妊娠症状

【専門家監修】妊娠後期に眠いと感じる原因|寝てはいけない時の対処法6つも紹介

妊娠後期に眠いのは理由がある

妊娠後期に入り、辛かったつわりもようやく落ち着いたと思ったら、今度はとにかく眠いというのを経験されている人が多いのではないでしょうか。

仕事があったり上の子のお世話があったりするので、今はどうしても眠ったら困るのに、眠くて仕方ないと困っている人もいるでしょう。

妊娠後期の眠気はどうして起こるのでしょうか。この眠気にはちゃんと理由があります。この記事では妊娠後期に訪れる眠気の原因や対策方法などについてご紹介します。

妊娠後期の「眠りつわり」が出産まで続く人も

「眠りつわり」とも呼ばれる妊娠後期の眠気ですが、いつまで続くかは個人差があります。中には出産まで続いたという人もいます。

昼夜問わず眠気に襲われるので、できれば早く終わってほしいところです。ですが、出産に向けての不安が原因で夜に熟睡できず、昼間も眠くなってしまう人もいます。この場合は出産が終わるまで続く可能性が高いでしょう。

妊娠後期に眠い原因5つ

ではまず、妊娠後期に眠くなる原因について考えていきます。眠気の原因としては主に、ホルモンの影響や精神面など5つ考えられます。

原因がどれか1つに当てはまる場合もあれば、いくつか複数の原因が考えられる人もいるでしょう。妊娠後期に眠い原因を把握して、眠気対策の参考にしましょう。

妊娠後期に眠い原因1:ホルモンの影響

妊娠後期の眠気の原因としてまず考えられるのが、プロゲステロン(黄体ホルモン)というホルモンの影響です。

このホルモンは妊娠初期から分泌され、初期に訪れる胸やけなどにも関連しているホルモンです。このプロゲステロンには眠気を促す作用もあり、眠気を引き起こしていると考えられます。眠気のほかにもプロゲステロンによって、だるさを感じることもあります。

妊娠後期に眠い原因2:胎動で起こされる

妊娠後期となるとお腹の中の赤ちゃんも大きくなってきて、お腹の中での動きもだんだん活発になり、なかなか激しい体動になります。

赤ちゃんは昼夜関係なく動きますので、激しい体動によって夜でも思うように眠れないという人も少なくありません。赤ちゃんが動いたというのは妊婦さんにとって嬉しいものですが、胎動の影響で夜に眠れなかった分、翌日の昼間に眠くなってしまいます。

妊娠後期に眠い原因3:精神的な不安定さ

妊娠後期に入るとお腹も大きくなってきて、出産がいよいよ現実的になってきます。それは楽しみでもありますが、同時に不安に感じる人も多いでしょう。

そういった精神的に不安定な気持ちから夜に十分に眠れず、日中に眠くなってしまうのも原因の1つです。

日中眠くならないように不安な気持ちを消し去りましょう、といわれても、そう簡単に気にせずいるのは難しいので、好きな音楽を聴いたり、本を読んだり、できるだけリラックスして過ごしてみましょう。

妊娠後期に眠い原因4:頻尿

夜に熟睡できない原因として、精神的な不安さに加えて頻尿が考えられます。

妊娠後期になると、赤ちゃんが大きくなるので子宮もかなり大きくなります。それによって膀胱が圧迫されるので、ママは自然と頻尿になります。

夜、寝ている時も頻尿の影響で何度も起きることも多く、熟睡できなくなってしまうので、結果として日中眠い状態が続いてしまいます。

妊娠後期に眠い原因5:腰痛・骨盤痛

妊娠中に腰や骨盤が痛いという人は多くいます。妊娠初期から痛みを訴える人は多くいますが、特に妊娠後期の場合は姿勢の変化が影響しています。

妊娠後期になるとお腹が出てくるので、バランスを保つためにどうしても背中が反り返った姿勢になります。これは腰や骨盤に負担がかかりやすく、痛みが出るようになります。

この痛みが夜寝ている時にも起こるので熟睡が難しく、日中の眠気につながります。

眠いけど寝てはいけない時の対処法6つ

妊娠後期に眠い原因をご紹介しました。眠い時はぐっすり寝ればよい、とできればよいのですが、どうしても寝てはいけないことも多いでしょう。では、どうすれば眠気を乗り切れるでしょうか。

ここでは、仕事中などの眠いけれど寝てはいけない時にどう対処すればよいかをご紹介します。

眠いけれど寝てはいけない時の対処法に興味がある方は参考にしてください。

眠いけど寝てはいけない時の対処法1:飲み物を飲む

眠気を覚ます方法として、飲み物を飲むのも1つです。

コーヒーは1日1~2杯程度であれば影響はありませんが、カフェインの入った飲み物はできればあまり飲まないようにしたいところです。そんな時、ノンカフェインの飲み物でも眠気の対処は可能です。

レモンとクコの実を入れた白湯はビタミンCも簡単に摂取できるほか、クコの実にも疲労回復効果があり眠気を軽減したりリラックス効果があります。

また、トマトやレモン、ニンジンで作るジュースもよいでしょう。
トマトのリコピンやビタミンの効果で疲労軽減が期待できるので、おすすめです。

眠いけど寝てはいけない時の対処法2:軽い運動をする

眠気を乗り切る対処法としては軽く運動をするのもおすすめです。

妊娠後期はお腹も大きくなってきているので、当然ながらハードな運動はできません。散歩や軽いストレッチで体を軽く動かすと、体の血の巡りがよくなったり、リフレッシュ効果もあり眠気が覚めるでしょう。

眠いけど寝てはいけない時の対処法3:ガムをかむ

眠気を覚ますための対処法としてガムを噛むのも効果的です。ミント系のガムであれば口の中がスーッとして目がさえてきますし、もぐもぐと噛む動作を一定時間繰り返すことも、眠気覚ましに効果があります。

スーッとするのが苦手であれば、酸味のあるガムなどもよいでしょう。ガムでなく、チューイングキャンディなども、もぐもぐと口を動かすので眠気覚ましによいでしょう。

ただ、お菓子などの食べすぎは体重増加につながるので注意してください。

眠いけど寝てはいけない時の対処法4:短い仮眠をとる

どうしても眠たい時には、赤ちゃんが「休もう」と言っているサインです。少し眠る時間が取れるのであれば、昼寝した方がよいでしょう。あまりの眠気で階段を踏み外したり、車道に出てしまったりすると危険です。仕事中の場合には、上司に相談してみましょう。

とはいえ、仕事中などはずっと寝るのは難しいですし、昼間にあまり寝すぎると今度は夜眠れなくなります。午後3時頃までの30分程度の昼寝であれば夜の睡眠に影響がないといわれていますので、試してみましょう。

眠いけど寝てはいけない時の対処法5:洗顔・歯磨きをする

自宅にいる時の眠気の覚まし方として、朝起きた時と同じように洗顔や歯磨きをするのも効果があります。

仕事中だとメイクもしていて洗顔は難しいですが、歯ブラシを会社に用意しておいて、さっと歯磨きだけするのもよいでしょう。

眠いけど寝てはいけない時の対処法6:首筋をおしぼりで冷やす

眠い時、水で濡らしたおしぼりを首筋や目に当てることも、眠気覚ましの対策として効果があります。

冷たいおしぼりで冷やすやり方は、洗顔が難しい仕事中にも活用できます。会社にタオルを用意しておいてさっとおしぼりを作れば、首筋や目を冷やすことができ、目がさえて眠気も解消されるでしょう。

妊娠後期に眠れない時の対処法4つ

妊娠後期に眠いという悩みと同時にやってくるのが、夜眠いのに眠れないという問題です。

妊娠後期に眠くなる原因の多くは夜眠いのに思うように熟睡できないことが関連しています。では、どのようにすれば、夜にぐっすり眠れるでしょうか。ここでは、夜にしっかり眠れるための対処法をご紹介します。

妊娠後期に眠れない時の対処法1:寝る2時間前に入浴する

夜眠りやすくする方法の1つとして、入浴があります。お風呂に入って体を温めておくと、眠りにつく頃には、ちょうど眠れる体温まで下がります。

なお、入浴は寝る2時間前に済ませておくと、ちょうどよい体温まで下がりやすくなります。

妊娠後期に眠れない時の対処法2:日中に体を動かす

日中にウォーキングやストレッチなど、軽めの運動も夜に眠りやすくする方法の1つです。

軽い運動は夜に入眠を促し、また、日中体を動かすことによって昼寝してしまうのを避けられます。ウォーキングやストレッチのほかには、マタニティヨガやマタニティスイミングなどもおすすめです。

妊娠後期に眠れない時の対処法3:横向きになって寝る

妊娠後期の大きいお腹で眠る際、仰向けだと内臓への圧迫感で眠れない、あるいは眠っていても眠りが浅くなることもあります。

圧迫感を避けるためにも、体の左側を下にして横向きになって眠るとよいでしょう。また、膝の間にクッションを挟んで足を交差させても眠りやすくなるといわれています。

妊娠後期に眠れない時の対処法4:寝る前に液晶画面を見ない

スムーズな入眠のためには自律神経を整えることも重要なポイントですが、液晶画面をずっと見続けると自律神経が乱れるといわれています。

寝る1時間くらい前からはスマートフォンやテレビなどの液晶画面は見ないようにしましょう。それだけで眠れない悩みが軽減されます。

眠る前はテレビを消して、ゆったりと読書したり、リラックスタイムにするのもよいでしょう。

妊娠後期に起こる眠いこと以外の身体の変化3つ

妊娠後期の眠気対策についてご紹介しましたが、妊娠後期に出る症状は、実は眠気だけではありません。だるさを感じたり、食欲が増したりといったことも症状として現れます。

眠気以外にも出てくる症状も把握し、対処できるようにしましょう。ここでは、妊娠後期に現れる症状として、だるさ、圧迫感の変化、食欲増進についてご紹介します。

妊娠後期の眠いこと以外の身体の変化1:だるさ

眠気以外に、体がだるいと感じるのも妊娠後期の症状の1つです。

妊娠後期はお腹がかなり大きくなるので、腰や足への負担も大きくなってきます。体力も奪われやすいので、それによる体の疲れがだるさとして現れます。

だるさを感じた時は無理をせず、休むように心がけましょう。また、ヨガやピラティスなどの有酸素運動を行うことで代謝が上がり、夜もよく眠れます。

妊娠後期の眠いこと以外の身体の変化2:妊娠中期までの上半身の圧迫感がなくなる

妊娠後期はお腹が大きくなり子宮が胃や肺、心臓などを圧迫するので、胃が苦しかったりちょっと動いただけで息切れしやすくなったりします。

これが妊娠10か月に入り、いよいよ出産間近となってくると赤ちゃんのいる位置が下がってくるので、これまでの胃や肺などへの圧迫がなくなります。

胃のむかつきがあった人もずいぶん落ち着きますが、その分、膀胱が圧迫されるので、頻尿になりやすくなります。

妊娠後期の眠いこと以外の身体の変化3:食欲が増す

妊娠10か月に入ると胃や肺への圧迫がなくなり、むかつきもだいぶ落ち着きます。

そうすると、これまでの反動もあって一気に食欲が増してきます。常に何かを食べていないと気が済まなかったり、これまでは食べられなかったこってりとしたものを食べたくなったりと、とにかく食欲が増進するようです。

食べられるようになるのはよいことですが、食べすぎは体重の増加につながりますので、食事の前にサラダや野菜スープを食べるようにして乗り切りましょう。

睡眠後期の眠気に上手に対処して健康に過ごそう

妊娠後期の眠気の原因や対策方法などについてご紹介しました。原因はいくつかありますが、妊娠中の眠気は避けられない、仕方のないものでもあります。

眠いからといってすぐ眠れない場合もありますが、対処法を活用してうまく乗り切りましょう。

眠気の原因の1つは赤ちゃんが成長するためのホルモンの影響でもあります。赤ちゃんが成長するための大事な作用の1つですので、赤ちゃんが休んでほしいというサインだと思って、上手く対応しましょう。