホルモンバランスの変化

妊娠すると、プロゲステロンという黄体ホルモンが大量に分泌されますが、このホルモンには胃腸の機能を弱めてしまう特徴もあります。そのため、体内の空気をうまく吸収できず、残った空気がげっぷとして出てきます。

また、食道と胃の境目には下部食道括約筋という弁がありますが、妊娠すると全身がホルモンによって弁がゆるみ、空気や胃の内容物が逆流しやすい状態になることも理由として考えられます。

妊娠するとげっぷが増える理由2:唾液の飲み込みすぎ

げっぷが増える理由として次に考えられるのが、唾液の飲み込み過ぎです。

妊娠初期、つわりの症状の1つとして唾液の増加がありますが、多くなった唾液で口の中が気持ち悪く、頻繁に唾液を飲み込む方はこの理由が当てはまります。

唾液を何度も飲み込むことで、一緒に空気も多く飲み込んでしまうため、げっぷが頻繁になります。

妊娠するとげっぷが増える理由3:食べすぎ

妊娠して食べづわりになる人も多くいます。空腹になると気持ちが悪いので、食べすぎてしまうことがあるでしょう。

食べるとどうしても空気を一緒に体内に取り込んでしまいます。食べすぎの人は取り込む空気も多くなり、それを出すためにげっぷが多くなります。

妊娠するとげっぷが増える理由4:自律神経の乱れ

妊娠中に増えるげっぷの原因として、自律神経の乱れも考えられます。

妊娠中は思うように動けなかったり、ホルモンの影響で情緒不安定になったりしがちです。それによってストレスを感じるようになると自律神経が乱れ、体内の血液を循環させて酸素や栄養を届ける機能がうまくコントロールできなくなってきます。

その結果、生活習慣が乱れたり、げっぷが出るような体調不良が起こったりします。

自分でできるつわりのげっぷ対策7選

妊娠中にげっぷが出やすくなる理由はわかりましたが、つわりでしんどい中、さらにげっぷが続くと辛いところです。ひどいときには、げっぷの勢いで嘔吐する人もいます。どうにか、げっぷが出ないよう対策したいところですが、どのようにするとよいでしょうか。

げっぷがあまり出ないようにする方法はいくつかあります。げっぷの悩みの解消法をご紹介しますので、自分にはどれが合いそうかを見てみてください。

自分でできるつわりのげっぷ対策1:ゆっくりよく噛んで食べる

げっぷがあまり出ないようにする方法の1つは、ゆっくりとよく噛んで食べることです。

たくさん食べすぎると一緒に飲み込む空気も多くなり、げっぷが出やすくなります。少量をゆっくりよく噛んで食べることで満腹中枢が刺激されるので、ごはんをたくさん食べなくても満足できます。また、食べすぎずに済むので消化不良も起こしにくくなります。

少量を小分けにして食べるのもおすすめ

ゆっくりよく噛んで食べても、量が少ないとやはり満足できないという人は、いつもの量を小分けして、何度かに分けて食べるのもいいでしょう。

一気に食べてお腹いっぱいという状態を避けるようにすれば、空気をたくさん飲みこむことも減ります。そうすればげっぷが減るだけでなく、つわりも軽減できるでしょう。

自分でできるつわりのげっぷ対策2:睡眠と食事のタイミングを考える

げっぷを抑える方法として、寝る直前に食べないようにするなど食事と睡眠の時間も気をつけましょう。

睡眠中は胃腸の動きが鈍くなるので、寝る直前に食べてしまうと消化不良を起こしやすくなります。寝る2~3時間前までには食事をするようにしましょう。そうすることで消化不良を回避するだけでなく、体内に入った空気を残したまま眠ることも避けられます。

必要ならば睡眠環境の見直しも

眠るタイミングも大事ですが、十分に眠って体を休めることも重要です。体をしっかり休めて体調を整えましょう。また、脳を休めることでストレス解消にもつながります。

あまり眠れないという人は、寝具を見直してみたり、寝室の温度を調整してみるなど睡眠環境を見直してみてください。

自分でできるつわりのげっぷ対策3:ストレスを溜めないようにする

妊娠中のストレスは自律神経の乱れを引き起こし、げっぷの増加につながります。

げっぷだけでなく、ストレスでピリピリしていることはお腹の赤ちゃんにもよくはありません。色々なストレスを感じやすい時期ですが、ゆったりと受け止め、ストレスを溜めないように過ごしましょう。

マッサージやストレッチなどでリラックスすることも大切

ストレス解消法の1つとして、マッサージやストレッチをしてリラックスするのもよいです。

妊娠中げっぷをたくさんしたり、吐いたりすると体がこわばりがちです。こわばったからだをマッサージでほぐしたり、ストレッチで伸ばしたりすることでリラックスでき、結果的にげっぷを抑えられます。

自分でできるつわりのげっぷ対策4:つばを吐き出す

げっぷが出やすい理由として、唾液、すなわちつばが多く分泌され、気持ち悪いので飲み込んでしまうからとご紹介しました。

口にたまってきた唾液をそのままにしておくとどうしても気持ちが悪いので飲み込んでしまいがちですが、そうすると体内に空気も取り込んでしまいます。唾液を吐きだしてしまい、空気を飲み込まないようにしましょう。

自分でできるつわりのげっぷ対策5:腸内環境を整える

妊娠中は胃だけでなく腸の機能も低下しがちです。腸での消化に時間がかかるようになり、体内に食べ物が残っている時間が長いとお腹が張りやすくなりますので、腸内環境を整えるように気をつけましょう。

ヨーグルトなどの発酵食品を摂ることで、腸内環境を整える助けになります。

自分でできるつわりのげっぷ対策6:消化に良いものを食べる

妊娠中はホルモンによって胃腸が弱っています。そのため食べ物の消化に時間がかかり、胃の中に食べ物が長い間残っているのもげっぷの原因です。消化の良いものを食べて胃の負担を減らすと、げっぷを抑えられます。

おかゆやじゃがいも、バナナなど消化の良いものを食事に取り入れてみましょう。

自分でできるつわりのげっぷ対策7:背中をさする

げっぷが出そうなのに出ない状態で苦しい、というときには、背中の中心をさすったり軽く叩いたりすると、げっぷがスムーズに出てすっきりします。

さする刺激によって体の中が動き、胃の中にたまっている空気を押し出そうとする力が働くためです。背中の中心だけでなく、腰のあたりをさするのも効果があります。

ゲップが出そうで出ず、苦しいときには試してみましょう。

パートナーにさすってもらうという方法も

背中の中心などをさするのは、パートナーにしてもらうのもよいでしょう。パートナーにさすってもらえば、げっぷが出やすくなるだけでなくリラックスもできるので、つわりの軽減にも役立つでしょう。

そのためにも、妊娠中のつわりやげっぷについて、パートナーにも理解してもらっておくと安心です。

つわり時に炭酸飲料を飲んでも大丈夫?

つわり中にげっぷは抑えたいところですが、一方で出したいときに出てくれると楽です。出そうで出ず気持ち悪い思いをした人も多いでしょう。げっぷをスムーズに出すにはどのようにすればよいでしょうか。

炭酸飲料を飲むのもよいでしょう。炭酸が胃の中で膨張して体の外に出ようとするので、げっぷが出やすくなります。ただし、飲みすぎると体内に空気が増えるので、げっぷを出したいときにだけ飲む方がいいでしょう。

妊娠時はげっぷだけじゃなくおならも出やすくなる?

妊娠中、おならも出やすくなったという話をよく聞きます。おならは、腸内にある食べかすを分解する際に発生したガスが出てくるものです。妊娠することで胃腸の動きが鈍くなり体の中にガスがたまりやすいために、おならが出やすくなります。

また、体内の水分が赤ちゃんを優先するので、お母さんの体が水分不足になっていることも原因として考えられます。

つわりとげっぷの関係を理解しておこう

妊娠中のげっぷについて紹介してきました。つわりで胃がムカムカしているときによく出るのはさらに辛いですが、げっぷがつわりに関係していると理解できていれば安心できます。

げっぷがつらいときには、頻度を抑える対策も取ってみましょう。また、あまりに回数が多いときは病院で見てもらい、病気かどうかを確認しておきましょう。

できるだけ症状を押さえて、快適なマタニティライフを過ごしましょう。